「映画のお薬はいかが?」ホーリー・マウンテン Siggy-Oさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画のお薬はいかが?

2023年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

この映画作品は、映像化された、「心理療法」です。まさに神の領域である。エキセントリックで、異様にカラフルで、エロティックで、グロテスクで、アレハンドロ・ホドロフスキー氏の錬金術によって完全に実体化された数々の名場面は、たとえそこにセリフがなくても、「精神障害」患者を「心理療法」として十分に癒すことができる。そして、性愛、グロテスク、聖性、障害者への愛(あるいは虐待)、動物蔑視など、地上の変質者たちのイメージが一つの映画の中でアンサンブルしているのである。アレハンドロ・ホドロフスキーの代表作というだけでなく、(少なくとも私は)この映画で癒された。ドラッグや自慰以上に、この映像作品こそが、私にとっての救いの源なのです。つまりこの映画は、芸術を超えた精神医学のコペルニクス的転回なのです。私を救ってくれてありがとう。そして、字幕なしで観れば、もっと楽しい体験ができるはずです。

茂輝