「人生は、美しい」ライフ・イズ・ビューティフル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
人生は、美しい
思い出しレビュー40本目。
『ライフ・イズ・ビューティフル』
戦時下のヒューマン・ドラマの名作の一つ。
陽気なユダヤ系イタリア人のグイドは、小学校教師のドーラに一目惚れ。猛アタックの末、結婚。男の子ジョズエも産まれ、幸せな日々を過ごす。が、日に日に戦争が忍び寄り、一家は強制収容所に送られる…。
大人でさえ恐ろしい強制収容所。
子供にとっては尚更だろう。何も分からないから、余計怖い。
父がある嘘をつく。
これはゲームなんだ、と。
上手くゲームすれば、最後にご褒美が貰える。
するとそこは、ジョズエにとって毎日楽しい遊び場に。
子供を怖がらせない為、守る為。
辛い状況下でも、常に明るく。
父グイドの姿が胸を打つ。
ロベルト・ベニーニの好演。
ジョズエ役のジョルジオ・カンタリーニくんの愛らしさ。
テーマ曲も心に残る。
作品自体も素晴らしいが、“その後”によく思いを馳せる。
「私の物語」と始まる、大人になったジョズエの回想。この時の事を思い出して、何を思ったか。
当然成長するにつれ、あれがゲームではなく、本物の強制収容所である事は分かっただろう。
そしてゾッとしただろう。もしかしたら、死んでいたかもしれない。
あそこで生き延びる事が出来たのは、全て父が居たから。
母とは再会出来た。が、父は…。
おそらくジョズエは、何度も何度も涙しただろう。
父が命を懸けて自分を守ってくれた事に。
何度も何度も、感謝しただろう。
永遠に亡き父を愛し続けるだろう。
美しい父の愛。
美しい物語。
美しい映画。
人生は、美しい。
レモンブルーさん
コメントありがとうございます♪
お書きになったラストシーン、思い出してしまいました。
悲しいんだけど、幸せなラストでもありましたね。
本当に今も全く色褪せない名作です。
つい最近見た『ジョジョ・ラビット』も似た雰囲気の戦時下のドラマでした。
ご興味ありましたら、是非見てみて下さい(^^)
近大さん レビュー読んでて思わず涙が出てしまいました。素晴らしいです!ジョズエが大きくなってあの日々を思う時の事を私も想像しました。かなり前に観た映画ですが、戦争の虚しさと人生の美しさ、親の愛の深さを表現した永遠に色褪せない作品だと思います。
私は父がジョズエを守る為に箱の中に隠し、「もし 朝まで誰にも見つからなかったら戦車を見せてあげるよ」と言って自分は捕らえられて行く時も笑顔で戯けて見せた姿が切なくて その後朝が来て、ジョズエが恐る恐る箱から出て来ると…なんと!戦車が!「お父さん本当に戦車が来た〜!」という喜びで目を丸くしたジョズエの表情に涙が止まりませんでした。本当に素晴らしい映画ですね。人生は美しい!