ブラック・ライダー(1972)のレビュー・感想・評価
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『全力で闘い続けるのよ、それしか道はないの。』
ラザフォード牧師の演技が奇抜で強烈で、彼が出てくるシーンだけは覚えていた。
なんだかんだで黒人開拓者側につく牧師は最後まで、闘った。
法的には解放されながらも、根強い奴隷意識が残っていた時代、
この映画は、危険があるとも新天地を目指した先祖たちを忘れるなという、
黒人へのメッセージなのだろうか。
厳しい旅
シドニーポワチエ扮するバックは、解放された奴隷を西部へ送る案内人をしていたため命を狙われていた。しかし、バックもハリーベラフォンテ扮するラザフォード牧師の馬を盗んでいた。行きがかり上、ふたりは一緒に行動する事になった。
案内人の重要な仕事は先住民との通行料交渉だ。その上で追っ手がかかるは厳しい旅だね。
へえー
こういうお話もあったんだ。
まだアメリカで偏見と差別は実態として残っていた70年代。この映画は解放された黒人たちと、アメリカ原住民、虐げられた人たちが主役。いつも悪役や敵役にされがちな人たちが自分たちの生活を守るだけ。
シドニー・ポワチエの戦う姿勢に変わりがない。この姿勢に拍手したい。
ブラック・パイオニア
南北戦争後、西部に新天地を求める黒人たち。
元北軍軍曹の案内人。
旅に同行する事になった牧師。
ジャンル的には西部劇ではあるが、言わば“ブラック・ウエスタン”。
話の中枢となる登場人物が皆、黒人。
白人が主人公で善玉、黒人が悪玉など粗末に扱われる事が多い西部劇に於いて、同じく敵役として描かれる事の多いインディアンとの関係も絡め、人種差別の偏見や暴力など現在にも通じる問題を浮き彫りにしている。
勿論、馬に乗って荒野を駆けたり、派手なガンファイトなど西部劇としての見せ場や醍醐味もそつなく。
黒人スターのパイオニア、シドニー・ポワチエの初監督作。
主演も兼任し、飄々とした牧師役で存在感を発揮するバリー・ベラフォンテとのやり取りはコミカルな要素を滲ませる。
本作のポワチエの真面目な役柄を見ていたら、後の黒人スターの代表格、デンゼル・ワシントンを思わずにいられない。いや、デンゼルがポワチエを彷彿させると言った方が正しい。
改めて、ハリウッドに於ける黒人俳優の偉大なパイオニアであると痛感。
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