ベン・ハー(1959)のレビュー・感想・評価
全72件中、1~20件目を表示
レースシーンの凄まじさ
有名は馬の競走シーンは噂に違わぬ凄さでした。昨今のCG多用の映画の何十倍も凄い。古い映画のセコイ特撮感は皆無。怪我人がたくさん出ているとしか思えないシーンも多く、どうやって撮影したのか不思議になるほどだ。ユダヤ代表のベン・ハーを応援するアラブの人たちを見ると、現在の情勢が悲しくなってくる。
『名画』とはこの様な映画の事を云う。
イタリアで、あの馬車レースの撮影で使われた場所へ行った時、その呆気ないほどの見すぼらしさに膝が崩れる思いがしたのは、忘れられない記憶だ。要するに素晴らしい(当時最高の)合成技術であったことの証左でも有る。
自分が小学生の時からもう百回近く観ているのに、その度に新たな気付きが有り、その後何十年と歳を重ねる毎に、様々なシーンでの自分の受け止め方も変わって、新たな発見がある。こういう作品こそ『名画』と呼ぶに値するものだ。
此処でレビューを書いてる方で、「午前十時の…」やBD等で数回観た程度で、俯瞰したように感想を綴っている方々が良く居らっしゃるが、「そのぐらいではこの映画の真の醍醐味を味わったとは言えないよ」と、挑発的なアドバイスを敢えてここで言いたい。
何回も何回も観て、味わってこそ、『その映画を掴み取った』ことに成ることを。
最後で台無し
途中までは大スペクタクル映画という感じで物語もセットも素晴らしいです。他の方がレビューしている通り戦車のレースは手に汗握る展開で何度見ても飽きない面白さ。
しかし、最後にキリストが死ぬことで主人公の家族のハンセン病(作中では業病と呼ばれています)が治るというのがご都合主義すぎて拍子抜けしました。
もののけ姫や砂の器を観ればわかる通りハンセン病はそんなに簡単に治る病気ではありませんし、罹患すれば社会的地位を失ってしまう恐ろしいものです。それを最後の最後でキリスト様の奇跡だとかいう都合のいいもので治癒させてめでたしめでたしとは鑑賞者を舐めているとしか思えません。
アラビアのロレンスはベン・ハーと同じような壮大な物語でしたが、こちらはリアリティがあって最後まで飽きさせない展開になっています。ベン・ハーも最後の詰めをもう少しちゃんとしてほしかったです。
これを全てセットで撮っていたとは
アカデミー賞史上最高の11部門を制覇した大作が映画館に登場です。僕は50年以上ぶりの鑑賞でした。だから、騎馬戦の場面以外は全て忘れていました。しかし、冒頭に”A Tale of the Christ”とあったのに驚き、まさしくその様な物語に帰結していく事に二度ビックリ。子供の頃はそんな事分かっていなかったんですね。それにしても、60年以上前にこの大規模・大迫力の物語はやっぱり凄かった。これ、セットを作ったんですよね。また、物語も、4時間近く全くダレることがありませんでした。
でもキリストのエピソードをこんなにハラハラする物語に仕上げるなんて、キリスト教文化の物量はやっぱり凄いなぁ。『十戒』(1956) や『天地創造』(1966)などの聖書物語もヒットしていた時代です。「ゴータマ・シッダールタの生涯」なんて映画は手塚治虫さんのアニメ以外に聞いたことがありません。
また、1925年には無声映画の『ベン・ハー』も制作されていた事を今回初めて知りました。Youtube で視聴可能らしいのでこれも観なくては。
事故かな
圧倒的スケール
これは単なるアクション映画ではない
子供の頃に観て印象的だったのは、ベン・ハーがガレー船に送られる時に...
子供の頃に観て印象的だったのは、ベン・ハーがガレー船に送られる時に「その男には水は与えるな!」「与えるなと言っただろう!」と言った後にナザレのイエスの顔を見て何故かうろたえるローマ兵士の表情。
そして牢獄に何年もいた母と妹が癩病(らい病、ハンセン病)だと判明するシーンが残酷過ぎて怖くて悲しくて泣きそうになった。
凄いのはガレー船のシーンと、やはり戦車競走であり、ベストシーンは今も昔も変わらない。
主人公はジュダ=ベン・ハーだが、同じ時代に家具職人の別のユダヤ人がいて その人物にもスポットを当てるのだが顔を映さない演出は素晴らしい工夫だと(今でも)思います。
アクションシーンでは 子供の頃「あっ 一人死んでしまった!」と思ったもんだ。見事なスタントと編集技術。
多分 テレビ放送で2回、レンタルで1回、その後「午前10時の映画祭」で観た。今回の「午前10時の映画祭 15」だと12年振りらしく、なので12年振りに映画館で観たのだろう。
早めに行ったので1本の映画の為に5時間近くも劇場に居た事になる。
《メモ》
・70mmフィルムのアナモフィックスレンズ撮影。
・イタリアのチネチッタ(Cinecittà:ローマ郊外エウローパにある映画撮影所)で撮影。
・セルジオ・レオーネがセカンド監督。
・ヤキマ・カヌートがスタント・コーディネーターか?
