「「ボンゴマン」とこっち、両方見て欲しい~」ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ しゅま子さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「ボンゴマン」とこっち、両方見て欲しい~

2024年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

ジミー・クリフの主演の「ボンゴマン」で衝撃を受けたので、こちらも見たが、
一般的な日本人の老若男女が思うレゲエって、実際のレゲエのもつ力のほんの一部分だったということに気づかされた。
他の人もコメントしてるように、レゲエを夏のなんか緩くて楽しい気分の音楽としてだったり、まったりしんみりと聞くことはあっても、もっとソウルのこもった、強いメッセージを訴えている音楽だとは、自分も深く考えたことなかった。
この作品でなんで、ボブ・マーリー推し、ボブ・マーリーの映画みたいに宣伝しているのかって思うくらい、ボブ・マーリーの出てくる場面少ないと思う。
それよりもこれまで知る機会のなかったようなことがスムーズに出てきて、
この時代のレゲエの背景や、ジャマイカ人のことが知れて、レゲエとジャマイカ人に深く関係する彼らの信仰もちょこっと垣間見れて(それがかなり面白かった)、
しかもざっくりとした作りの映画だから余計にストレートに伝わってきた。
過剰に大げさでインタビューの言葉で飾られるのではなく、自分がそこにいるように
見て感じるといったふうに。
だからこそ、かなり退屈な部分もあるかもしれないけれど、そういうのもあって全体が伝わる。ただ楽しいだけじゃない。
レゲエのDJの一般人と有名になったひとの違いは、この映画や「ボンゴマン」でも感じたけれど、どれだけ、ソウルをこめて伝えようとするか・・・それだけ力こめてるからこそ
背景も何もわからない人にまで伝わって、しかも長く愛される曲となってるんだよね。

やはり他の人も書いていたが、ボブ・マーリー以外のアーティストの言葉や、
海辺で語っていた3人の様子が、なんか妙に印象強く残った。
これは見てみないとわからない(なんともいえない!興味深い)けれど、映画の時間も長いし、音楽だらけの楽しい映画っていうわけでもない、割とちゃんとした映画なので誰にでも勧められない。
「ボンゴマン」の方が見やすいかも。

しゅま子