メンフィス・ベル

劇場公開日:

解説

第2次世界大戦下の欧州戦線、伝説の米空軍の名機(メンフィス・ベル)に乗り組んだ10人の若者が力を合わせて任務を完了するまでを描くスペクタクル・ドラマ。製作はデヴィッド・パットナムとキャサリン・ワイラー、監督は「スキャンダル」のマイケル・ケイトン=ジョーンズ、脚本はモンテ・メリック、・撮影はデヴィッド・ワトキンが担当。出演はマシュー・モディン、エリック・ストルツほか。

1990年製作/107分/アメリカ
原題または英題:Memphis Bell
配給:ワーナー・ブラザース映画(フジサンケイ・グループ=ワーナー・ブラザース映画 提供)
劇場公開日:1991年2月8日

ストーリー

1943年、イギリスの米軍基地。ナチス・ドイツを叩くため危険な白昼攻撃を繰り返す空の要塞Bー17の中で唯一24回出撃して無償の強運を持つのがメンフィス・ベルだった。そして明日はいよいよ最後の飛行、これが無事終われば10人のクルーは英雄として故郷に帰れる。出撃前のダンスパーティー、まだ10代の者もいる彼らの心の内は様々に揺れ動く。そして出撃の朝、彼らを戦意昂揚の宣伝に利用しようと浮かれ騒ぐ広報大佐を前に、送り出す立場の基地指令(デイヴィッド・ストラザーン)の気持ちは複雑だった。目的地は最も危険なドイツ本土のブレーメン、飛行機工場の爆撃だ。機を預かるのは真面目な操縦士のデニス(マシュー・モディン)。無線士のダニー(エリック・ストルツ)は詩人。旋回銃座のラスカル(ショーン・アスティン)はうぬぼれ屋。機関士兼上部銃座のパージ(リード・エドワード・ダイヤモンド)は童貞。後尾銃座は名歌手のクレイ(ハリー・コニック・ジュニア)。側面はジャック(ニール・ガントリ)とユージン(ユートニー・ゲインズ)の2人爆撃手のバル(ビリー・ゼイン)はハッタリ屋。運命論者のフィルが航空士。そして副操縦士は野心家のルーク(テイト・ドノヴァン)。それぞれの個性を持つ彼らは絶妙のコンビネーションで目的地を目指す。しかし敵軍の攻撃は容赦なく、次々と友軍機が墜ちてゆく。ついにブレーメン上空に達するも煙幕に覆われて巨標は見えない。デニスは見えるようになるまで旋回を続けることを決意し、危険な時間が流れる。そしてついに煙が晴れた。任務は完了されたのだ。しかし帰途ダニーが弾に当たって重傷を負った。このままでは危ない、落下傘で落とすことを主張するバルに対して、皆は全員一緒に帰還することを選ぶ。そして様々な困難を乗り越えたメンフィス・ベルの姿が待ちわびる基地全員の前に見えた。しかし、片輪しか出ていない。が最後まであきらめないクルーたちは必死の努力で無事着陸した。そしてその名は伝説のものとなったのである。

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映画レビュー

3.03機のB17実機を使った航空機映画

2024年11月12日
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泣ける

怖い

知的

マシュー・モディーン主演。
実在の機体をモデルにした英米合作映画。

【ストーリー】
1943年、イギリス米軍基地に、ドイツへの戦略爆撃を行う部隊が配属されていた。
苛烈な欧州戦線に多数投入された通称"空飛ぶ要塞"B17爆撃機をかかえた、第8爆撃コマンド。
二十五回の任務を終えれば退役できる長期ミッションを、まだ達成した機体はなかった。
二十四回めの任務を終えた、被弾した事すらない幸運の機体"メンフィス・ベル"のクルーたちに、ドキュメンタリー映画のスタッフが戦意高揚作品の撮影を持ちかける。
「これが終われば、俺たちは英雄になれる」
浮きたつ十人のクルー。
だが、「牛乳配達(ミルクラン)」と呼ばれた偵察任務の予定だった最後の飛行は、その直前、急遽ドイツ戦線後方ブレーメンの軍事工場への爆撃に切り替えられてしまう。
基地での最後の待機。
十代〜二十代のクルーたちは、不安の中パーティで飲んだくれたり、歌ったり、詩を書いてすごす。
任務当日、新人たちを任され、フォーメーションの最後尾に配置されたメンフィス・ベル。
対空砲火に次々と落とされる味方機、雲霞のごとくまとわりつく敵機。
後方に位置していたメンフィス・ベルだが、先導機が被弾し、部隊を率いるリーダーとして、もっとも危険な先頭につく。
ついに目標上空にたどり着くが、天候が悪くターゲットへの爆撃は困難をきわめる。

撮影時に現存した三機のB17をすべて投入して撮った、記録としても価値がある映画です。
ターボチャージャーつきで、運用当時気密も与圧もない(空気うすいのに遮蔽ほったらかしの)航空機では行動することすらむずかしい高度を、長時間飛行できる性能を得ました。
ゆーて映画でも、高射砲での対空砲火は届くし、短時間なら戦闘機も格闘ふっかけててくるしで、この空飛ぶ要塞、言うほどヨーロッパお空の番長ではなかったんですね。
損耗率80%近いし。
「こんなアホな戦意高揚映画には出てやらん!」と青春オシャレF14トムキャット映画『トップガン』への出演を蹴ったマシュー・モディーンが、こちらの機体バチボコB17フライング・フォートレスには乗っちゃったという話も。
ストーリー自体は、B17戦略爆撃機での事故やエピソードを寄せ集めてつくったもので、ほぼほぼフィクションだそうです。
二十五回めの任務後も、普通に軍にはスルーされて、なーんもなかったとか。

この映画、サントラもいいんですよね。
中でもダニーボーイって曲、アイルランド系のお葬式なんかでよく歌われるそうで、アメリカ映画でもそんなシーンが散見されます。
部活の友だちと連れだってこの映画見にいったんですけど、あのメンツでカラオケ行ったらだいたいダニーボーイ歌ってたなあ。けっこうカンタンに歌えるんですよ、この曲。歌詞もカンタンで。
あとアメリカ人、本当にイェイツの詩が好きだなーって思いました。
アメリカ文学や映画でも、よく引用される、ウィリアム・バトラー・イェイツって文学者なんですけどね。
詩集は読んだこともない無学の自分ですが、なぜかこの人の『ケルトの薄明』『ケルト幻想物語』ってケルト神話の物語や評伝集持ってて、後から「ずっと昔に買ったこの本イェイツじゃん!」っておどろいたり。

第二次世界大戦欧州戦線を舞台にした、若者たちの命がけの青春映画。
搭乗員十人と、ちょっとキャラ多いんですが、B17実機での撮影は迫力ありますし、P51マスタングやドイツのメッサーシュミット(スペイン製)も本物が出てくるしお得ですよ。そんな価値観あるんだね。

おいしい缶詰めが手に入った一人の夜に、スモーキーなスコッチでもじんわり味わいながらどうぞ。

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かせさん

3.5すべては偉大なるリーダーのおかげ

2024年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

幸せ

一度も撃墜されずに25回の任務を遂行した爆撃機メンフィス・ベル号とその乗組員たちの話。
偉大なるリーダーの判断によってその結果はもたらされたって事。
それにしても、みんな爆撃機にいらないもの持ち込みすぎなんだよ。
そのせいでピンチに陥ってるのよ。

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キブン

4.0複雑な思いを胸に飛ぶ

2023年1月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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こころ

1.0『国際紛争解決には別の方法があるはず』

2023年1月16日
スマートフォンから投稿
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マサシ