マーラーのレビュー・感想・評価
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繊細な芸術家の心情の映像化
ロバートパウエル扮するユダヤ人グスタフマーラー博士は、ウィーンオペラを追われ妻とともに列車の旅に出ていた。マーラーは不機嫌だった。
作曲家マーラーの名は知っているが正直曲は判らない状態で、ただマーラーを大好きな会社の同期がいたなと言う理由だけで観てみた。
浮気気味の妻とは別れてはないものの冷え切っていたのかな。様々な 事を思い出しながらの展開だったね。子供たちには素直に接していた様だ。いずれにせよ繊細な芸術家の心情の映像化は難解だね。交響曲10番を書くことが大変だと言う事は分かったよ。
ワグナーの解釈の仕方は?
マーラーの交響曲を元にマーラーの一生を描いた映画。
マーラーの10番と3番に始まって、6番で終わる。
コミカルなショートコントの寄せ集め見たいな映画だけれども、現実と幻想で物語が進行すると考えて、マーラーの曲に対する含蓄な解釈と考えて、共感出来る。交響曲七番をストリップにしてしまうなんて、凄い!
ユダヤ人に対する偏見もふくまれるが、ケン・ラッセルの演出はそれぞれ、緊張感のある解釈をしていると感じた。
『貴方の交響曲9番は、死の音楽。死はジョーカー、死は愛人』
『あの交響曲は愛への決別だ!』
音楽 と 映像
パーシー・アドロンは〈マーラー 君に捧げるアダージョ〉で マーラー × アルマ × グロピウスの三角関係を主に取り上げているが
ケン・ラッセルは マーラー × アルマ × マックス・ブルクハルト(ブルグ劇場監督)の関係と列車の進行を絡めている
そして同時にマーラーは人生を回想するが そこに悪夢や妄想も加わる
彼が恐れる 第九の呪い(ベートーベンの呪い)や コジマ・ワーグナーの音楽界における影響力、反ユダヤ主義、彼の改宗などが面白おかしく描かれている
クラシックファンには 特に使用される曲と監督のイメージする映像の組み合わせが面白いのではないか
アドロンもラッセルも〈表現の自由〉を禁じられたアルマに同情的だが、この映画では作曲家たちの過酷な人生も取り上げている
(フーゴ・ヴォルク、弟オットー… )
マーラーの人生が 肩ひじ張らずに理解出来る
ラストも不幸を暗示させるが 彼の心が一つの結論に達し、暗くはない
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