北北西に進路を取れのレビュー・感想・評価
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ツッコミどころはあるけど、そこそこ楽しめる作品
何かの映画のレビューを見ていた時に「巻き込まれ型サスペンスの元祖」と名前を挙げられていた作品。評価も非常に高く、結構期待して鑑賞いたしました。
結論。面白かったが……物足りない!!!
やはり60年も前の作品だから映像演出もチープに感じてしまいますし、ストーリーもイマイチ盛り上がらない。命を狙われているような緊迫感のある場面でも主人公が危機感のない軽口を叩くもんだから、緊迫感が感じられない。
確かに2時間を越える上映時間でも飽きずに最後まで観られましたが、少し物足りなさを感じました。
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広告会社を経営するロジャー(ケイリー・グラント)は、たまたま同じ場所に居合わせてしまったことで「キャプラン」という人物と勘違いされ、謎の組織から命を狙われることとなってしまった。
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たまたまそこに居合わせただけの一般人が巨大な陰謀に巻き込まれていく。これが所謂「巻き込まれ型サスペンス」。今でこそ使い古されたプロットですが、当時は画期的なストーリーでした。多分。
私が過去に鑑賞した映画にもジョニー・デップ主演の「ニックオブタイム」という巻き込まれ型サスペンス映画がありましたが、どうも私はこのタイプの作品は苦手らしいと「北北西に進路を取れ」を鑑賞して気がつきました。
「ニックオブタイム」でも気になった点ですが、「何故主人公が巻き込まれたのか」という理由付けが甘いんですよ。今作でもホテルのラウンジにいた人ごみの中で、何故か最初からロジャーのことをキャプランだと決め付けて誘拐しますし、ロジャーが「俺はキャプランじゃない、誰かと勘違いしていないか」と説明しているのに「そんな嘘は通用しないぞ」と聞く耳持たないし。もしもキャプランがロジャーと顔が瓜二つだとか同じ服を着ていたとかなら理解できるんですけど、そういうわけでもないし。細かいところで「何で?」って思う場面が散見されて、いまいちストーリーが素直に飲み込めないような感じです。
多分、あんまり細かいところを気にして観る映画じゃないと思います。当時としては斬新だった「巻き込まれ系サスペンス」というプロットと、爆発あり、カーチェイスあり、ラシュモア山での逃走劇ありのド迫力の映像を楽しむ映画です。
しかし、今となっては「巻き込まれ型サスペンス」というプロットが今作よりも洗練された映画がたくさんありますし、現代の映像技術の迫力は60年前とは比べ物になりません。
時代の流れと共に、名作映画の魅力が相対的に落ちてきているように私は感じました。
サスペンスの代表作
The Master of Suspense
The Master of Suspenseと称される、世界で最も有名な映画監督の一人、アルフレッド・ヒッチコック (Alfred Hitchcock)が今日の先生です!
彼の映画制作における技術は、無数のフィルメーカーたちに影響を与えてきました。
その中でも今日は、サスペンス映画になくてはならない、ストーリーテリングの部分について取り上げて見ましょう。
サスペンス映画の監督といえば誰を思い浮かべますか?
今あなたが思い浮かべたほぼ全ての映画監督、また映画はヒッチコックが証明して見せたテクニックを使いまくっています。
あげだしたらきりがないのですが、カメラワークからブロッキング、そして編集に至るまで映画の水をなす部分でサスペンス界の常識を作り上げたことは間違いないです。
「ミステリー小説が好きな人!」「はぁーーーい!」
ミステリー小説が好きな人は、何が好きかって、とても複雑に入り組んだミステリーが一つ一つ紐解かれていくところ。人が一人ずつ死んでいくのが好きっていう人は、それはもうホラー好きかサイコパスですわ。
1ページめくるたびに、少しずつ謎が解けていく感覚がワクワクするんですよね!!
そう。小説ではページの中で、言葉を使って謎解きをしていくのです。言葉を使って読者に情報を与えていく。一つでも情報がかけたら、こんがらがっちゃうから、かなり直接的に言葉に表すのが特徴です。言葉だからできることですよね。
「赤いリンゴが一口かじられて、床に転がっている」
と言われたら、みんなきにするのは赤いリンゴだけで、
「床はフローリングかな?タイルかな?」
なんてことは気にしない。それが大事なんです。
これを映画で成し遂げたのが、ヒッチコック。
例えば、監視カメラの映像で赤いリンゴが一口かじられて転がっていたとしても、それが一口かじられているのかどうか、それがリンゴであるのかどうかさえも、気づくまでの時間はかなり個人差があります。気づかない人もいます。
巨大スクリーンの中で、全員の視線をその赤いリンゴ、しかも一口かじられているところに集める必要があるのです。
一見、簡単そうですよね?
