「ベイツ!」黙秘 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)
ベイツ!
キャシー・ベイツは、今作と同じスティーブン・キング原作の「ミザリー」(90)が印象的でしたが、今作の主人公も似た路線、つまりハマリ役だったと思います。オープニングから恐ろしげな展開ですが、現在パートに突如、挟み込まれる過去シーンが、あたかも人間の脳内を再現しているかのようで興味深い描写でした。マッケイ警部(クリストファー・プラマー)がそうであるように、自分の能力や経験を過信しすぎると、気付かないうちに事実を歪めて見てしまう、そんな怖さも感じました。娘セリーナ(ジェニファー・ジェイソン・リー)もまた別の意味で母親ドロレス(キャシー・ベイツ)を誤解していて、出口の見えない闇を迷走しつづけます。そんなモヤモヤがすべてスッキリ晴れるラストも、何となくどんより曇った天候であったのは、この世の中のやりきれなさをありのまま描いているような印象でした。個人的な思い出ですが、テイラー・ハックフォード監督の「愛と青春の旅だち」(82)を見て以来、好きな女優はデブラ・ウィンガーだと言ってました(笑)。
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