ミザリーのレビュー・感想・評価
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恐ろしい狂気の女
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有名作家が雪山で車で事故を起こす。
この男のファンの女性が助けて自宅に連れて帰り、介抱する。
この女は彼の小説の主人公ミザリーの狂信的なファンだった。
この作家は新作に着手するため、小説の中でミザリーを殺していた。
やがてこの新刊が発売されると、この女の狂気が表に出始める。
「なぜ私のミザリーを殺した!」とか言い出して、新作の原稿を焼いたり、
小説家が足を怪我して動けないのをいいことに、好き放題し始める。
が、時には優しく非常に純真であり、まさしく狂気。
ついには逃げられないように小説家の足を破壊する。
小説家はなるべく機嫌を損ねないよううまく立ち回って行く。
ミザリーは実は生きていた、的な内容の小説も書き始める。
そしてついに保安官が訪れて小説家の存在に気付くが、
この女に射殺されてしまう。そして女は心中しようとか言い出す。
小説家は何とかなだめ、ミザリー復活の小説を書き終えるまで待てと言う。
そして足が不自由ながらも隙を見てこの女を撲殺。
ついに地獄から脱出することができたのだった。
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いやあ、本当に恐ろしい、まさしく狂気だった。
こんな恐ろしい女とは関わりたくないわあ。
ありそうな話
”愛”の意味を問いたくなる。
推し活。
カスタマーハラスメント。
パワハラ。
DV。
虐待。
毒親。
この映画の成り行きが、映画や小説の突飛な話ではなく、現実にもあることが、なんとも恐ろしい。
アニー。
自分自身でもコントロールのできない感情の起伏。
それが、人から嫌われる原因と反省はするものの、それが自分自身を孤独に追いやっていることはわかってはいるものの、だからなおさら、自分自身を追いつめ、抜け出せないラビリンスとなっていく。
寂しい自分、惨めな自分。それを埋め尽くすための”推し”。
「こんなに尽くしているのに、感謝すらしない」その言葉の虚しさ。
尽くしているつもりの、”自分の正義・欲望”の押し付け。
称賛しまくる時・親身になる時と、恐怖に従わせる時と。丹精込めたものへ仕打ち。
「あなたならできる」その言葉が異様に怖かった。
そして、望みのものを得られた時の、あの表情。
映画では、大人の男相手だったから、相手はその異様に気づき、なんとかその支配から抜け出そうとするけれど。
子どもなら、あのとろけるような笑顔を”愛”と勘違いしてしまうのだろう。
事故から助けてくれた恩人。優しい笑顔。心のこもった看護。でも、え?連絡していない?些細な違和感を忍ばせる。
そして、急転直下。地獄へと変わる。
精魂込めた作品を…。身が切られるように辛い。
くるくる変わる表情・態度。機嫌がよいと思ったら。残酷無比な様相を見せるかと思ったら。反省して気落ちする場面も。文句を言いながらも、ミザリーのために動くその姿。たんなる情緒不安なさま・パワハラを見せつけるだけではない。「No.1のファン」として、”ミザリー”の成り行きに、一喜一憂する様は、”推し”のことで、一喜一憂するわが身と重なり、”かわいい”とも、ああこの気持ちわかると思ってしまう。だからと言って、大方の人間はあんなことはしない。”推し”を”大切”にする思いについては、袂を分かつ。そんなふり幅の大きい狂気を、”一人の人”としてまとめ上げた、脚本・演出・演技に拍手。そう、人格が分裂した人とか、多重人額ではない。どの思いもアニーその人。唸ってしまう。
そのアニーを受けるポールの一つ一つの表情が秀逸。一見やられっぱなしで媚びている場面もあるけれど、決して心折れずに反撃・脱出のチャンスをうかがっている、本当の意味のタフマン。
監禁から抜け出す方法が成功するのかというハラハラドキドキ。保安官がどうやって見つけれくれるのかというワクワク。成功したかに見えて、というところがリアル。そしてラストの大乱闘の前の、復讐の仕方も胸がすく。大乱闘も長く見えるが、ホラー的要素もあり、引っ張ってくれる。最後にも出てくる”豚”のブロンズという小物へのこだわりがまた憎い。
