「まぁ、、古いからなぁ、、」欲望という名の電車 Jolandaさんの映画レビュー(感想・評価)
まぁ、、古いからなぁ、、
また、終盤で眠気に襲われてしまった。たぶん、眠気のピークが、ブランチの誕生日パーティーをすっぽかしたミッチが、そのあと一応会いに来るあたりと、出産でステラが病院にいる間にスタンリーとブランチが二人きりになってしまい、なんか喋りながらスタンリーがじりじりとブランチににじり寄ってくあたりでした。この時代の映画なんで、貞操への影響は「割れた鏡」とかで控え目に表現されるのね、やっぱり。超、睡魔と格闘してたから、結局なにがあったのか鑑賞後にネットで調べちゃった(これはひどい)。
舞台版というか戯曲は、映画で(控え目とはいえ)描かれるレイプやDVの他、同性愛の要素もあるらしい。'40年代後半に!何と新しい。映画版は検閲があったらしいね。
今、令和の時代にアラサー(じきアラフォー)の、若干フェミ気質の人間が観ると、もー、ちょっとやめてくれよ、辛くて観てらんねーよみたいな気持ちになる側面もあるのよね。ジェンダーの観点で観ちゃうとね。(スタンリーが)マーロン・ブランドでなかったらDVDの盤面、割ってるね(笑)
そして、映画の最後に犯人が警察に捕まるというのはあるけれども、まさしくそんな感じで「医者に連行」されていくブランチ。まだ軽く睡魔と戦いながら、私、最初はブランチが過去に実は何か事件起こしてて、それで警察が来たのかと思いましたもん。したら、面子が老紳士と婦人。まじかww医者が迎えに来るのがオチかww と、眠いながらに驚愕しました。
ま、これはアメリカだけど、昔のヨーロッパは精神病院の見学ツアーとかあったらしいから。見世物として。今、こんなオチで映画作ったら炎上しますよ。
姉の顛末というか一部始終を見ていた妹が赤ん坊を抱いて「今度こそ戻らない!」って言う大オチの取って付けた感は、「ピグマリオン」(『マイフェアレディ』の元の舞台)のラストのサバサバ感と通ずるものがあるかも。
色々書いたけど、没落していく優しい魂の彷徨と明滅、その魂を食い物にする人間の露悪、時代の移り変わり、そういったものを大戦の終わりからまだ5年も経っていない頃に書けちゃうT.ウィリアムズすげぇ‼っていうのは素直に思いました。自身も双極性障害を患ってたらしいヴィヴィアン・リーの熱演が、その映画化を可能にしたんすね(しみじみ)。