「傑作」ベストフレンズ Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作
キューカーの遺作は宝物のように評価されるべきだと思う。
30年代の銀幕を撮ったキューカーのあの頃と同じ眼差しが、ここかしこに感じられる贅沢な作品だった。
パーティ会場に入るときの跡を追うようなカメラ、流れるような会話の妙、女心の繊細な襞、交錯と和解の演出、深刻さに埋没しない監督の美意識、そしてたった2時間弱で人生をきっちり語る手腕。
とりわけラストの暖炉の炎をはさんだ二人の横顔のシーンはこの上なく美しかった。
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