「ジャズ音楽が取り持つ男同士の友愛のフランス映画」ラウンド・ミッドナイト Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャズ音楽が取り持つ男同士の友愛のフランス映画
人間本来の優しさやその温もりを感じさせるストーリーのジャズ音楽の魅力に溢れたフランス映画。ベルトラン・タベルニエ演出は前半が弛緩してテンポが遅く、それ故上映時間を少し短縮した方が更に密度の濃い秀作になったのではないかと思った。黒人名サックス奏者を、あたかも妻かマネージャーの如く親身に世話をするデザイナーのフランス男を美しく描く。男同士の友愛を男女の恋愛映画の様に描けるフランス映画の人間臭さが特に印象に残る。アル中で身を持ち崩す黒人奏者も丁寧に描いているが、デザイナーのフランス家族の描写にタベルニエ監督の特長が表れていた。兎も角男同士の友情は、フランス映画ならではの美しさであり、領域にあるということを再認識した。
1986年 3月3日 宇都宮アーバンシアター
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