マイ・ドッグ・スキップのレビュー・感想・評価
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【”アイツには、友達が必要だ。”苛められっ子のひ弱な男の子が誕生日に犬を貰い、大親友になり、恋、友情、死、戦争の悲惨さを子供心ながらに学ぶさまを描いた佳品。そして、少年は青年になるのである。】
■1942年、ミシシッピーの片田舎ヤズー。
8歳の少年ウィリーは内気な性格から孤独な毎日を過ごしていた。
そんなウィリーを心配した母親エレン(ダイアン・レイン)は誕生日に子犬をプレゼントする。
以来、スキップと呼ばれた子犬はウィリーの大親友となる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・スペイン戦争で片足を失った父ジャック・モリス(ケヴィン・ベーコン)が、息子がウィリーのお陰で逞しくなっていく様を優しい目で見て、フットボールをするシーン。
・ウィリーの憧れだったディンク(ルーク・ウィルソン)が第二次世界大戦の戦場で逃げ出し、コッソリとタクシーで帰って来る姿。
ー 片手には、密造酒を持っている。-
・ウィリーが苛めっ子たちから”墓地に一晩居たら、認めてやるよ。”と言われ、密造酒を運ぶ大人達とイロイロ有りながら、朝を迎え友達になる様。
・ウィリーが可愛い女の子リバーズと仲良くなるも、野球の試合の途中で乱入してきたスキップを殴ってしまい、彼女から怒られるシーン。
ー スキップはいなくなり皆で探すが、密造酒を隠していた倉庫で発見され、密造酒を作っていた男に殴られ傷を負うも、それを止めるディンクの姿。-
<今作は、苛められっ子の男の子が誕生日に犬を貰い、友達になり、恋、友情、死、戦争の悲惨さを子供心ながらに学ぶさまを描いた佳品である。>
犬と少年の存在
レンタル店で探していた作品の近くにあったこの作品。犬好きなので手に取った。こういう出会いはネットではなかなかないと思う。たまに実店舗に行くとついつい借り過ぎてしまう罠。(笑)
動物モノにありがちなちょっとわざとらしいシーンもあることは否めないが、それだけにとどまらない、当時のアメリカがギュギュっと詰まっている。
広い家、モノにあふれた子供部屋。日本人が憧れた(る?)アメリカの姿。音楽と共にしばらく流れる冒頭のノスタルジックなシーンは住んだこともないのに、なぜか懐かしく感じる…なぜか(笑)
当時では珍しい一人っ子の少年。お決まりの悪ガキグループ(笑)から、近所でも学校でも嫌がらせされるシーンも。でもそれを把握しながら常に穏やかに見守る両親の姿もよかった。
大胆な行動をする綺麗なお母さん。寡黙なお父さん。子供達の憧れの存在の隣のお兄ちゃん。肉屋の店員。小さなコミュニティということもあるけど、みんなが顔見知り(なわけはないと思うけど)の街。犬がノーリードで歩くことが許される時代。いいなぁ。
暴力的なシーンや派手な演出はない。(そこがいい)
スキップと少年の成長を通して、いろんな課題を抱えながら時代を乗り越えていく大国の姿が垣間見られる作品だった。
事実に基づく作品だから当然なんだけど、確かにあの時代が存在していた、と改めて感じた。
エイサ・バターフィールドに似ていた少年。今は何を??
お母さんがくれたお誕生日プレゼント
監督のラッセルさんとスキップ(犬種ジャック・ラッセル・テリア)、ラッセル繋がりじゃん、?。映画「アーティスト」でご主人を救った愛犬もジャックだった。お利口で活発、テリアだからプライドも高い犬種です。
お父さん(ケビン・ベーコン)が犬を飼うのに反対なのは犬嫌いでなくペットロスで傷つく子供心を思ってだった。優しいお母さん(ダイアン・レイン)は犬の性格を分かっていたのだろうか、引っ込み思案で虐められっ子の少年ウィリー(フランキー・ムニッズ)も誰とでも仲良くなれる活発なスキップのおかげで友達も増えるし、可愛いガールフレンド(ケイトリン・ワックス)までできてしまう。素敵な家族や隣人たち、おやつをくれる肉屋のおじさん、当然、中には小悪党もいて災難に会うのだが皆がスキップを愛してくれている。昔、近所に鎖に一日中繋がれている犬がいて学校帰りに目が合うと下を向いていつも悲しそうだったのを思い出す、度を超えるのもマナー違反だが自由に街を散歩できたスキップは幸せなわんこだったろう。
戦争の時代と感化されやすい年頃のせいかスキップを軍用犬にと思いつく、中尉さんの言うにはタマタマの一個がふぐりに無いから不採用、調べてみたら「停留精巣」という疾患で放っておくと後年がんになりやすいらしい。野球でミスばかり、不甲斐ない自分に怒る余り騒ぎ回るスキップに手を挙げてしまう、家出してしまうスキップ、失ってみてスキップの存在の大きさに気付きます、自分の未熟な行動を悔やみ、また一つ大人になってゆくウィリー。
作家ウィリー・モリスの少年期を綴った自叙伝の映画化なのだが公開を前に64歳で亡くなります、結婚相手が猫好きで悩んだようですが作家にはにゃんこも似合うようで愛猫スピットとも幸せに暮らしたようです、今では虹の橋のたもとで再会し一緒に遊んでいることでしょう・・。
元祖(?)「いぬのえいが」
冒頭から映し出される
'50年代の古き良きアメリカの田舎町の美しい映像を観ながら、
「なんかありがちな展開だな…。」
「ん?待てよ…」
「・・・・・・!」
「あ…。観たわコレ…。」
そうです。またやってしまいました。
みたい映画リストにあった『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』と勘違いして
観始めたこの作品。何年か前に観ていた記憶が甦ってきました。
たまにありますよね(笑)
まぁせっかくなんで(GyaOでたまたま無料配信中だったので・・・)そのまま鑑賞。
うろ覚えだったストーリーを追っていくことに。
結果。大満足でした。
以前見たときから年月も経過していて
その間にいろんな映画を観て自分自身も成長しています。
言ってみれば子供の頃に観た作品を大人になってから見直した感覚。
とは言っても公開はそれほど古いわけではないのですが
映画にハマって観方も変化してきていたので、ある意味ではそれを実感するいい機会でした。
軸となる子供と愛犬との成長物語は分かりやすい展開で素直に楽しめます。
そこに絡んでくる、親と子の関係、戦争の傷跡、人種間の溝などなど
豊かな人間描写が随所に散りばめられて大人の鑑賞にも充分耐える充実の内容。
加えて個人的にツボなのが、冒頭に書いた'50年代の古き良きアメリカの空気。
ぶかぶかユニフォームの野球少年、コカコーラのブリキ看板、豊かな緑の街並み、
旧式デザインの自動車、キャスケット&サスペンダー…etc.
よく例えに出される“ノーマン・ロックウェル”の世界観そのものです。
最近邦画で“犬”をテーマにした作品の公開が続いていますが
某作品の「マリモ」で涙した犬好きの方なら感情移入間違いなしの
元祖(?)「いぬのえいが」とも言える作品です。
どちらかと言えばネコ派の僕でも最後はうるっとしてしまいました。
子供から大人まで。イヌ好きからネコ好きまで(笑)。
どんな人も広く満足できるとてもいい作品だと思います。
※他サイトより転載(投稿日:2008/05/01)
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