そして、レストランでの会話からのエンディング。ホラーが永遠に続く。こういう事件にあわれた方の心の傷=PTSDを表しており、苦しくなる。
映画としては秀逸。
雪山の中の一軒家。舞台も整っている。
そして、この密室劇ともいうべき中で二人の俳優がこれ以上無い名演を繰り広げる。
息詰まる密室の外では、ちょっとおかしみのある老保安官夫婦が動き、アンサンブルを奏でる。
これ以上無い媚薬。
でも、実生活で、こういう関係性の加害者・被害者とお会いしているから、映画が絵空事に見えなくて、映画を楽しむ気分になれない。苦しさだけがリフレインする。
キャシー・ベイツは彼女の自宅でジェームズ・カーンの新作の原稿を読んだが、 気に入らず激高。 ジェームズ・カーンはその時キャシー・ベイツの持つ狂気を知ることとなった。
1990年製作/108分/アメリカ
原題:Misery
配給:日本ヘラルド映画
ジェームズ・カーン
キャシー・ベイツ
リチャード・ファーンズワース
ローレン・バコール
フランシス・スターンハーゲン
グラハム・ジャービス
ジェリー・ポッター
トーマス・ブルーネル
ジューン・クリストファー
ジュリー・ペイン
スティーヴン・キング原作
ジェームズ・カーンは流行作家。
雪道で自家用車を運転中に事故に遭い、
キャシー・ベイツに救い出された。
全身にけがを負い瀕死だったが、キャシー・ベイツの看病で徐々に回復する。
キャシー・ベイツは元々ジェームズ・カーンの大ファンだった。
キャシー・ベイツは彼女の自宅でジェームズ・カーンの新作の原稿を読んだが、
気に入らず激高。
ジェームズ・カーンはその時キャシー・ベイツの持つ狂気を知ることとなった。
どうやったらここから逃げられるのか?
この作品でキャシー・ベイツは、第63回アカデミー賞で主演女優賞を獲った。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
怖い、怖い、キャシー・ベイツが怖すぎる。アカデミー受賞も納得です。...
20数年ぶりのミザリー
確か初めて観たのは高校時代。未だにトラウマみたいに覚えてる足首を折るシーン。一番好きな映画の「ミザリー」だが、結末を思い出せない。ということで久々に。
「ミザリー」の著者が、小説家として次のステージに行くべく、ミザリーを死なせる最終章を書き終わってNYへ行く際雪山のホワイトアウトで事故にあってしまう。運良くファンのアニーに助けられたものの、本当は計画的に(匂わせはあったものの、本当なのかは不明)事故に合わせられ自宅軟禁されることに。
アニーの自己主張の強さや強めの承認欲求、ふくよかで優しそうな見た目でおっとりしてるかと思えば急に激昂する異常さがほんと秀逸。
作者と近づけた有頂天からの、ミザリーが殺されたーーー!の絶望からの新作強要。どれだけ時間が経ったのかは明かされず、小説のチャプターが進んでいることだけが視聴者に明かされる。窓の外の雪が溶けてたり吹雪だったり、え?何年か経った?と思いきや、最後の最後で4週間しか経ってないことがわかって、病院にも行ってないのにそんな足治る??ってのはご愛嬌。
軟禁からの脱出トライ、で見つかるかものヒヤヒヤからの和解…?いやいや再脱出頑張るも残念。部屋から抜け出したのとキッチンのナイフを持ち出して反撃しようとしていたのがバレて、体を固定され「足潰しの刑」足首を固定されハンマーでドーン!!っと折られ、恍惚な表情で「愛してる」って言った時のアニーの顔…!キャシーベイツってほんとにすごい女優さんだなーと惚れ惚れ。
ディナーをしよう、とロマンチック時間に集めた薬をワインに入れるもまさかの零しちゃって絶望。
最後の最後に保安官が見つけてくれたのに、散弾銃で撃ち抜くなんて、あの保安官めちゃいいお爺ちゃんだったな…。
最終的には、書き上げたラストを燃やして原稿を守りたいアニーの頭上からタイプライターどーん!!血だらけのアニーと格闘。この格闘が怪我人とふくよかさんだから、ずんぐりむっくりと美しくなく、それがリアルさを醸し出してて泥臭いアニーの人生を物語っているようで泣けた。
最終的に助かって、次のステージに進む主人公の心には永遠に死んだはずのアニーの影がつきまとう。1番のファンだから。ってこわこわこわ!!!!!
