「アニー・ローリー」ブルックリン横丁 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
アニー・ローリー
舞台演出家として評価されたカザン監督の
1945年の映画デビュー作品
原作はドイツ系のベティ・スミスの小説
20世紀初頭にブルックリンで暮らす
アイルランド移民2世の家庭と
そこの娘フランシー・ノーランの成長が描かれる
(原作者自身の姿が投影されている模様)
カザンもギリシャ移民の子供で苦労したようだが
彼やスミスのアイルランド系への見方
(歴史や文化、暮らしぶり)も感じられて面白かった
新世界へ夢をつないだアイルランド移民の現実
(底辺からのスタート)とそれが引き起こす亀裂
大陸横断鉄道の建設に従事したことは有名で
I've been working on the railroad
なんて歌い飛ばすしかなかった境遇が
父親の姿に重なります
ラストは学校を卒業した
はしっこく こましゃくれた子供たちが
新しい命とともに
次のステージに移ったことを暗示していました
俳優たちが皆、いい感じでしたが
ほんとにアル中だったジェームズ・ダンの演技が
やっぱり真に迫っていて
その傷つきやすさと痛みが感じられました
リアリティのある映像の中に
監督の骨太なメッセージと力量が感じられます
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