「テーマの表現が中途半端に思える」マイ・ルーム 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
テーマの表現が中途半端に思える
ディカプリオ主演の家族を主題にした映画と言えば『ギルバート・グレイプ』『ボーイズライフ』がある。どちらも好きな作品なので、同様の主題の今作を鑑賞。だが、いまいち焦点を絞れていないストーリーで、期待を下回った。
今作のテーマは『家族の再生』なのだろう。だが、姉妹の間にわだかまりは存在したものの、最初からそこまで悪い関係では無い。ストーリーの進展に伴い親子の関係が特に改善する訳でも無い。ディカプリオ演じる息子のハンクは叔母との出会いで自分の人生を見つめ直すきっかけとなったようだが、特に更生した様子でも無い。本音をぶつけ合う機会にはなったようだが、結局、疎遠だった家族と何となく再開しただけの話に思える。そのため、温かみは感じるストーリーではあったが、テーマの表現が今ひとつに思えた。
それから、せっかくディカプリオが出演しているのに、彼の魅力が活かしきれていない気がする。どちらかというと、叔母役のダイアン・キートンと母親役のメリル・ストリープの比重が大きく、彼の扱いが中途半端に思えた。
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