「悲惨な収容所描写は無いものの…」ライフ・イズ・ビューティフル KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
悲惨な収容所描写は無いものの…
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ユダヤ人強制収容所にまつわる映画は
「シンドラーのリスト」「サウルの息子」
等々、山のようにあり、
これまで数多く観賞したが、ある意味、
この映画が収容所実態の描写からは
一番離れた作品かも知れない。
フランクルの著書「夜と霧」や、
同名のアラン・レネのドキュメンタリー映画
等に接することにより、
この収容所の状況が、
この映画を遙かに上廻る悲惨な環境だった
ことを我々は知ることが出来る。
この作品は、日常的な命の略奪はもとより、
飢え、凍え、不衛生等の環境上の地獄絵図や、人間の尊厳剥奪等の悲惨な状況を
ほとんど描写しない、
ロベルト・ベニーニが爆発だぁ的
一人芝居映画と言えるだろう。
しかし、このことでこの映画の価値が
否定されることも無いだろう。
どんなに過酷で厳しい環境でも、
家族を思い、家族のために、
常に明るくポジティブに生きることの
崇高な価値を教えてくれるのが
この映画の真髄で、涙も誘う。
しかも、主人公が結局は殺されてしまう
ところに単なる“つくり話”では済まさない
との、監督ベニーニの意志も感じる
ことが出来た。
因みに、私の一番大切な
ユダヤ人強制収容所関連映画は
「ソフィーの選択」です。
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りかさんのコメント
2023年11月11日
おはようございます😃
素晴らしいレビューです。
私は単純ですので、最後のところで、上手〜くして生き延びて欲しかったのですが、
監督も兼ねておられますので、ご自身の主張を表す以上、ハッピーエンドにはできなかった、ということですね。ありがとうございました😊
まだいくつか共感させていただきたい作品を見つけましたので、おいおいと。🎅🎂🎄🤶