特典映像で、保安官がポールの車が埋まってるところから道に停めた車に戻る時に、カメラをくるっと回してアニーの車に合わせて「探す保安官と匿うアニー」を一緒のシーンに入れるというカメラワークを開発したんだ!って言ってたけど、今ではよく見るようなカメラワークってこの時に生まれたのか、と目頭が熱くなった。
やっぱ最高だな、ミザリー。
狂ったファンの恐怖
ミザリー
アニーが優しい時は可愛いが急に怖くなる演技が最高。
地雷がどこにあるのか分からないのが怖い。
あの有名なハンマー振り下ろすシーンはうわって声が出た。
主人公がアニーを殺すためにワインに薬を大量に入れたのに、うっかり零しちゃうシーンの「ミザリーに乾杯」「惨めだ(ミザリー)」って言うところがちょっとツボった。
助けに来たおじいちゃん警察が死ぬことは分かっていたがちょっと悲しい。
雪、作家、狂気でシャイニングと似てるがこっちの方が面白い。シャイニングみたいに気持ち悪いやつ(老婆・血の波)などは出てこないから安心。
「ポール担メンヘラ女」
サイコホラー映画
これが私の好みかもしれない
BSPで鑑賞 今の言葉で言うとポール担メンヘラ女だ。
おー、おーマジかマジか
と思わせる展開!怖い怖い
やはり1番怖い、恐ろしいのは人間だ。
アニー役のキャシーベイツの狂気に満ちた、いや優しい時はあれ?良い人そう「むしろかわいい?」と思わせる能力も凄いが
ポール役ジェームズカーンの 目だけでこれはヤバいとか 殺されるかもとわかる演技は良いしさすが売れっ子小説家
狂気みちた要求にも冷静に代替案を出して様子を探る場面も秀逸
見どころは
唯一の安心場面、老保安官夫婦のやりとり
FBIの調査能力の無能さ
アニーの優しい時には可愛く見える能力
1番のファンは裏切るととんでもなく怖い
ラストまで目が離せない 1時間48分と短い為かなりオススメ。
アニーよ銃を取って明日に向かえ
怖い怖い怖い怖い
スティーブンキング原作の映画は本当にすごい。演出で語ってくる。まじで毎回救出者が死ぬのは胸糞だけど本当に。でも本当にワクワクする。いやドキドキする。ありがとう放送してくれたNHK
ナンバーワンからオンリーワン
スティーヴン・キングの小説を映画化した1990年の作品。
個人的に、最も好きな…いや、一番好きなキング原作映画かもしれない。
だって、今でも覚えてる。初めて見た時のハラハラドキドキスリリング、チョー面白かった。時間が経つのすら忘れていたほど。
大ベストセラーの恋愛小説シリーズ『ミザリー』で有名な小説家、ポール。
次は自分が本当に書きたいものを書くべく、最新刊でミザリーを死なせ、書き上げたばかりの原稿を持って仕事場のロッジから出版社へ車を走らせる。
雪道、突然の吹雪。車はスリップする大事故。ポールも大怪我。
そこを“偶然”にも救い出してくれたのが、“偶々”近くに住む元看護師の中年女性、アニー。
さらに彼女は、“奇遇”にも『ミザリー』の熱狂的なファン。飼豚に“ミザリー”と名付けているほど。
憧れの作家に会えて感激、甲斐甲斐しく看病する。
が、最新刊でミザリーが死ぬと分かった途端…
名シーン、その1。
「よくもあたしのミザリーを殺したわね!!」
穏やかだったアニーが豹変、発狂。
ここに至るまでも、少々ウザく感じたり、癇癪持ちなど不穏/伏線みたいな描写はなされていたが、ここで第1発投下。
あまりにもキチ○イ過ぎてオーバーなブラックコメディ・キャラみたいにも見えるが、それがまたアニーの異常性を出している。
言うまでもなく、キャシー・ベイツの恐演。
序盤は穏やか、優しい女性。
突然の狂女に!
その間も“恐”と“柔”を見せつつ、パワハラ的な威圧感。でもその中に、愛くるしさや時折哀れみ。ちなみに、“ミザリー”の意味には“哀れ”や“悲観”などあるらしい。
そして、あのトラウマ級の怖さ…!
一本の作品でこんなにも変幻自在。そりゃあオスカーも納得。
本人は映画史に残る恐怖のヒロインを演じて、「楽しかった」なんていう余裕っぷり!
