「それってあなたの感想ですよね?」ユージュアル・サスペクツ ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)
それってあなたの感想ですよね?
ひろゆきが、マイベスト100に入る作品の1つとして、名前を挙げていた映画だったのと、
どんでん返し系サスペンスの名作として、
タイトルくらいは知っていたので鑑賞したが、
100分程の長さで、冒頭からの90分はダルい展開でキツかった。
ひろゆきって、表面的なところしかない奴だと思ってはいたが、本当に浅い奴なんだなと思った。
とんでもなく、過大評価されている作品だとも思った。
確かに、ラストの10分は大どんでん返しで、騙された感触は心地いいのだけれど、
じゃあ、あの90分は何を見せられていたんだい?
と考えはじめたら、そこに納得できる答えが見当たらなかった。
90分嘘の話を見せられたのはいいとして、5分でもいいから、
対になる種明かしの場面が欲しいのだけれど、
そこがほとんど無いのだ。
全てペテンだったなら、どこからどこまでがペテンだったのか、
いつからミスリードしてしまったのか、その境界線もないし、
実際にあの90分の中には真実が何も無かったのかもしれない。
テレビゲームのポートピア連続殺人事件は、確かに犯人はヤスだったけれど、
ヤスと一緒に調査したのは事実でもある。
ヤスと共に調べた時間が共有されているから、
どんでん返しにも何かしらの感情が湧くけれど、
この映画に関しては、それすらもあったかどうか怪しいので、
感情が出てこないし騙された感触しかない。
何を見せられてたんだろ、しか残らない。
もう1つ、5人組の話だったはずなのに、生き残った1人以外は、
イマイチキャラが立ってないというか、好きになれないというか、
どんな奴でどんな結末だったか、すぐ忘れてしまう程、印象に残らなかった。
それはこの作りにしては、とても勿体無いことだと思った。
全体的に、オチは出来のいい部類だと思うが、フリがとても弱い作品で、
そのせいで、深みのないサスペンスになり、オチが一発ギャグみたいに浮いてる感覚になった。