「ここから始まる黄金時代」見知らぬ乗客 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)
ここから始まる黄金時代
前二作が今一つでしたが、この作品でスリラーの頂点の一つを作ったヒッチは、以降遺作に至るまで怒涛の傑作群を送り続ける、というのが一般的な評価です。
異常性格の犯罪者の不気味なエスカレートぶりを中心に、オープニングの交差する線路、眼鏡に映る殺人現場、テニスシーンの効果的な使い方、目まぐるしく変わる有名なメリーゴーランドのスリラー、ヒッチの実娘が扮する眼鏡の犯罪オタクお姉さんのシニカルなコメディリリーフなど、ヒッチのアイデアとセンスが全編にみなぎっています。
(参考)脚本はチャンドラー先生ですが、ヒッチと全くウマが合わずクレジットはあるものの、彼の書いた脚本は原型を留めないほどズタズタに変更されているそうです。
ヒッチは、シナリオが中途半端で二人の男の対立が力強くない、と反省しています。
テニス選手役はWホールデン先輩を考えていたようです。
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