「1000人対1人は話盛りすぎ。でも面白い。追い込まれて敵を増やしていくタイプ。」ランボー 野球十兵衛、さんの映画レビュー(感想・評価)
1000人対1人は話盛りすぎ。でも面白い。追い込まれて敵を増やしていくタイプ。
「ハイウェイを埋め尽くす700台のパトカー!」だとか。
「1000vs1の壮絶な戦い!」だとか。
そんな妄言(誇大広告)に、まんまと乗せられて劇場で観てきたんですよね、この作品。どこからそんなワード出てきたん?
田舎町で盗んだバイクで走り出して、パトカー1台に追いかけられてただけですやん(笑)ハイウェイはおろか、まともな舗装路すら出てきてませんでしたやん(笑)
敵1000人もおりませんでしたやん。どのシーン見てもせいぜい50人くらいでしたやん。実質の敵は保安官1人だけですやん(笑)
そのティーズル保安官自身も言っていたけれど。「銃を持ったプロを200人動員してるんだぞ!」それでも1/5(笑)
時代が時代なら、完全にブラック判定のJARO案件。
そんなアクション超大作に見せかけなくても、ニューシネマとして観たら、娯楽的に完成度高いし面白い作品なのに。
そして、私の苦手な崖“チャッカマン(笑)”渓谷。高い所本当に苦手。来世は船越英一郎になりたい。
崖から飛び落ちるランボー。調べてみると、スタント無しでスタローン自身が演じられたそうですね。
くぱぁ…と開いた傷口を縫うシーンは真偽のほどはよくわからないのですが、スタローンが語るにはフェイクだったようです(Wikipedia調べ)よかった。でも、右腕のくぱぁ…はリアル傷口なのかな?痛すぎる!痛覚に訴えかけすぎてる!ガク((( ;゚Д゚)))ブル
トゲトゲ枝のトラップとかも。めっちゃ痛そう。
ランボーに殺されかけた時のティーズルの顔がいいんですよね。めっちゃ情けない泣き顔が「ざまぁw」でした。
このティーズル保安官。原作の『一人だけの軍隊』ではとてもいいこと言ってるんですよ。うろ覚えなんですが、こんな感じの台詞でした。空っぽの銃器の保管庫の鍵をかけ忘れた署員に
「鍵はいつでもかけておけと言っているだろう!ちっぽけな決まり事を守れないヤツは、肝心な時に必ず重大なヘマをやらかす!」みたいな。
これ、私の人生訓になったんですよ。←えらそうに!忘れてください。
この映画観ていてずーっと思っていたことがあるの。ランボーめっちゃ寒そう。こんな時期に観直す映画じゃない。
そしてミッチーはいいやつ。なのにナイフでグサッ!と脚刺されて可哀そう。ランボー!他人の情は察したれ。
そうそう、あのナイフ。一時期少年漫画雑誌の裏表紙の広告を賑わして、そこそこ売れてたっぽいんですよね。サバイバルナイフって言うの?裏蓋がコンパスになっているやつ。怖くて買わなかったけれど。
また脱線します。よかですか?終盤でランボーが強奪し乱射しまくっていた機関銃、劇中でM60と語られていたので調べてみました。ランボーは腰だめで撃っていましたけれど、見た目通りそんな軽くないんだって。しかもこの鉄砲、信頼性に大いに欠けているらしくて。あんだけ連射繰り返したら、ほぼ弾詰まりを起こしちゃうポンコツ銃らしいの。どうでもいいことなんですが。鉄砲好きなので調べてみました。
私「殺ったれ!殺ったれ!」系の映画好きなんですよ。なのに、どういう訳か、終盤に至ってランボーさんよりもティーズルさんに感情移入しながら観てたの。「あの野郎!よくも俺の町を!」に強く同感しちゃったの。ランボーさん、ちょっと“おいた”が過ぎてます。
でも「戦場ではヘリを飛ばし戦車を走らせ100万ドルの武器を任された!それがここでは駐車場係の仕事もないんだ!」の哀しい叫びには心をかき乱されました。
典型的なPTSDの泣き声を上げるランボーさん、やっぱり可哀そう。
原作のラストでは、トラウトマン大佐にショットガン(だったかな?)で頭を吹き飛ばされて終わるんだけれど、私は映画のラストの方が好き。続編が期待できるからとかそうじゃなくて。
ランボーの哀しい生き様が浮き彫りになった、素晴らしい終幕だと思ったの。甘えるように大佐に抱きつくランボーに胸キュンってなったの。
エンディングテーマソング『It’s a Long Road』が秀逸のなんの!映画史に名を残す名曲だと思うの。個人的には。
点数が★-1個の理由はやっぱり宣伝活動がマズかったかなぁ…と思って。