まぼろしの市街戦のレビュー・感想・評価
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奇想天外なアイデアに優れた戦争映画
大戦の最中、街全体が爆破されるために住民が逃げ出したのだが、精神病院の患者たちだけは街に残った。その患者たちが街を占拠したあとに、爆破を阻止しようとする一人の兵士と、何千もの敵軍の兵士たちが街に入り、てんやわんやの大騒ぎに...。
この作品は、物語の基盤となるアイデアの素晴らしいこと。そして演出に、戦争をする連中を馬鹿にしたかのような皮肉を込めた視線があること。そして、ストーリーテラーのような役割をする、街を救いにきた一人の兵士の存在、と、いろんな意味でメリハリの効いた内容なのが、この作品の面白さだ。そして、精神病院の患者たちを演じた役者たちが、製作当時のフランス舞台界の名優ばかり、という点も作品の恪をグッと上げている。
戦争映画でありながら、一遍の優れた童話のような、爽やかな読後感があるこの作品は、今一度再評価されてもいいと思う。
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