ベンのレビュー・感想・評価
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人とネズミの生存権を掛けた戦い!
前作「ウイラード」のエンディング直後から始まるこの物語。
ウイラードが無責任に産めよ増えよ地に満ちよで自宅地下室に溢れかえらせていたネズミたちがついに街へ繰り出します!
ネズミたちは攻撃を受けなければみだりに人を襲うことはしませんが、それでも既に3人の人間を殺めています。警察も有能で、信じ難いことではあるものの状況からすぐさまネズミによる殺人だと断定し、街中の下水道を捜索し始めるのです。
そんな折、近所に住むダニー少年のもとに逃亡中のネズミ軍のリーダー「ベン」が迷い込み、2人は友情を深めていくのです。
本作の主人公であるこのダニー少年、心臓が悪いため手術をしており胸に大きな手術痕があります。それでも病状は芳しくなく次の手術を自宅療養しながら待っている身です。そのため学校にも通っておらず、家族は母親と姉の2人で母子家庭です。
そしてダニーボーイはどことなく小さい頃の鈴木福くんに似ています。
毎日自宅に籠って一人遊びをしていたダニーボーイにとって「ベン」は外からやって来た特別な友達です。警察が訪ねてきたり、新聞の報道で「ベン」が何を仕出かしたかはダニーボーイも察していますが、それでもこの特別な友達を庇います。
その姿が意地らしいで済めばよいのですが、警察の捜査網にもシッポをつかませないネズミ軍団は、日々餌を求めてはスーパーマーケット、病院、スポーツジムに出没してパニックを巻き起こし、その被害は看過できないものになっていきます。
家族や警察もダニーボーイが何か知っていると気づき詰め寄りますが、頑として口を割らないダニーボーイの丹力には舌を巻きますが、ここまでくると軽くイラッときます。
というのも、ダニーボーイのお姉ちゃんは厚ぶちメガネがチャーミングな、大学などにかよってボーイフレンドの1人や2人いてもおかしくない年頃です。
そんなお姉ちゃんが外に出て働く母の代わりに毎日自宅で弟に付きっきりなのです。お母さんもお姉ちゃんを心配し「自分を犠牲にしないで」と外出をうながしますが、「家族は助け合うもの」と弟の面倒をみるお姉ちゃんの姿を見てしまうと、ダ二―ボーイは少々身勝手な印象となります。
ダニーボーイを追ってスカート姿のまま下水道へ潜り込みヘドロまみれになるお姉ちゃん!ダニーボーイよ、あんまりお姉ちゃんに心配かけちゃダメだよ…という思いを禁じ得ません。
しかしこのダニーボーイの自分しか見えていない姿は子供としてはリアルです。
創作物で描かれる子供の姿は時に観客の大人に媚びた理想的な愛らしい姿で描かれる事があります。なのでそれに比べればイラッとはきますが、子供というのはこんなものかと納得もできるのです。
相変わらず群れで蠢くネズミの姿は強烈ですが、映画としてはあまり起伏のないエピソードが淡々と続き、約90分の尺でも少々退屈します。しかしクライマックスの迫力は中々のものです。
ネズミ達はただ生きるために餌を求めただけでしたが、あまりに数が多かったことと人を殺しているという事実から、人間の脅威となってしまい、両者の対決は避けられないものとなっていたのです。
ただただ自分の孤独を埋めるためだけに無責任に数を増やした前作主人公のウイラードを恨むしかありません。
ペットを飼う事、命を預かる事の責任を今一度考えさせられる映画です。
最後はマイケル・ジャクソンの透明感ある歌声が少年とネズミの友情の行末に花を添えます。
エンドクレジット1発目が『"BEN'S SONG" Song by MICHAEL JACKSON』の字幕です。
少年の純真な心に胸をうたれている最中に大人の商売っ気を見せられた思いで、苦笑いで鑑賞終了です。
少年とネズミの友情・・・
動物パニックムービー
「ウイラード」(71年公開)の続編ですが
ネズミのベンと
病弱で孤独なダニー少年との
