劇場公開日 1995年10月28日

「リアルな教訓に満ちている佳作」黙秘 Fate number.9さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0リアルな教訓に満ちている佳作

2024年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

回想シーンに移行する時の、過去と現在が溶けあうような自然なカメラワークや、まるで彼女の罪を太陽の目から隠してやるように訪れる日蝕の演出など、随所にセンスの良さが見られる。

キャ シー・ベイツ演じる彼女の人生も、殺人(見殺し?)を抜きにすれば、どこにでもあり得る平凡なもの。ただ、自分を律することが出来ない男と結婚したのも、その本質を見抜けないまま子供を惰性的に作ってしまうのも、またその夫を精神的に支え切れなかったのも、結局は本人(無論、夫も)の選択と責任の結果でしかない。

自分の人生を良くするも悪くするも、それは自分自身の選択と決定以外の何物でもない。夫婦間の問題も、子供との関係も、友人との関係も、相互理解と相互依存の関係を自覚し、一歩先を予想する想像力さえあれば、それほど状況が悪くなることはないはず。結局、自分の人生の顛末は自己責任が当たり前。そんなリアルな教訓に満ちている佳作。

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Fate number.9