「映画と偏見」プライベート・ライアン ハットコックさんの映画レビュー(感想・評価)
映画と偏見
『シンドラーのリスト』でさえ泣かなかったのに、本作のエンドロール中ずっと号泣している自分がいました。ただ行方不明の兵士を探す"だけ"の物語なのにも関わらず、なぜこんなにも感動してしまったのか理由が分かりません。少し考えてみることにします。
多くの命を犠牲にしながらも成功した「ノルマンディー上陸作戦」。冒頭の銃撃戦の悲惨さといったら、もう半端じゃないです。死ぬ間際の兵士が発する言葉は、「ママ!ママ!」…これですよ。家族との永遠の別れです。私たちは、その"悲惨な最期"を何度も観せられるのです。
だからこそ、ライアンを探すことはとても重要な任務なのです。"家族のもとへ帰す"過程の一つひとつが、とても重く感じるのです。そしてそれに赤の他人である兵士たちが、命をかけて挑む。これこそが感動の要因であり、本作のテーマなのではないのでしょうか。
戦争映画には"偏見"が付き物です。こんな風に描かれたら、ナチスが嫌いになります。もちろんドイツも。これは父の体験談ですが、父も映画の影響で、昔はドイツが嫌いで行くのが怖かったらしいです。しかし実際に行ってみたら、とても素晴らしい所だったと…
映画がもつ影響力は計り知れません。
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