ボイス・オブ・ムーン

劇場公開日:

解説

イタリアの田舎町を舞台に、月の声を聞こうとする愚か者と周囲の人々が繰り広げるお祭り騒ぎを、空想と現実をないまぜにして描くフェデリコ・フェリーニの「インテルビスタ」に続く監督作品。製作はマリオとヴィットリオのチェッキ・ゴーリ兄弟、脚本はエルマンノ・カヴァッツォーニの「狂人たちの詩」に発想を受けフェリーニ、カヴァッツォーニとトゥリオ・ピネリの共同、撮影はトニーノ・デリ・コリ、音楽はニコラ・ピオヴァーニ。出演はロベルト・ベニーニ、バオロ・ヴィラッジョほか。

1990年製作/イタリア
原題または英題:La Voce della Luna
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1990年10月27日

ストーリー

どこにでもありそうな田舎町、レッジョーロ。皆にちょっとばかりおかしいと思われている詩人のサルヴィーニ(ロベルト・ベニーニ)は井戸の側で不思議な声を聞いた晩、墓地でオーボエで悪魔の音を吹く男に出会う。サルヴィーニは満月のように美しい女性アルディーナ(ナディア・オッタヴィアーニ)に会いに出かけるが、驚いた彼女に追い出され、偶然出会った友人ネストレ(アンジェロ・オルランド)から、彼の異常性欲の妻マリーザ(マリーザ・トマージ)との恋の思い出を聞かされる。周りの全てが虚偽だという妄想に取りつかれている元知事ゴンネッラ(パオロ・ヴィラッジョ)とサルヴィーニは初めて出会って、二人でミス・小麦粉コンテストに出かけるが、そこでサルヴィーニは愛しのアルディーナに幻滅し、一方ゴンネッラはそんな彼に静寂の素晴しさを説くのだった。しかし、そこは急に騒音の支配する巨大ディスコに変化する。怒り狂うゴンネッラの前に彼の愛人が姿を現わし、二人は流れだしたウィンナワルツに合わせて美しいダンスを踊る。サルヴィーニは妹夫婦の家へ向かうが、そこへネストレが現われクレーン車に乗った3兄弟が月を誘拐しようとしていると告げる。駆けつけた群衆たちは大騒ぎをしているが、そこへ月に向けて銃弾が一発打ち込まれ、皆は飛び散って逃げてしまう。辺りはやっと静寂を取り戻し、サルヴィーニは井戸の側に一人佇んで月の声にじっと耳を傾けるのだった。

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映画レビュー

2.0ピノキオ

2018年12月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 “ピノキオ”の幻覚?におそわれるサルビーノ。『ピノキオ』を演じたベニーニの原点がここにあったのかとも思えてしまう。日本人観光客も出てくるけど、イタリア人の感覚からすると、日本の印象は観光とカメラなのだろうか。

 今でこそ世界的な監督・俳優となったベニーニであるが、この映画での演技が認められたのが俳優としての成功の元。全編通してサルビーニの妄想と見たままの世界の中なので、最初から彼に感情移入しておかないと意味がわからない。

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kossy

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