「監督・脚本はクリス・マルケル。 デジタル修復・大塚明夫による日本語...」ラ・ジュテ りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
監督・脚本はクリス・マルケル。 デジタル修復・大塚明夫による日本語...
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監督・脚本はクリス・マルケル。
デジタル修復・大塚明夫による日本語ナレーション版での鑑賞です。
ある日のフランス・オルリー空港。
少年が観たのは美しい女性の微笑む顔と何かしらの強烈な印象。
突然、轟音とともにパリの街は消滅。
第三次世界大戦のはじまりだった。
生き残った人々は地下へ潜伏するも、物資は乏しく、生き延びる希望は少ない。
戦勝側の科学者たちは、時間超越による救済を求め、「過去」と「未来」を行き交う能力を開発実験に着手した。
何人もの捕虜が被験者として選ばれるがいずれも失敗。
しかし、ある男は実験に成功し、過去へと戻ることができた。
彼は、あの日空港にいた少年が成長した姿だった。
そして、彼はあの美しい女性と出逢う・・・
といった物語で30分に満たない尺。
全編、静止画(ただし、通常撮影された画像を処理したもの)で構成され、短いショットがオーバーラップなどの技術で編集されています。
なので、静止画モンタージュなれども動的な印象が残ります。
また、物語を勧めるのは台詞ではなくナレーションなので、原語版だと字幕をひたすら読むことになり、画面に集中できないおそれがあります。
というか、初鑑賞時は字幕版だったので意識が遠のいたような・・・
ですので、今回の日本語ナレーション版がお薦め。
先に、全編静止画と書きましたが、一か所だけ動画のショットが用いられています。
朝の陽ざしの中での女性の微笑みと瞬き。
ハッとして、観ていて、声をあげました。
のちに本作を原案にして『12モンキーズ』がつくられたのは有名なハナシ。
本作の後半に登場する剥製博物館の描写から、『12モンキーズ』の話の一部が構築されたのは間違いないところ。
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