・今作が3回目の映画化。(1、2回目はサイレントで2016年に4回目の映画化)
・キノシネマ天神は4Kプロジェクターではない。
・212分 + 休憩10分 = 222分
・相変わらず序曲中は真っ暗
その姿に何を見る
時間を忘れる映画でした
有名な映画で、何回かTV放映で見た記憶はありますが、全編観たのはこれが初めてでした。
チャールトン・ヘストンの男性的で誠実な魅力と、ギリシャ彫刻のような肉体美は惚れ惚れしますね。それと、この時代の衣装が本当に似合う。
キリストの顔を見せないようにしているのは、他の古い映画でも見られましたが畏れ多いとのことなのでしょうか。ハー家の当主として豊かな生活を送っていた主人公ですが、無二の親友だったのに嫉妬や価値観の違いから、裏切られて互いに憎みあってしまうところは、なんとなく西郷隆盛と大久保利通を連想してしまいました。友情は壊れたら元には戻らない…。
有名な競馬のシーンですが、瞬きするのが惜しいほどの迫力で、この時代だからほぼリアルということですかね。どうやって撮影したのだろう。このシーンは優秀で美しい馬達も主役同然ですな。
午前十時の映画祭で鑑賞しましたが、年齢層が高いからか映画好きが集まっているからか、マナーの良い方ばかりで不愉快な目にあったことがないです。なのでより名画を心から堪能でき、ありがたいです。
ブドウの房でも
持ち込みたい所ですが無理なので、Lサイズのオレンジジュース、チェック!休憩に備えてトイレの場所、チェック!
メッサラとのやり取りがちょっとタルい、だが“ファーストコンタクト”から戦闘速度!と俄然テンポアップ!人にしてもらった事は忘れない・・それが信仰なのかも?とうっすら思う。
休憩突入。
序曲、間奏、いくら助走と言っても長いよ!100m位たったっしてるんじゃ?
9頭立ての馬場のロケーションだけでも凄い金がかかってそう、遠くは絵だったけれど。邦画ではこんなの作れないのか、当たると解ってないと駄目か?“セカンドコンタクト”これが教徒が信じる伝説・・まぁユダヤ教から発展し、死に追いやったのもユダヤ人ってのはよく考えた方がいいと思いますがね。
最後にチャールトンヘストン、正にアメリカンロールモデルなんでしょうな。離婚歴も無く従軍経験もある、聖書絡みの役を演じ、全米ライフル協会会長、最後の肩書きはあまりにアメリカ的過ぎでしたけど。
若き日の彼をスクリーンでも見たいけど…。
アカデミー11部門受賞の歴史超大作。
本作の最大の欠点は、とにかく長いこと。
随分前にTVで録画し頑張って全編見たあと、短い二箇所の場面を除きすぐ部分消去(というか大部分消去?!)。
保存した二つのシーンに共通するのは、子供の頃好きだった俳優がエキストラで出演していること。今でも時どき見返している。
彼はもともと主演のチャールトン・ヘストンのスタント(有名な戦車競走のシーン)として採用されたのに、身長が2インチ低かったためにエキストラに回されたという話が一般的に知られているが、そんなことは選考段階で分かってた筈。
その話が本当だったにしても、「悪いけど、ほかのスタント使うから」で済むことなのに、セリフこそないものの、彼は結構目立つ場面で登場する。
今のようにCGで顔だけ張り替える技術のなかった本作の製作当時、役者の顔を映さないのがスタント撮影の大原則。
あくまでも自分の勝手な想像だが、おそらくスタッフ(少なくともエキストラの起用に口出しできる立場)の誰かがこう思ったのでは。
「彼の顔を映さないなんて間違ってる。この顔を使わないのはもったいないだろう」と。
彼の最初の登場場面は、家族を捕らえられた主人公ベン・ハーが旧友の司令官のもとへ抗議に乗り込むシーン。司令官の護衛役を演じている。
もう一つはローマ史劇お約束(?)のローマ風呂のシーン。彼はここで器械体操や俳優デビュー前の肉体労働で鍛えた筋肉美を披露している。そして、のちに彼の代名詞ともなった100万リラのスマイルも。
彼には別に「マカロニの貴公子」というニックネームもある。
本作の五年後に始まったマカロニ・ウエスタンブームに乗って脚光を浴び、彼も一躍世界的な大スターに。
国内のロングセラー・スクーター、SUZUKIジェンマも彼、ジュリアーノ・ジェンマの人気にあやかったもの。
「午前十時の映画祭」の企画で全国の劇場で上映されているが、冒頭でも指摘したとおり、やたら長いことが作品の欠点。
戦車競走などスペクタクルシーンはあるものの、物語の骨格はキリスト教史観。
宗教的シンパシーや何らかのモチベーションがないと、4時間近く座って見てるのは結構しんどいと思う。単なるアクション・スペクタクルだと思って見に行くと、睡魔はあなたを容赦しない。
自分も若い頃のジェンマを劇場の大きいスクリーンで見てみたいけど、隣の知らない人に「ジェンマ出たら起こして」とお願いする訳にはいかないし…。
これから見に行かれる方はしっかり睡眠とって、体調を整えてご覧になることをお薦めします。
個人的には、かつて日本でも人気のあったジェンマの登場場面にも、是非ご注目を。
お腹いっぱい!
