劇場公開日 1931年11月28日

「ギャング映画の古典として、今なお輝きを放つ傑作だ。」民衆の敵(1931) 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ギャング映画の古典として、今なお輝きを放つ傑作だ。

2024年9月19日
PCから投稿

倫理的な価値観が今よりも遥かに高いハードルだった公開当時(1931年)に、低俗な題材とみなされたギャングを、リアルなタッチで描き切り、描くに値するテーマとして押し上げた名作だ。

裏切りへの復讐を果たし、理不尽な仕打ちには、手段を問わず戦う一方、家族を愛し、友を愛するアウトローという描き方を、いち早く取り入れたことは、後世の犯罪映画に極めて多大な影響を与えている。

本作の価値に大いに寄与した、ジェームズ・キャグニーの突出した存在感と熱演は、触れないわけにはいかない。ジーン・ハーロウも、後の成功を予感させるに足りる、とても良い印象を残している。

若いギャングの荒々しく生々しい生き様を、巧みな語り口で最後まで一気に見せてくれる。数多くの実録ドラマの作り方にも、大きな影響を残していると思う。ギャング映画の古典として、今なお輝きを放つ傑作だ。

瀬戸口仁
活動写真愛好家さんのコメント
2024年11月1日

こちらこそ共感&コメントありがとうございます‼️
これからよろしくお願いします‼️

活動写真愛好家