「最低の映画・金の七面鳥賞を受賞」プラン9・フロム・アウタースペース odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
最低の映画・金の七面鳥賞を受賞
アメリカの映画評論家のメドベド兄弟が著作の批評本の読者投票で最低の映画賞を本作に授与、そうまで貶されると怖いもの見たさで興味が湧くというものでしょう・・。
今では定番となった空飛ぶ円盤ですが、アメリカのパルプ雑誌のイラストレーター、フランク・R・パウロさんが1929年に描いたのが最初と言われています、1947年のケネス・アーノルド氏のUFO遭遇事件以降、「地球が静止する日(1951)」、「宇宙戦争(1953)」、「宇宙水爆戦(1955)」、「世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す(1956)」、「禁断の惑星(1956)」と円盤の出てくる映画が目白押し、本作もそんな流れに便乗した円盤ものですが古典ホラーの名優に固執するあまり墓地を舞台にゾンビが徘徊する怪奇映画になってしまいました。
飛行機の操縦桿すら作れないほどの予算不足ですから円盤などもっての外、セットも紙芝居並みですし、脚本、演出、照明、撮影、編集にいたるまで全てが粗雑、ホラーに至っては最早コメディかと目を疑うありさまでは最低の映画と称されるのも納得せざるを得ませんね。
亡くなったベラ・ルゴシさんへの追悼が製作の動機の一つとすれば、もう少し見せ場が欲しかった。妻(バンパイラ)の死を嘆いて亡くなった老人(ベラ・ルゴシ)という設定なのですからゾンビで蘇った二人が泣かせる絡み方くらい入れても良かったでしょう。
もっとも、そんな気遣いができるくらいなら普通の低予算B級映画に落ち着いており、最低映画の称号を得てはいなかったでしょうね。
星無しが本作への最高の賞賛なのでしょうが兵器競争に対するシニカルな宇宙人からのメッセージはいたってまともでしたし、プラン9がゾンビ計画とすればプラン1~8までは何だったのかと興味も湧きましたので星一つと致しました。