「グイドの不注意行動が気になりすぎて共感できなかった」ライフ・イズ・ビューティフル Bigcatさんの映画レビュー(感想・評価)
グイドの不注意行動が気になりすぎて共感できなかった
(一度別内容でコメントを書いていたのですが、本作品を再度鑑賞し直し、コメント内容・評価を改めました)
2025年のリバイバル上映で初鑑賞。
グイドが通信室に忍び込んで、妻のドーラを勇気づける放送をするところが気になりすぎます。恐らくは、映画の鑑賞者に感動を与えるシーンとして作られたものだとは想像しますが、私にとっては感動とは真逆で、極めて不注意な行動にしか見えませんでした。
というのも、看守たちに目をつけられて、グイドはもちろんのこと、彼の息子のジョズエも、彼らのいる8号棟の同室の人々も、命を奪われてしまいかねない大変不注意な行動だと思うからです。彼の妻ドーラに宛てたメッセージだということも特定されてしまい、ドーラの命までも危うくしてしまう振る舞いではないでしょうか。
ドーラはグイドのメッセージを聞いて、幸せそうな表情をしていましたが、幸せどころか命の危険を感じて青ざめてしまうような緊急事態発生の場面であったと思うのですが。
看守たちの方も、こんなことをした犯人は誰だと探しに来ないのも腑に落ちないです。これでお咎めなしになってしまう程度の監視の厳しさ(緩さ)なのであれば、グイドも悲しい運命をたどらす、アメリカ軍が来る前にうまく収容所から逃げることができていたかもしれなく。この作品の素晴らしく微妙な設定をぶち壊しにしてしまうくらいの残念なシーンに感じてしまいました。
(グイドの仕業だと判明して捕まってしまい、拷問されてひどいけがを負わされてしまったが、運良くなんとか命は無事に戻ってきた、というようなシーンでもあれば全然違ったと思うのですが)
その結果、通信室侵入事件の後のグイドの奮闘もすべて、「いやそんな策を巡らす前に、残念ながらあなたは通信室での行動によって既に命を落としていたよ」と、共感しがたく見えてしまい、私にとってはこれぞ名作、とまでは感じられないままとなってしまいました。
コメントありがとうごさいます。
恐縮ながらチャップリンの作品はあまり見ておりませんので、お答えするのは難しいです。具体的な作品名を教えていただけましたら、鑑賞後に感想をコメントするようにいたします。