劇場公開日 1959年9月26日

「ユーモアとロマンス、スリリングなサスペンスが融合した傑作だ。」北北西に進路を取れ 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ユーモアとロマンス、スリリングなサスペンスが融合した傑作だ。

2024年10月19日
PCから投稿

ロジャー・ソーンヒルは、キャプランという男に間違えられ、タウンゼントと名乗る男に拉致されて、殺されそうになる。本物のタウンゼントは、ロジャーの面前で、何者かに殺されてしまう、、、。

キャプランをめぐる謀略や、敵側に送り込んだ味方のスパイ、その攻防に巻き込まれた男のミステリーだが、大胆かつ華麗に、軽妙なタッチで、二転三転するストーリーを展開させている。

ロジャーが出会った女性、ケンドールとのロマンスもある。真相を求める男が、とっさに思いつく判断で次々と困難を乗り切るのも、本人は真剣でシリアスだが、場当たり的な滑稽さが面白い。

思い返せばありえない展開だが、サクサクと進むテンポのため、鑑賞中はワクワクして見ていられる。よく練られた物語で、スリル満点のサスペンスと、ユーモアに満ちたコメディとロマンスが融合した、アクションスリラーの傑作だ。

瀬戸口仁