キャシー・ベイツの強烈インパクトばかり語られるが、ジェームズ・カーンも巧い。
カーンと言えば『ゴッドファーザー』などでタフで男臭いイメージ。
本作では追い詰められ、憔悴。それらを抑えた演技で。
当時、寝たきりで女性にやられるという役故、多くの男優に断られたそうだが、引き受けたカーンに感謝。
アニーは書き直しを要求。
死んだミザリーを生き返らせ、あたしだけのミザリーに。
何と言う要求…。
が、物語を完結させたのにアイデアなど出る訳ない。
この頃になると、ポールは体力や怪我も少し回復、車椅子で動くまでに。
相手の様子を見、いよいよ行動、脱出を窺う。
もう一度アニーに原稿用紙を買いに行かせ(癇癪起こしたけど)、その間に家の中を探索。電話を見つけるが、それは…
家の中あちこち鍵が。車椅子から下りないと入れない部屋も。
その時! 外でアニーの車が帰って来た音が!
思ってより早く帰って来た!
アニーが家の中に入って来るまでに、自分の部屋に戻れるか…!?
このシーンは初めて見た時、本当に心臓バクバク、目が釘付けになった。
監督のロブ・ライナーは『スタンド・バイ・ミー』が好評で、キング原作映画再び登板。
あちらは青春ストーリーであったが、こちらはサスペンス・スリラー。ライナーはその後、サスペンス・ドラマや社会派サスペンスはあるものの、サスペンス・スリラーは本作一本。なのに、同ジャンルの名演出家に思えるから不思議。
有名小説家行方不明は、ニュースに。
出版社エージェントから最後に消息を絶った田舎町の老保安官に連絡。のらりくらりと対応しつつ、捜索が始まる。
暇ボケしてるかと思われたこの老保安官のバスター、実はとっても頭が冴える!
僅かな手掛かりから足取りを探っていく。
リチャード・ファーンズワースが好助演。
保安官補兼奥さんとのやり取りがほんわか、ユーモラス。本作で唯一、心安まる。
アニーがポールを助けたのは、“偶然”“偶々”“奇遇”ではなかった。
ポールがロッジで小説を書くのを知っており、兼ねてからマーク、尾行。
アニー不在時の家の中探索は大胆に。
そして見てしまう、アニーの“思い出のアルバム”。その中身は、衝撃的なもの…!
ポールは反撃に備えるが…
アニーの方が一枚上手だった。
翌朝麻酔薬を打たれ、隠していたナイフも没収。
ポールが家の中を歩き回っている事を知ったアニー。
さあいよいよ、名シーン、その2。
ポールの治りかけの足を木ブロックで固定し、それをハンマーで叩き潰す!
ポールじゃないけど、見てるこちらも、うぎゃ~~~~~ッ!!
その直後、一言。
「愛してるわ、ポール」
鬼畜の所業!
観念したのか、ポールはアニーの為の『ミザリー』を書き続ける。
…が、実は諦めていなかった。
バスターも遂に確信に至り、アニーの家へ。
最終章の結末は…?
私、あなたのファンです。
エンターテイナーとしては嬉しい言葉。でも、
私はあなたのナンバーワンのファンよ。
…ん?
そして、それがいつしか、
私はあなたのオンリーワンのファンよ。
戦慄の狂信行為やストーカーを、第一級のエンターテイメント・スリラーとして描いた、言わずと知れた名作である。
余談
見ていつも思うが、事件後のバスターの奥さんの事を思うと…(T_T)
ミザリーを殺したな!から始まる恐怖
作家が雪山で事故して謎の大女に救われるところから物語は始まる。作家は足を骨折する大けがを負っており連れていかれた家で看護され軟禁生活を送ることになる。その作家は女の愛読する物語「ミザリー」の作者だった。世に出ていない新作を読めるとわかり、狂喜する女。しかし、作家は「ミザリー」シリーズを終えるつもりで原稿を書いており、ミザリーが死ぬことになっていた。そのことを知った女は「ミザリーを殺したなっ!」と狂気に走り、その後の話を作家に無理やりに書かせる。そして作家をいつまでも閉じ込めておくために作家の足を再び折るのだった。
この主人公の女の気分の浮き沈みがとても怖い。何をしでかすかわからない怖さがあふれている。閉じ込めておきたいからと言って人の足を折りますか。普通の人なら折らんでしょう。足を折られるシーンなどめちゃくちゃ痛そうで叫びそうになりますよ。このような王道ホラーだが最終的には作家は助かる。最後のレストランで幻視するシーンは余分だと思うので減点。
なお、この映画の主人公の女はアニーという名前でミザリーではない。ついついミザリーだと思ってしまうので注意。
サイコ役
全85件中、21~40件目を表示