クロースアップで、赤いリンゴのかじられてる部分をよりで取ればいいじゃないと。
それが、意外と難しい。しかも自分が撮影している側になると、それに注目しなくちゃいけないのはわかってるから、目線は自然とそこにいくのですが、視聴者はそんなこと知りません。初めて見る映像でどこを見るかなんて、ひとそれぞれ。
ヒッチコックがやってのけたことは、一言では語れません。
・照明;人は明るいところに目線が行く。
・カメラ;カメラが動くと人の目はその動きに吸い寄せられる。
・ブロッキング;下からのアングルは、存在の大きさを感じさせる。
・編集;人が次のフレームで起きることを把握するには3フレーム準備がいる。
まるで、科学者のように映画を一から見つめ直しています。これが正解かどうかは、その映画自体にしかわかりませんが、確実に傾向として、またメソッドとしてこの技術は適応されるべきものではあります。
この映画を見たらわかると思いますが、
主人公ロジャー・ソーンヒルがとる行動の前には必ず、なぜその行動をとるのかという、話ののり付けのような部分があります。しかもそれは、台詞で語られるのではなく、視覚的にスクリーンに映されるのです。
有名なシーンで、荒野でキャプランを待つシーンがありますが、あそこはまさにビジュアルストーリーテリングです。全く台詞を言わずとも、物語が進んで行くのは本当にすごいことです。
とくに前半から中盤にかけてサスペンスを盛り上げていく部分で、絶対にかけてはいけない部分をまったく欠かさない。しかも100人いたら100人が理解できるほど明確に。
まさにMASTER。
ISHIBASHI秋のヒッチコック祭りが始まりましたー。
ミステリーとラブロマンスのバランスが絶妙
NYにて広告代理店の社長を務めるロジャーソーンヒルがキャプランなる人物に間違えられたことから始まる謎の組織との頭脳戦を描いた名作ミステリーの1本。
カプランという身に覚えのない人物、そのカプランを追っているというタウンゼント氏とその手下たち、命からがらに逃げ帰ったのちに再度訪れたタウンゼント家の奇妙な様子などなど、国連での殺人シーンに至るまで全てが謎で主人公のロジャーとともに観客も全容がわからない状態で進む前半と、
カプランの正体とその目的と黒幕、諸悪の根源であるヴァンダムの登場などを謎の美女イヴケンドールとロジャーのラブロマンスを絡めた展開で進んでいく後半とのバランスが絶妙な今作。
特に国連にて出会ったタウンゼント氏が前夜に出会った人物と全く違う点と健在であったタウンゼント夫人が実はすでに死去していると明かされたシーンは鳥肌がスゴかった。
複雑なストーリー展開や登場人物の立場もあって後半は少し理解が難しいが、後半のヴァンダムのアジトの展開からエンディングまでが電光石火のテンポの良さかつ意外にもハッピーエンドでかなりの傑作だと思う。
中盤の荒野での飛行機との戦闘シーンの緊張感やオークション会場でのロジャーのキレの良さなど名シーンもたくさん。
ただの普通の男のはずのロジャーソーンヒルが一流スパイも顔負けの活躍を見せるアルフレッドヒッチコックの傑作。また観たい。
An Alfred Hitchcock's very classic suspense film
Assuming by the title North by Northwest , it really sounds and looks like a war film but it's not at all . This is kind of a suspense film with some tricks in the hands of Alfred Hitchcock and as you may know if you have seen some of his films , most of his films are very weird and sometimes come to an end remaining ambiguous ,whereas this is the one of his films which gradually reveals the vague facts with some clues that the people in the film give us . So after watching that , nothing vague probably wouldn't remain in your mind . My favourite scene of the film is when the ad executive Roger is chased by the mini plane and sprints as fast as he can to avoid being killed . That scene is the most exciting part for me . Have fun and hope you'll enjoy this
ヒッチコックなのに。。。
ヒッチコックの娯楽映画
巻き込まれ型ストーリーの怪作。
意外と健全で単純
総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:60点|演出:60点|ビジュアル:60点|音楽:65点 )
国際的な情報戦に巻き込まれた一般人の行動というか活躍を描く。
同じような現代の映画に比べて案外平和というかのんびりしていて、これだけのことがあったのに主人公はたいして深刻さもみせず飄々と普段通りに振る舞う。もちろん怖いお兄さん方に追いかけられて命の危険もあったりもするのだが、昔の映画ならではの緩い演出というか緊迫感が少ないというか、非情な犯罪現場というよりは健全な雰囲気がある。
物語の流れも結末もありきたりだし、衆人環視の中で人が殺されても犯人とみられる人物は簡単に現場から逃げられたりして、大まかにあっさりと物語は進んでいく。だから結末も簡単に想像がつく。
制作された時代では良かったのかもしれないし、大昔に観たときはもう少し面白いと思っていた記憶があるが、現代の水準からみれば平凡かそれ未満。
あの『007』もモデルにした名作
マッチケースに書かれたメッセージ、電車の中でヒロインとすれ違う時にぶつかる、など今ではよく見る光景も『北北西に進路を取れ』が最初と言われています。
そして、あの『007 ロシアより愛をこめて』でジェームズ・ボンドがヘリコプターに襲われるという名シーンは、この作品の主演ケイリー・グラントが農薬散布機に襲われるシーンを基にしています。
このように、『北北西に進路を取れ』は後の作品たちに多大な影響を与えているのです。
全てのシーンが壮大に仕上がっていて、まさにヒッチコックの集大成とも言える作品です。
まあまあ面白い
白黒の戦争映画だと思っていたので、全然違ってびっくりした。主人公の男は拉致されたり、相当深刻に命を狙われているのに、非常に肝が据わっていて、元特殊部隊かなにかなのかと思えるほどであったが、最後まで普通のサラリーマンと主張していた。
本人がビビッておらず、いろいろと迷いはするのだが、謎ときに熱心だったため、あんまりドキドキしなかった。ヒロインは薄幸そうな顔だった。
FBIか何かに、主人公は重要人物として設定され、マフィア的な人らに命を狙われていたのだが、それが結局なんだったのか意味が分からなかった。けっこうぼんやりしていて、おっちょこちょいな印象があった。
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