劇場公開日 1986年10月10日

「特等席で・・」ラウンド・ミッドナイト odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0特等席で・・

2019年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

 モデルになったピアノの天才・バド・パウエルと支援したフランス人デザイナーの実話をもとにサックス奏者に置き換えて映画化。主演のデクスター・ゴードンは華美な装飾音を嫌いサックスの地の音を好む本物のJAZZプレイヤー、共演は後に「最強の二人」で車いすの大富豪を演じたフランソワ・クリュゼである。
正直、演奏以外の私生活なんて知りたくもない、むしろ知ったことによる雑念が鑑賞の邪魔をする、特にモダンジャズの時代は精神を病み、薬とか酒の絡んだ酷い話が多いのだから。
いっときヨーローッパで息を吹き返したのは客層の違いだろう、60年代にはこぞって奏者が海外に流れた。新しいとか独創的とか競うから碌なことはない、当時、新しいスタイルともてはやされたバドのピアノよりケニー・ドリューのメローな方が良いと言って友人と大喧嘩になったこともある。以来、JAZZには野球同様、狂信的なファンがいるから好みは言わないようにしている。
好き嫌いは別として錚々たるメンバー、デクスターは地なんだろうが俳優としても素晴らしい。JAZZ好きならクラブの特等席で聞けるようなありがたい映画であることは間違いないのだから。

odeonza