「リアルが故の大迫力。」プライベート・ライアン P.N.映画大好きっ子さんさんの映画レビュー(感想・評価)
リアルが故の大迫力。
皆さんの言う通り冒頭のノルマンディ上陸作戦成功までの
20分は衝撃的な内容。
戦争の惨さをこれでもかというほどリアルに映されていて
私が思い浮かべる戦争のイメージが変わった。
それだけでも見て良かった。
この作品は後世が例え現在より平和になったとしても
残していきたいものである。
170分という時間も必要だったかはさておき、
短く感じるほど物語は充実している。
内容は第二次世界大戦、米vs独のノルマンディ上陸作戦
であるが、メインは3兄弟が戦死し、まだ生死が判明して
いない第101空挺師団のジェームズライアンを
夫人の元に還すことである。
本来、戦場で行方不明の1人のために1中隊が動くかは
置いといて急遽ドイツ語が堪能なアパムを兵に引き入れ
救出へと向かう。
このアパム視点が現代人から見た戦争だろう。
登場人物の中で唯一逃げ腰で戦争に対しての
恐怖心が手に取るようにわかる。
最終的には憎しみから人が撃てるまでに成長することになるが…
物語の結末としてはライアンがこれまで戦った仲間を
捨て置いて自分だけ帰還できないといういわゆる我儘から
救出班はライベン以外全員戦死を遂げることになる、
何とも納得いかないエンドだが、
戦争の悲惨さ、恐怖を人に植え付けるには十分だろう。
ライアンと戦争素人アパムが生き残ったのは唯一救い。
クライマックスでアパムは覚醒するがあの時
「アパム!」と叫んだのは、助けた独兵だった。
結局ライベンの言った通りの結末になるとは…
何とも皮肉なもので戦場に慈悲を持ち込むなということか。
グロさとしては人の臓器や肉片が飛び散るなど、
派手な演出はあれど、個人的にはそこまで酷くないように
感じた。食事中でも全然余裕な程度なので、
余程苦手な人でない限りは是非見てほしい一本。