「スパイスの足りないマサラムービー」フラッシュダンス つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
スパイスの足りないマサラムービー
すごく昔に一度観たことがあったが、本当に観たのか自信がなくなるほど何も覚えてなかった。
妻が未視聴だったので今回一緒に観ることにしたのだが、何も覚えてなかった理由は何となくわかった。
一応、ショービズ界での成功を夢見る若者たちの青春ラブロマンス作品ってことになるだろうが、中身は長いミュージックビデオのようなもので、内容なんてあってないようなものだった。
制作のジェリー・ブラッカイマーは商業主義の爆発大好きなしょうもない人で、私はそんなに好きではない(実際はヒットメーカーで、観る価値のない駄作も少ない有能な人)
ただ単純に「楽しめる」作品を追及しているだけなんだ。
そんなブラッカイマーの原点みたいな、その時の「楽しさ」だけを追及したのが本作。
本当は、音楽にほとんど興味がない私には「楽しく」なかったのだけれど、この作品が好きな人や、結構ヒットしたことは理解できる。
映画は光と音の総合芸術だと誰かが言った。その観点で考えればストーリーなんてないに等しい歌とダンスだけのこの作品も何一つ間違ってない。
最近はストーリーがー、ストーリーがーと騒ぐ人が多い。自分も子どものときはそう思っていたから理解はできるけど、ストーリーなんて何となくあればいいんだよ。
大事なのは伝えたい内容と、それを伝える方法なんだ。
それで本作は「楽しさ」をミュージックビデオ風にというわけだ。
80年代の能天気さが全開でバカらしい作品だなと思う一方で、これをヒットさせた当時の人たちは大人だなとも思うのです。
余談
最初、ミュージカルっぽいんだなと思ったが少ししてインド映画と同じだと気付いた。
インド映画は好きだけど、本作は面白くなかった。
やっぱり笑えるコミカルさや、突き抜けたハチャメチャさは大事だなと思った。
