砲艦サンパブロのレビュー・感想・評価
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もし中国の軍艦がミシシッピー河に浮かんでいたら、アメリカ人はどう思うかしら⁉️
「ウエスト・サイド物語」「サウンド・オブ・ミュージック」など、たくさんの名作を残してくれたロバート・ワイズ監督作品の中でも一番好きな作品です‼️わが憧れのスティーヴ・マックイーン主演というのも大きい‼️中国人による外国人拝斥運動が激化していた1926年の上海において、現地に駐留するアメリカのポンコツ砲艦サンパブロ号のクルーたちは、揚子江の奥地に入り込んだアメリカ人伝道団を助け出そうとする・・・‼️「もし中国の軍艦がミシシッピー河に浮かんでいたら、アメリカ人はどう思うかしら?」のセリフに代表されるように、大国による海外派兵の愚かさを、犠牲になる水兵たちの視点で描いた名作ですね‼️現在のアメリカと中国の世界情勢を考えるとヒジョーに興味深いです‼️安易にアクションシーンに頼ることなく、人間ドラマに重点が置かれてるのも好感度大で、悲劇的な最期を迎える中国人整備士マコ岩松さんや、現地の女性と恋に落ちるリチャード・アッテンボローの好演もホントに印象深い‼️でもやっぱりマックイーン‼️無骨なのにピュアなハートを持つマックイーン‼️愛するキャンディス・バーゲンを守るため一生懸命頑張るマックイーン‼️そして敵の銃弾に倒れるマックイーン‼️涙が止まりません‼️マックイーン、感動をありがとう‼️
中立な場所など存在しなかった
前半は正直退屈でした。機械の異常をチェックしてる最中に負傷するシーンしか頭に残らなかった。正しいことをS.マックィーンはしているのに「噛み合わない不運」が後々エスカレートしていくのかな、と思いながら観てました。それはボクシングのシーンで更に確信した流れ。中国人だろうと同じ人間なのに、平等に考えることが裏目に出る展開。
後半は酒場の女からスタート。助けるという見方をすれば同僚は男冥利に尽きる行動をした。持病があったのか何で死んじゃったのかわからなかったけど・・・
ただ女の方は殺され、それをダシに米国を追い詰める(裁判にかける)という狙いは学のない私でもわかった。陰謀とでも言えばいいのか、うまく利用する醜い術は現代にもあるだろう。
一方、マックィーンの方はインテリ風の女(教師)との付き合いを断とうとする流れ。何だか戦争中のメロドラマのような展開に個人的には拍子抜けした。
ジャンルは戦争映画になりますが、アクションは150分頃までなく、人の置かれている立場・状況を描いた心理面がほとんどです。
総じて主要人物がことごとく不幸な結末を迎えていたけど、マックィーン観たさで拝見した私にはあらすじを読んでも内容がわかりづらかったのが本音。
ただ、船上での攻防、暗闇の銃撃戦はかなり緊張感あって一気に目が覚めましたよ。
マックィーンは最後まで中立の存在であった。
機械が異常な時の対応、仲間の恋愛~結婚を見届けることも、(射殺含め)ボクシングの中国人に対しても、愛していた女の未来のため別れようとしたことも、そしてラスト中立の場所であったはずの伝道団で覚悟決めた銃撃戦も...
かもめの水兵さん
原作がしっかりしていて反戦メッセージも明確でそれなりの秀作ですが、植民地の上海を舞台にとった3時間の大作にしてはどうも風格にかけるようです。リーン君に任せたらスケール感やダイナミズムが出て正に超大作になったのでは?
敗因は、ドラマ描写中心で、せっかくの舞台を生かすダイナミックな映像が殆ど見当たらないこと。そしてなんと言ってもマック君が主役に合っていないと感じます。大脱走とか7人とかブリットとかのイメージが強烈なので、今更カモメの水兵さんの格好されても戸惑います。尤もあの帽子、元がかっこ悪いから似合う人いませんけどね。
スティーブン・マックイーンとキャンデス・バーゲンの代表作
ニコラス・レイの「北京の55日」に続く混乱の中国を舞台にしたハリウッド映画。満州事変の数年前の時代背景で、西洋列強の植民地争いが激しいとき。
この企画は、スペクタクル映画に活路を見出す興行目的が最優先だったと想像します。でも監督がロバート・ワイズの御蔭で社会派映画の佳作になった。
マックイーンとバーゲンが素晴らしい。「荒野の七人」や「大脱走」のアクション映画のマックイーンも颯爽とかっこいいが、男らしさに独特の寂寥感の漂う「シンシナティ・キッド」や「パピヨン」のマックイーンもいい。その中でこの作品のマックイーンが一番役柄にマッチしているのではないか。デビューしたてのバーゲンは、この時二十歳の若さながら、確かな演技力を身に付けています。鼻から顎にかけてのラインが美しい、横顔美女の第一人者。後に監督業も兼ねたリチャード・アッテンボローと日系アメリカ人俳優マコ岩松も存在感ある好演を遺して、大味になりがちな当時のハリウッド映画大作では魅力的な作品だ。歴史の真実より、人間ドラマの価値がある、好きな作品。
正しいことを行うことが幸せな結果にはならない、その虚無感が深い余韻を残します
マックイーンが主演ですが、娯楽映画ではありません
戦争映画でもありません
カタルシスも得られません
見終わった後に広がるのは暗澹たる重い気分です
しかし3時間強もの大作にもかかわらず、短く感じられるほどなのです
間違いなく名作です
マックイーンの演技力はブリッドを上回るものです
正しいことを行うことが幸せな結果にはならない、その虚無感が深い余韻を残します
主人公も、フレンチーも、艦長も、乗組員も、中国人も、宣教師も
それぞれがみんな正しいと信じることをやるのです
それがこのエンディングを迎えるのです
本作製作の時代のベトナム戦争も、湾岸戦争も、対テロ戦争も、イラク戦争も、恐らくこれからもあるであろう戦争もそうなのでしょう
永遠の生命を持つ映画であると思います
マコ
スペイン戦争での戦利品だったサンパブロ。機関兵のジェイク・ホールマン(マックィーン)は伝道師たちと知り合う。暴動が起こってからは参戦せずに静観せよとの命令を受ける米軍。
ボクシングでも悲惨な闘いを強いられた仲間の中国人マコだが、共産軍に捕まって痛めつけられている。そこで米軍は彼等に攻撃しようとするが、参戦はまずい。金で解決したいが・・・ホールマンのとった行動はマコを射殺することだった・・・
前半ラストがマコの壮絶なシーンだっただけに、後半が始まるとちょっとセンチメンタリズムが前面に出てしまった感じがした。長い映画なだけに淡々とした部分もあった。実際のオンボロ船を使ってるので迫力はあるけど、なるべく殺さないようにする戦争映画なので描写が難しそうで、窮屈なイメージ。反戦メッセージも感じられるものの、アメリカ人を救うためだけに艦を向かわせるという現代的な問題点にまでは至っていないような・・・それでも、国民党と共産軍との争いに関する記述からはベトナム戦争に対する批判のようなものが感じられる。
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