「単なる甘いラブストーリーだけではない志の高い意図を感じます」ボディガード(1992) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
単なる甘いラブストーリーだけではない志の高い意図を感じます
誰もが知る主題歌はラストシーンで歌われますが、序盤のデートでのダンスシーンでジュークボックスで掛かるカントリーウエスタン調の曲がオリジナルとして小さな音量で先に掛かります
とにかくホイットニー・ヒューストンが素晴らしい
彼女の唄う姿はもう観ることは叶わなくなってしまいましたが、本作の中に彼女がどれだけのすぐれたパフォーマーであったのかが永遠に残されています
優れた歌手は優れた俳優でもあると証明しています
ケビン・コスナーもまた自身のキャラクターに実に似合う役でした
それだからこそ製作陣の一人として、この脚本を映画にしたのでしょう
後から考えればいろいろ気になるところの多い脚本なのですが、主演の二人の演技に加えて、演出もよく観ている最中はあまり気にならない勢いを持っています
黒人が白人を雇う構図はグリーンブックと同じですが、本作には人種差別のテーマはなく、そこにあるのは一見男女の愛とプロフェッショナルであることのプライドです
脚本自体はレイチェルは白人であっても成立します
なのにケビン・コスナーは黒人の大スター歌手であるホイットニー・ヒューストンを配役したのは何故でしょうか?
つまり彼はこの配役によって、アメリカの人種偏見の無いあるべき姿を、本作によって提示しようとしていたのではないでしょうか
単なる甘いラブストーリーだけではない志の高い意図を感じます
レイチェルのプロモーション担当のサイを演じたゲイリー・ケンプという役者ですが、あの英国のロックバンド、スパンダーバレイのギタリストであったことを後から知りとても驚きました
彼もまた存在感を示した風貌と演技を残しておりました
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