目撃者(1957)
劇場公開日:1957年12月11日
解説
イギリスの探偵作家ジェームズ・ハドリー・チェイスの『キャラハン嬢とんだ御災難』を原作にした売春地帯をバックとする暗黒映画。「男の争い」のルネ・ウェレルが脚色、「男の世界」のイヴ・アレグレが監督した。撮影は「ハッピー・ロード」のロベール・ジュイヤール、音楽は「素直な悪女」のポール・ミスラキ。主演は「罪と罰(1956)」のロベール・オッセン、「男の世界」のジェラール・ウーリー、「街の仁義」のジャン・ガヴァン、ローラン・ルザッフル、「愛は惜しみなく」のアントネラ・ルアルディ、「男の世界」のミシェル・コルドゥ、新人ドミニック・パージュとエレーヌ・ヴァリエ(マリナ・ヴラディの姉、ヴェルソワの妹)、それにアンドレ・リュゲなど。
1957年製作/フランス
原題または英題:Mefiez-vous Fillettes
配給:NCC=ユニオン
劇場公開日:1957年12月11日
ストーリー
密告されて五年の刑に服したラヴァン(ロベール・オッセン)は復讐に燃えてパリへ帰ってきた。親友“ちび”のジョー(ジャン・ガヴァン)と再会を喜ぶのももどかしく、ラヴァンは自分を密告したマンデッタを彼のアパートで射殺した。マンデッタは田舎娘を誘拐してはキャバレー“グラン・フリッソン”で働かせ巨万の富を築いた売春地帯の顔役だった。ラヴァンは彼に代って新しいボスとして、“グラン・フリッソン”に乗込んだ。が、この殺人事件には一人の目撃者があった。マンデッタと同じアパートに住むヤクザ仲間レオの妻ダニー(アントネラ・ルアルディ)である。これを知ったのが“グラン・フリッソン”の主人パルマーで彼はラヴァンを快く思っていなかったから、いざという時に彼を押えつける切札にしようと、ダニーを連出し、身内のコラの経営するホテルに監禁した。ホテルに働く女ファンはダニーに同情、色々世話を焼いた。一方ラヴァンはマンデッダの仲間で怪しげな映画を売物にしているスペードを訪ね、部下になれと言うが強か者のスペードは聞き入れない。パリの売春地帯では新入りの娘は店の主人がまず手をつける習慣であったが、コラの情夫トニオはダニーを何者であるかを知らず彼女を犯した。絶望したダニーは自殺を図るが、これを知ったラヴァンの御蔭で彼の家へ引取られた。ファンも家政婦として一緒に住むことになった。ラヴァンは幼時から機関車が大好きで、貧しい子供時代の夢を満たそうと部屋一杯にレールを敷き玩具の機関車をジョーと楽しんでいた。こんな優しいラヴァンにダニーは魅かれ、ラヴァンも彼女の美しさに恋を感じた。ダニーが見えなくなったので彼女の夫レオも探し回っていたが、それよりもホテルからダニーが消えて慌てたのはパルマーである。彼女が口を割れば自分の破滅と、必死に居所を探した揚句、ラヴァンの許にいることを突き止めた。その夜パルマーはトニオに命じラヴァンの家の前に待伏せさせ、帰ってきたダニーを撃たせた。が、倒れたのはダニーをかばって現れたファンで、彼女はダニーに、もう正体を明かしてもよいと言って息絶えた。今はすべてを知ったラヴァンはパルマーを殺しに出かけ、目的を達して戻ってきたが、スペードらの奸計で警察の手が回っていた。彼は捕るくらいなら死のうとジョーとピストル心中を遂げようとしたが、親友のジョーを射つことはできず独り息を引取った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- イブ・アレグレ
- 脚色
- ルネ・ウィラー
- 原作
- ジェームズ・ハドリー・チェイス
- 台詞
- ルネ・ウィラー
- Jean Mecker
- 製作
- ルイス・ウィプフ
- 撮影
- ロバート・ジュリアード
- 音楽
- ポール・ミスラキ