「過酷な世界で己が生存権を掛けて戦う子豚の勇姿を見よ!」ベイブ モアイさんの映画レビュー(感想・評価)
過酷な世界で己が生存権を掛けて戦う子豚の勇姿を見よ!
人生にはただ無心で動物を眺めたい…という衝動に駆られる時というものがあると思うのですが、その時がいよいよ私にも訪れた様です。
ただでさえ低い集中力がカツカツとなり、映画を見ていても見たシーンから直ぐに忘却されていき、物語の前後がまったく繋がらないというメメントの主人公をも凌ぐポンコツ状態に陥ってもなお楽しめる映画―。それが動物映画なのです。
動物映画にも物語やテーマがあるのは分かっています!分かっているのですが、もうぶっちゃけ動物が可愛ければそれでいいじゃないか!!という一点突破の楽しみを見出せるのが動物映画の良いところだと思うのです。そして何より動物園に行った時のあの獣臭さを感じずに、可愛いさだけを堪能できるのが動物映画の最大の利点なのです!
という訳でただひたすらに愛くるしい動物の姿を頭空っぽにして堪能してやろうとチョイスしたのが本作なのですが、この映画の製作と脚本を(他者と共同で)手掛けているのがジョージ・ミラーなのです。そうです。ちょっと前に「マッドマックス:フュリオサ」で映画ファンを沸かせた、かのマッドマックスシリーズのジョージ・ミラーです。本作では監督こそしていないのですが、流石に文明崩壊後の世界を生存本能剥き出しで生きる人間の姿を描いてきた男の息がかかった作品だけあって、単に可愛さだけを堪能してやろうというコチラのアテを外してきます・・・・・・。
ベイブは養豚場で産まれた子豚です。なので本来ならば将来は食肉となり人間様の食卓に並ぶ運命だったのです…。実際にベイブの母は映画開始早々に出荷されていきます。映画の中の豚たちは出荷されるという事は「楽園」へ行くことだと思っており、出荷された豚たちが帰ってこない本当の理由を知りません。(少し前にそんな設定の漫画があった気がしますが…)母が帰ってこない理由に関係なく、単純に母を恋しがり泣くベイブ…。まるでヴィーガニズムの啓蒙のような導入部です。
そんな泣く姿が運よく?人の目に留まったベイブは村祭の懸賞商品として生きたまま出品され、当選したとある農夫の農場へ行くことになります。多種多様な動物が暮らす農場。そこは日々の糧(餌)を保証された動物たちにとって安寧の楽園かと思いきや、ご主人(農夫)にとってどんな益をもたらすかで序列が決まる超能力主義の世界だったのです。
しかもその能力というのが各動物が生来持っている種族的な特徴に依存しているため、牛は乳を出し、鶏は時を告げ卵を産み、羊は羊毛を作り出し、犬はご主人の仕事のパートナーであり、猫は人間たちを癒してくれる!というプラスアルファ的な特徴のない豚(ベイブ)やアヒルのような動物は、丸々太って美味しく食べられるという役割しかない世界なのです。
ご主人が生殺与奪の権を握るこの小さく過酷な世界で、疑う事を知らない純粋なベイブは持ち前の優しい心と好奇心、そして好奇心に素直に身をゆだねられる行動力とを持って、世界から与えられた役割を、ご主人や農場の動物たちの先入観や既成概念を覆し、食肉になるだけの運命を大きく変えていくのです。
こちらとしては世間から与えられた役割だとか、より理想的とされる生活の為に努力しなければならないとかいう億劫な現実から目を逸らすために動物映画を見ている訳なので、人に媚びへつらった甘ったるい可愛さだけ見せて…と思いつつも、この世界で生きる為、居場所を確保するためにはやはり頑張らねばならないという世の理を改めて教えられる思いなのでした。
またベイブの奮闘とは直接関係がないもののこの映画には個人的に印象深いシーンがあります。
ご主人には幼い孫娘がおり、クリスマスシーズンに遊びに来るのですが、最初からこの孫娘はご主人の農場へ来ることを嫌がっております。単純に田舎が嫌いなタイプの子なのでしょうが、ご主人はこの孫娘のために手作りの立派なドールハウスを用意しました。