今見ても凄い映画だ。
映画館で見るのは今回が初めてです。
封切りの時は当然生まれていませんでした(笑)。
TV放送をビデオで撮ってみた事はあるのですが、とにかく200分超えの大作、途中休憩ありの二部構成。現在なら前後編、三部作など作品分割していたでしょう。本当に長い映画で途中疲れてしまい早回しで飛ばしていたので海戦やら馬車レースなど面白い所しか覚えていません。
改めて一から全部見て初めてこの映画はキリスト教に関する映画だと知りました。キリスト教については一言も触れていませんが。
キリスト自体も画面に出ているのですが後ろ姿やシルエットだけ。
キリスト教もなにも知らなかった時には何のこっちゃでしか無かった。
この映画では業病(不治の病、悪い事をした罰、ハンセン氏病などの俗語)と言う病気(映画内ではハンセン氏病の事)が治ってしまう奇跡も出ます。
これも知らないと何のこっちゃになります。ローマ時代の復讐と復活の映画かと思ったら神の奇跡とか意味不明でした。
映画冒頭の降臨した映像を見た時はベン・ハーの生まれた事かと勘違いしたくらい。
ベン・ハーもフルネームがジュダ・ベン・ハーと意味深である事を知りました。
とにかく60年以上昔のCGも何も無い時代にこれだけの大作を作れる事が驚きです。途方もなくお金が掛かっていたでしょうね。
実写と絵の合成ですが全て本物の様に見えます。
一部クロマキーの処理が甘く合成しているところがチラチラ見えますがご愛嬌。とにかく何もかも凄すぎです。
ただ一本の映画として見ると長すぎて集中力が持ちません。ビデオで早回しや飛ばしでショートカットしたい気分になるのも無理からぬ事かも。
時はローマ時代、所は今のイスラエル。ローマが統治していた頃のエルサレムの話。
ユダヤ人の貴族の青年ベン・ハーは貿易に勤しんでいた。
その頃ローマ人で幼友達のメッサラがローマから戻ってきてローマ軍の指揮官としてイスラエルに赴任。旧友と親交を暖めるがメッサラはローマに戻って野心に目覚めイスラエルの不満分子を抹殺する事を考えていた。ベン・ハーに協力者として密告して欲しいと願うが断り敵対関係に。
新しいエルサレムの総督が赴任する為の行列でベン・ハーの家の前で事故が起こりメッサラは事故と知りつつ見せしめの為ベン・ハーを総督暗殺を企てたと無実の罪を着せ奴隷に落としガレー船(今で言う戦艦)の漕ぎ手として遠くに追いやった。
母と妹は捕らえられ牢屋の中に。
復讐に燃えたベン・ハーはメッサラに生きて戻ってきて復讐する事を誓う。ここからが長い…
言葉にならない
午前十時の映画祭にて。これまで、昔の映画にはあまり興味がなかったため今回が初鑑賞。
競走馬のアクションシーンが有名ということは知っていたので、てっきりそういうアクション系の映画なのかと思っていたくらいだったが・・・、鑑賞後の感想としては、もう、言葉にならない。これに尽きる。この映画は言葉にならない。言葉にできない。以上。
強いて言うならば、、、
映画館への入場が遅れてしまい、入室したときにはオープニングの音楽は流れていたもののスクリーンは真っ暗。部屋も真っ暗すぎて座席も見えず座ることもできない。これは部屋を間違ったのかと思い、1回出て確認するも合っているので再入場。でもやっぱりスクリーンには何も映っていないので、故障なのかな?もしかして誰も居ないのかな?と、出たり入ったりを3回繰り返す。でもよくよく見ると座っている人が居る気配はしたので、これはもしかしたらスクリーンを見える人と見えない人が居る映画なのかと・・・大パニック。帰宅後に感想欄を見たらそういう演出だったんですね・・・。そんな衝撃的な映画。
ベンハー、駅馬車、セブンサムライ
全72件中、1~20件目を表示