夏前にジャッキー・チェンの『ファースト・ミッション』を久々に観たことで、ヒロイン役のエミリー・チュウが出てる他の映画も観たくなり、調べたらこれに出てたんで観た。1930年代の中国の田舎町を舞台として様々な人物や勢力が入り乱れるアクション・コメディというかアクションシーンのあるドタバタコメディ映画で、監督・主演はサモ・ハン・キンポー。弟弟子のユン・ピョウをはじめ有名俳優がやたらたくさん出てるオールスター映画で、同じサモの『福星』シリーズと作風が似てるというかほぼ同じ。サモらしく映画の作りが甚だ適当で、やたら登場人物と勢力が多いわりにはほとんど全編思い付きで作ってんじゃねえのかってくらいいい加減なストーリーだし、ギャグマンガを実写でやったみたいな古くてしょーもないギャグの繰り返し。冒頭でサモが雪山をゴロゴロ転がったらバカでかい雪玉になるというシーンを観た時点でこれはしんどいと思った。本当にギャグが幼稚というか小学生が考えたようなやつばっかりで脱力してしまう。
ところどころで出てくるアクションはすごいんだが、見せ方が悪いのかあまりすごく感じないし、カナダとフィリピンでロケしたらしいセットや野外ロケなどにえらく金を掛けてるのはわかるが、作風がチープで安っぽいので全然大作に見えない。やっぱりサモは監督としてはジャッキーに及ばないと思う。リチャード・ンが相変わらずとぼけた味で笑わせてくれた以外に見どころはほとんど無かった。
肝心のエミリー・チュウは売春婦役だがほぼ見せ場なし。まだ同僚役のロザムンド・クワンのほうが見せ場があった。しかもメインのヒロイン役はオリビア・チェンというよく知らない女優だし。サモは女優の趣味もいまいちなんだよな。