ところが孫娘は手作りのドールハウスを見るなり「これじゃない!テレビでやってるヤツが欲しい!!」と大泣きします。ご主人を含め大人たちはみんな苦笑いです…。
まぁ確かにこちらの好意が受け入れられなかったからと言って子供にヘイトを向けるは違うのでしょうし、私も子供の頃は工場で大量生産された既製品が大好きな子供だったので、直情的には「このク○ガキッ!」とは思うのですが、そういう事もあるよね…と、この子もいずれは他人が自分のために何かをしてくれる事の特別さを理解するようになるだろうと期待して、生温かく見守るしかないという「魔女の宅急便」(89年)の例のニシンパイと双璧を成す、見ていて居心地の悪くなるシーンなのです。
また続編である「ベイブ/都会へ行く」(98年)ではジョージ・ミラー自身が満を持して監督を務めているため、マッドマックスシリーズに通じる様な神話的物語が見られます。マッドマックスシリーズが好きな方にはこちらもおすすめの1本です。
すっかり当初の目的である動物の可愛らしさが他所になってしまいましたが、動物はもう文句なしに可愛いです!ただ本当に可愛いのでうっかりヴィーガンになってしまう可能性があるため、その点は気を付けて鑑賞したい作品です。
おはようございます。
共感とコメントありがとうございます。
日本って本当に寒暖差が大きいですね。
北海道の家は半数位はボイラーの集中暖房だと思います。
洗面台と洗濯機の横にありますよ。
今は小さくなって55×55に奥行き25センチでした。
それに煙突が付いてて、灯油で温めています。
各部屋にパネルのようなのがあってそこが熱くなるんです。
北海道は灯油代と電気代で生活するのが、本当にしんどいです。
楽天も強くてすごいですね。
今江監督ってロッテの時に下剋上日本一の立役者ですよね。
そのしぶとさが選手に乗り移ってますよね。
お互いに疲れますね。
一つ勝つのが本当に大変ですね。
3、4位争いも熾烈ですね。
ロッテも楽天もどっちも怖いです。
去年を思うと、今頃は消化試合だったから、夢のようですけど。
黒柳徹子さん。
昔は本当に綺麗でかわいかったですね。ご本人が語ったことなので、本当だと思います。
太らない体質の人っていますよね。
これからがそちらの地方は身軽に食やドライブや色々楽しめそうですね。
それではまた。
こんにちは
「終わりに見た街」今さっき観ました。
とても良かったです。ラストはちょっとブラックで
衝撃的でしたね。三田佳子さんが隠し玉的で、
、宮藤官九郎さんのエッセイ読んでみたら、山田太一さんは戦中派。
それで体験者として母親・三田佳子のポジションは唯一、体験者で、
日記とか記憶とかが、面白く料理されてましたね。
子供たちがあっさり洗脳されるところとか、環境って恐ろしいですね
観て良かったです。ありがとうございます。
もう朝晩エアコン暖房してます。
最低が10度、最高気温が20度位です。
最低か一桁になったら、ボイラーの出番です、いよいよ。
私も冬は映画館へはなかなか行けない思いますよ。
「夏目アラタ」にありがとうございます。
予告編の強烈な印象に負けて観て来ました。
近い映画館です。
内容のせいか、若い人が多くて 、なんか変な熱が観客にありました。
「メメント」もありがとうございます。なんか忘れそうなので細かく書きましたが、間違ってるかもしれません。
DVDの特典映像で、ネタバレの順撮りを観たら、の凄くつまんなかったんですか(笑)
ノーラン監督は絶対に嘘はつかないとか読んだことがあります。
「インターステラー」の一般相対性理論も科学的裏付けが
あるそうですね。
「ベイブ」も読ませて頂きましたが、「魔女の宅急便」や
「メメント」それに「マッドマックス:フュリオサ」にも言及した
深い批評精神を感じました。
それにしても関東・関西・九州と、日本は広いですね。
朝晩は少し涼しくなって来たご様子ですね。
それではまた。