交流を描いた作品でもあります。
心臓病の少年ダニーは
お部屋で過ごす時間が多く
自分で工作した物や
人形劇をマリオネットで
歌いながら遊んでいる時
その声に反応したベンが
ダニーの部屋に行き
そこで出会い
仲良くなってゆくのですが・・・
小学生の頃に
テレビ放送で観て
とても、印象に残っていました。
前作、「ウイラード」のラストから
スタートし、ベンが警察に追われる
理由もわかりますが
できれば、前作も観て欲しいです。
警察や駆除業者に追われながらも
賢いネズミのリーダー
ベンが率いる大群が
スーパーマーケットを
襲うシーンには驚きです。
下水溝に逃げて隠れるネズミたち
街を荒らす行為もエスカレートしてゆき
その被害は大変なもの
一掃しようと火炎放射器も登場したり
心配したダニー少年も
ベンを探しに出かけるのですが
危険な現場だけに
家族に引きとめられ
家に戻り、泣いていると
瀕死のベンが会いにきて
必死に手当てするダニー少年が
涙を誘います。
そして、そのシーンには
13才のMichael Jacksonが歌う
「BENのテーマ」が流れます。
マイケル・2ndソロ
全米No1シングルとなり
アカデミー賞ノミネートや
ゴールデン・グローブ
最優秀歌曲賞に輝いた
その、美しいメロディと
純粋な歌声に感動
シンプルなギターの音色
とても、上品なサウンドです。
この映画で、初めて
マイケル・ジャクソンの歌声に
出会えて嬉しかったです。
ネズミは本物?
だとしたら、ネズミの動きかたが相当すごいし、動物愛護団体から苦情来そうだし、本物でなかったとしたら、それはそれで技術的に優れてるってこと?それにしても、健気で献身的なダニー君が助かって良かった。ベンちゃんも助かって欲しい…
ネズミーランド
『ウイラード』(1971)の続編。前作とは打って変わって号泣パニック映画となっていた。とにかく少年ダニーが可愛いし、病弱にもかかわらずピアノを弾いてベンのための曲を作るし、ハーモニカでベートーベンの「月光」まで吹いてしまう天才少年。一人マリオネットショーの舞台を作り、ネズミを踊らせるシーンでは『サウンド・オブ・ミュージック』さえ思わせるのだ。ガバっと胸元を開いて心臓手術の痕を見せるところでは涙腺が緩んでしまいます。
そんなダニーには父親は亡くなったけど、優しい姉さんイブ(メレディス・バクスター)がいる。二人とも家に閉じこもりがちなのだが、終盤の姉弟愛には思わず胸が熱くなる。さらに最後のシーンでは大粒の涙が零れ落ちるハズ。マイケル・ジャクソンが亡くなった今では涙の量も倍増です。
下水溝に巣を作っていたベンをリーダーとするネズミたち。そんな汚いところにも平気で入っていくダニーやイブも純粋さいっぱいだが、大人たちは容赦しない。火炎放射器、水攻めと、人がいてもおかまいなし。作られた年代もベトナム戦争時代だし、どことなくベトコンを殺しまくるアメリカ人をイメージすることができる。ナパーム弾でもぶち込めば完全な反戦映画として称えられたかもしれません。
親友とは
少し前にマイケル・ジャクソンの『Ben』と言う曲がこの映画のために作られたのだと初めて知り、観てみたいものだな〜と薄ぼんやり思っていました。
前々から耳馴染みのあるこの優しい曲が、孤独な少年の自然と湧いて出る心からの友への歌だったのですね
劇中で流れるマイケルの歌声が二つの命の繋がりを悲しくも優しく包み込み暖かいものを観るものに届けてくれる
マイケルとダニーは似ている、本当ことは知らないけどマイケルも親友と呼べる友に巡り合わなかったのかもしれない
あまりにも有名になり過ぎると周りの人達は何が目的でマイケルの近くに行きたがるのか
その中から真の友を探すのはとても困難なことだろう
ダニーとベンのようなささやかな出会いから始まる友情とはなんとも今の世の中では贅沢な出会い方なのだろうな
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