マディソン郡の橋のレビュー・感想・評価
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美しい大人の恋
公開当時、私はまだ若く、中年男女の不倫映画がそんなに流行るなんて不思議だな、くらいの印象しか持てなかった。
日本の中年男女の不倫映画と言えば失楽園だったので、こちらよりかなり肉感的で、それもあって余計に深い意味などないのかと考えてしまっていた。
歳と経験を重ね、気持ちだけでは叶わない恋や愛があることも知り、それとは別の温かな愛があることも知った今だからこそ、この映画に心打たれた大人たちの気持ちが、ようやく分かるようになった。
ロバートは、きっと無意識に、家庭を壊すリスクや愛の終わりを冷静に考えて踏み止まれる彼女の理性や知性と、人に対する愛の深さを感じて、フランチェスカを愛してしまったんだろうと思う。
フランチェスカもまた、雨の降りしきる中、強引に車に声を掛けに来ない彼の想像力と豊かな優しさと包容力を感じて、彼に惹かれたんだろう。
2人はああいう形でしか出会えず、ああいう形でしか愛しあえなかったのだろうと感じた。
そして子供達も、家族を捨てて男に走るような女でなかった母親だからこそ、父親以外への愛情を理解する事が出来たんだと。
彼等がそれぞれのパートナーと、愛情深い日々を送っていけるキッカケにもなったようで。
映画が始まってスグの兄嫁の「ワクワクするわね」発言の不謹慎さも、終わり頃のキスシーンでチャラだ。
素晴らしい大人の作品でした。
スタンダードは繰り返し観るべき
愛があっても
恋愛と結婚は別と言いますし、仮にフランチェスカとロバートが一緒にな...
恋愛と結婚は別と言いますし、仮にフランチェスカとロバートが一緒になって幸せな生活が送れるのかというと甚だ疑問です。また、家族を捨てた罪悪感はいつまでもつきまとい、やがてはそんな選択をさせたロバートを責めることになるかも…
そう考えるとフランチェスカの選択はベターだったと思います。ロバートは元々放浪者だから、家庭を持たないことはマイナスにはならないはず。 幸せな思い出はプラスになるはずです。(まあフランチェスカ視点で話が進むので、ロバートの心中は分かりませんが)
自分はあまり惚れっぽいタイプではないので、こんな気持ちの盛り上がる恋愛ができたのは純粋に羨ましいなと思います。
いい歳した二人だからこそ、暴走もなく、あまりストレスは感じなかった。二人とも艶がすごい。視線が熱いです。
イーストウッド・・
号泣しました。
初めて観た時は二十代でした。妻子ある男性に好意を持って居たので映画館で号泣した事を覚えてます。単なる不倫を美化した作品だと言う方も居ると思うけど、私は本物の愛だと感じました。感じています。メリルストリープの演技もクリントイーストウッドの演技も素晴らしかったと思います。泣きすぎて映画館を出るのが恥ずかしかった事を思い出します。
どうしようもない女のサガ
どうしてこんなにも複雑な思いの交錯があるのか。
なぜ不満のない環境に不満があるのか。
どうしてこんなにも特定の人物に惹かれてしまうのか。
なぜ人の愛は近くにいると薄れてしまうのか。
どうしようもない女のサガがよく表れている。
メリルストリープもクリントイーストウッドも程よい中年の艶めく雰囲気も◎
誰しも一度は抱く、自分を満たしてくれる誰か、好きになってはいけないのにもかかわらず抑えきれない、自分が求めてしかない人という設定がとても効いている。
「マディソン郡の橋」を観て・・
世界的ベストセラー小説の映画化。クリント・イーストウッドの監督・主演で、お相手はメリル・ストリープ。名作は観る度に目頭が熱くなる。
ここからはネタバレになるかも・・
舞台はアイオワ州マディソン郡の田舎で、時代は60年代か・・夫と子供は子牛の品評会に泊まりで出掛けて留守での出来事。
旅の途中のカメラマンで独身のロバートと、田舎で家庭を大切にする主婦フランチェスカとの出会いと別れの恋愛物語。
もう若くない中年の二人の純粋な恋愛感情と一緒になれない複雑な思いが交錯する。
ラストの夫の運転するピックアップトラックの助手席で、フランチェスカがドアノブに手を掛けるシーンは、何度観ても感じるものがある。
結局、僅か4日間の短い恋愛だったが、二人にとっては一生に一度の大切な想い出となる。
死後、フランチェスカは大切な想い出を子供たちに手紙で伝え、灰をマディソン郡の橋から巻いてもらう。ロバートも遺品と共に自分が撮影した写真集をフランチェスカに送る。
これは単なる不倫のドラマでは無く、一生に一度の想いを描いた名作だと感じる・・
仮題(人間、後悔を残すと死ぬよりつらい思いをする。だからって不倫は駄目よ)
嫌な気持ち
色褪せない作品
これほど切なく、美しいラブストーリーはないと言っていいぐらい素晴らしい作品だと思います。
終盤シーン。夫の元を離れ、魅力に満ち溢れたカメラマンと一緒にかけおちするかどうか寸前で心揺れるメリルストリープの演技は今も心に焼きついています。
熟年、老年に差し掛かった、男女の濃密な、誰にも語ることはできない、秘密の愛。しかし、そんな出逢いができた彼女は幸せだったと思います。
最初に
観たのはまだ若い頃でおじさんおばさんがダンスしたりお風呂まで入っちゃうちょっと気持ち悪いラブストーリーだったが、しばらく後に見返したら、まー泣いた泣いた。メリルストリープがまた上手い演技なんだわ。夫と子供の世話に明け暮れての久しぶりの恋に目覚めて髪を整えたり服を選んだり。普通の生活のちょっとしたドアの開け閉めなどもリアルで妙に共感出来た。けどたった4日間だからこそ永遠の愛になったのだろうという事もわかってしまう。劇中でもあったがもし家族を捨てて彼に付いて行ってしまったら後悔を彼のせいにしてしまうだろう。付いて行かなかったからこそ永遠の愛になれたんじゃないか。恋人が結婚すると家族に変わるって事。最高の短期間だから永遠に想い続けられた。そんな彼に出会えた彼女は幸せな人生だったと思う。手紙を読んでいく子供達の変化やその演出も素晴らしい。旦那さんの亡くなる時も泣けたし。傑作。
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