「ふたりはラボキュア。 その後の歴史を考えると複雑な気持ちになるが、面白いもんは面白いのだ!」ランボー3 怒りのアフガン たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ふたりはラボキュア。 その後の歴史を考えると複雑な気持ちになるが、面白いもんは面白いのだ!
戦争アクション映画『ランボー』シリーズの第3作。
ソ連軍に捕えられたトラウトマン大佐を救出するため、ランボーは単身アフガニスタンへと赴く…。
○キャスト
ジョン・ランボー…シルベスター・スタローン(兼脚本/原案)。
世間的には前作『怒りの脱出』同様、失敗作という烙印を押されている本作。
今回初めて鑑賞してみた訳だが、これは声を大にして言いたい。面白いじゃん!!
確かに、『1』『怒りの脱出』にあったベトナム戦争への批判的な眼差しはなくなり、ただただ対ソ連を描いた単純なプロパガンダ作品になってしまっているという点は否めない。
まぁトラウトマン大佐が「アメリカがベトナムで負けたように、ソ連もアフガンで負けるよ」と発言しているので、シリーズを通してベトナム戦争への批判姿勢は一貫しているのだが、それでもやっぱり本作は反共主義って感触が強い映画になってますよね。
別にランボーが愛国主義者になったわけでもないし、此度の戦いもアメリカの為に行ったわけじゃないんだけど、作品の背景にある思想が確実に変化していることは観ていれば気付く。その点で『ランボー』ファンがコレジャナイ感を抱いてしまうというのも宜なるかな…と思ったり。
もう一点政治的なことを言ってしまうと、やはりこの「アフガニスタン」の描き方に引っかかる人も多いだろう。
現代人の視点からだと、アフガニスタンのムジャーヒディーン(ゲリラ兵)と共闘するという展開は、その後のアフガン内戦、タリバンの台頭、そして911テロからのアフガン紛争のことを考えるとなんともやるせない気持ちになってしまうものだが、本作が制作された80年代後半の時点でこういった社会情勢を予見することは勿論出来ないわけで、その点を突っついてこの映画を虐めるというのもフェアーじゃない。
この点についてはまあしょうがないでしょう。そりゃあモヤモヤするけどさ…。
そういった政治的なところをすっ飛ばして鑑賞すれば、めっちゃ面白い大味アクション大作!
当時としては史上最高額となる6,300万ドルもの製作費が注ぎ込まれた、とにかく爆発💥爆発!💥爆発!!💥💥なハイテンションすぎる映画であり、実際の軍用ヘリや戦車がどんどん投入され、それがアフガンの騎兵隊とバトルを繰り広げるというご機嫌すぎる展開にはニッコリ🎵
ところで、お馬さんが広大な荒野を疾駆するだけで「うぉー!いいもん観たー!!」ってなるあの感覚、あれっていったいなんなんですかね?
スタローンも馬に乗りまくり、しかも羊奪い合いゲームとかいう謎スポーツまで披露してくれる。まさに馬尽くしな映画。スライって騎乗もウマいっす🐎
大味アクションもさることながら、女っ気が0%というのも本作の特色。
ヒロインがおじいちゃんのトラウトマン大佐ですからね…。こんな救出任務、自分なら死んでも御免被る。
全く女っ気がないにも拘らず、スクリーン越しに伝わる色気が、凄い💕
この頃のスタローンの身体つきってのは、あれはいったい何なんですかね?細身なんだけどバチバチに締まっているというか…。もうとにかくエロいんだこれが!!
全盛期のスタローンの肉体美をこれでもかと鑑賞出来る。これだけでもこの映画を観る価値は十二分にあるのではないでしょうか⁉︎あっ…思い出しただけで鼻血が…👃🩸
ランボーとトラウトマン大佐、初めての共同作業。
いまいちトラウトマン大佐の凄さが伝わらないというか、お前ただのジジイやんけ!とか思うんだけど、まぁランボーがそれで良いんならヨシ!
『怒りの〜』という割にはランボーあんまり怒ってないけど、それもまたヨシ!!
気怠そうな顔をしたムキムキマッチョマンが、おじいちゃんと一緒にソ連兵を虐殺しまくるという、冷静に考えるとどうかしている映画。
クライマックスなんて軍用ヘリと戦車の正面衝突ですからね。頭おかしい💦
どうかしてる映画なんだけど、バリ面白い!再評価の時は今!!