ライトスタッフのレビュー・感想・評価
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偉大な挑戦
初めて音速の壁を超えた40年代、旧ソと競争激化した50年代、そして有人宇宙飛行に成功した60年代…。
アメリカの宇宙計画への挑戦の歴史と、選ばれた飛行士たちの姿を描いた1983年の作品。
スケールも大きく、見応え充分。
これぞ映画と思わせてくれるヒューマンドラマ大作。
音速の壁を超え、可能性が広がった宇宙への挑戦。
しかし旧ソに先を超され、何度も挑戦を試みるも、失敗に次ぐ失敗。
アメリカと旧ソの宇宙計画の競争は色々伝えられているが、初期の数々の逸話と共に、非常に興味深い。
ノンフィクション小説の映画化で、ドキュメンタリータッチの演出が、リアリティ充分。
話のメインとなるのは7人の飛行士。
その家族との関係や、技術者たちとの確執も見所。
前人未到の領域へ挑戦する男たちの姿は格好良い。
挑戦は常に死と隣り合わせ。家族の心労はいかほどのものだったろうか。
結果を急ぐ技術者たち。
着水時、飛行士の救出よりデータの入ったカプセルの回収を優先するシーンは印象的。
ただ感動だけじゃなく、当時の実態も克明に。
ドラマに深みを与えている。
サム・シェパード、デニス・クエイド、エド・ハリス、フレッド・ウォード、スコット・グレンら渋いキャストが揃う。
中でも、音速の壁を超えた実在のパイロットを演じたサム・シェパードの孤高の存在感が光る。
ビル・コンティによるテーマ曲も胸躍る。
1950年代のSF映画で人類が宇宙へ行くのは21世紀になってからとよく描かれていた。
実際は60年代に!
ベタな言い方しか出来ないが、人類の挑戦は偉大だ。
これぞ群像劇、これぞ映画!
競争の時代に生きた男達とそれを取り巻く人々を描いた群像劇。
多くの命知らずな男達が音速を目指した時代、人類が次に目指したのは宇宙だった。
アメリカで初の有人宇宙飛行を目指す7人の宇宙飛行士。
彼らを心配する妻たち。 宇宙飛行士に国の威信を賭けるアメリカの国民たち。
かつて、世界で初めて音速を越えたパイロット。
競争の時代と対象的なアボリジニ。
同じ時代に生きたそれぞれの感情を的確な描写で上手く表現している。
これぞ群像劇、これぞ映画だ!
カメラワークの芸術性、音楽の質とタイミング、総合演出が素晴らしい。
アメリカという国はいつも英雄を求めている、そして英雄になれるのはいつも1人だ。時代遅れの者、一番で無い者は、同じ偉業を成し遂げても英雄にはなれない。
時代の寵児ばかりを追いかけ、本当に優れているもの、評価されるべきものに興味を示さない大衆やマスコミ。これは、現代の映画業界についても言えると思う。
ニューシネマを打ち破ったと言われる「ロッキー」や「スターウォーズ」より現実に目をやり、ニューシネマ以前のアメリカを描くことによって「個人の可能性」を全面に打ち出した傑作。
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