劇場公開日 1981年12月19日

「亡霊が荒野を彷徨い死ぬ意味を探す」マッドマックス2 ezioさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5亡霊が荒野を彷徨い死ぬ意味を探す

2025年8月9日
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鑑賞方法:VOD

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前作で画像を失い、復讐の鬼と化したマックスは生きる意味などとうの昔に失い、相棒である車、犬、ショットガンと共に彷徨う。
世界観に共通点はありつつも前作からどれほどの時間が経過しこれほどまでに文化は失われ、人は消え暴力とスピードが支配したのか。それは明かされないが『ある男が村人たちと出会い、捕まり、助け、助けられて敵に立ち向かう』という非常に分かりやすく、かつ熱くなれるストーリーとなっている。
あくまでポストアポカリプスというSFジャンルでありつつもその"アクション"を純粋に楽しむために余計な説明は排除した"楽しむための映画"これに尽きる。
マックスはもちろん他人を信用せず、気が向いた時に人を助けるというスタンスだが生きる意味を失った今、何のために命を賭けるのかということを自分自身に問いながら行動する。寡黙で冷たいが義理も忘れない、その志はまさに"侍"のようで格好良い。
また前作に引き続きその他のキャラクターも非常に魅力的で、相棒と呼びなが行く先々まで文字通り"飛んで"付いてくる一見軽薄でお調子者に見えるが実は義理堅かったジャイロ・キャプテン。交戦的で血に飢えた赤モヒカンは勝手に行動し、罰として車体の前に括られヒューマンガス首輪をさせられていたり、勇敢な女戦士やラストには語り部と分かるブーメラン使いの野生児などキャラそれぞれに見せ場がありつつ、それをセリフではなく映像で直接魅せる。そういったところが一度観るとなかなか忘れられない映画となる理由の一つのように思う。
傑作です。

ezio
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