ラブゴーゴーのレビュー・感想・評価
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「最新 爆笑愛情大悲劇」というキャチコピーに偽りなし
別作品『1秒先の彼女』素晴らしかったチェン・ユーシュン監督の手になる別作品として鑑賞することとした一本になります。
全体的には、三者三様の不器用な「恋愛模様」が切なくもコミカルで、あたかもアシェンが作っているレモンパイのように甘酸っぱい一本なのですけれども。
ただ難を言えば「その人の体重は神様が決める部分もある」と考えている評論子には、リリーの「失恋」には(本作はラブコメとはいいつつ)少なからずが痛むものがありましたけれども。
しかし、その点を割り引いても、前鑑賞の『1秒先の…』と同様に佳作であり、「最新 爆笑愛情大悲劇」という予告編のキャッチ・コピーには嘘いつわりのなく、「人生は恋の予感にあふれている」「台北に住む々なタイプの男女に訪れた「恋の季節」、彼らが織り成す不器用な恋愛模様をポップなタッチで描いたラブコメディ」という本作の製作意図も、ちゃんと当たっていたように思います。
コメディタッチで描かれつつも、リリーの恋心を新鮮に描き出している点で、佳作という評は、惜しくないと思います。
評論子は。
<映画のことば>
「愛がなければ生きていけない。」
「失恋したの?」
「彼女にフラれたんだ。」
「50億も人がいて、誰一人僕を好きじゃない。」
「大勢が好きよ。まだ出会っていないだけ。」
「恋したことは?」
「なくても、わかるわ。花も咲いてて、世界は素晴らしい。」
(追記)
当サイトの作品解説を読んでも、本作は、いわゆるラブコメという位置付けの作品なのですけれども。
リリーの失恋は言うに及ばす、アシェンの片想いや、その想い相手で不倫の愛にひとり悩み苦しむのカット店長の姿という異性愛のほか、家族愛には必ずしも恵まれていなかった様子の痴漢よけグッズの若いセールスマンなど、「愛の諸相」を描いている点は、興味深いと思いました。
チェン・ユーシュン監督という人は、冒頭に掲げた別作品など、若者の不器用な恋愛模様を描くことに長けた方の様子です。
「それまでは何とも思わなかったのに、ある日に突然、その人のことが頭から離れなくなる。あさ目が覚めて最初に想うのは、その人のこと。よる眠りに落ちる最後の瞬間まで頭を離れないのが、その人のこと。まったく狂気の沙汰ですよ」とは、あるラジオドラマで伊東四朗さんが演じていた登場人物のセリフでしたけれども。
そういう「愛」(とくに異性愛)の実相を、ある意味鋭く描き出していた点では、侮(あなど)りがたい一本だったという受け止めでもあります。評論子的には。
(追記)
ポケットベルだったんですね。
リリーが「彼氏」との繋がりの手段としていたのは。
もう令和の今では「死語」とも言うべきでしょうか。
今日日の女子高生は、もちろんスマホですけれども、評論子の高校時代は、女子生徒の
必需品は、この「ボケットベル」がトレンディ。
「4649」(よろしく)とは「0906」(遅くなる)などの「ベル文字」を駆使して友達同
士のコミュニケーションをとっていたようです。
もっとも、リリーの「やけ食い」のシーンでの「小道具」は、ポケベル時代の終焉と、来るべき携帯電話時代…そしてリリーの新しい恋の象徴だったのでしょうか。
そう信じたいところです。
昭和半(なかば)生まれの評論子には、そんな思い出も甦(よみがえ)った一本になりました。
(追記)
近くのコープに美味しいパン屋さんが入っていて、朝食用のパンを買うのに重宝しています。
もし「透明人間(隠形人)」のパンが売られていたら、速攻で買いたいとも思いました。
評論子も小学校時代の「あの子」のことを思い出しながら、きっと甘酸っぱく食べることと思います。(涙)
『1秒先の彼女』と同じチェン・ユーシュン監督。
『1秒先の彼女』と同じチェン・ユーシュン監督。この監督の長編2本目の本作。この後17年間長編を撮らず、その後1本挟んで『1秒先の彼女』だ。
脚本の造りがよく似ていると思いました。この監督さんは一貫して残念な人とか可愛そうな人とかを応援するような優しく包み込むような。
主人公のパン屋さんには正直な所感情移入できませんでしたが、他の登場人物が複雑に絡み合ってて面白かったです。
屋上シーンが良かったです。スタンガン売りのお兄さんのシーンが特に好きです。
いい話も台湾的ノリも、たくさん良いところがあったはずなんだけど、正...
いい話も台湾的ノリも、たくさん良いところがあったはずなんだけど、正気じゃないセールスマンが出てきて大半を吹っ飛ばされてしまった。
彼が自分と同じ「人間」とは到底思えない。化け物。
あとこの監督は手紙で大事なことを伝えるのが大好き。
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