フライド・グリーン・トマト

劇場公開日:1992年6月6日

解説

20~50年代のアラバマ州、フライド・グリーン・トマトを名物料理に賑わうカフェを切り盛りする2人の女性をめぐる出来事を、現代のジョージア州の老人ホームで、老女が中年女性に語って聞かせるという形で描く人間ドラマ。製作・監督はこれが劇場映画デビューとなるジョン・アヴネット、共同製作はジョーダン・カーナー、エグゼクティヴ・プロデューサーはノーマン・ベアー、ファニー・フラッグの原作を基に、彼とキャロル・ソビエスキーが脚色、撮影は「グリーン・カード」のジェフリー・シンプソン、音楽は「ネイキッド・タンゴ」のトーマス・ニューマンが担当。

1991年製作/アメリカ
原題または英題:Fried Green Tomatoes
配給:アスキー映画
劇場公開日:1992年6月6日

あらすじ

エヴリン・カウチ(キャシー・ベイツ)は40代の太りぎみの専業主婦。夫のエド(ゲイラード・サーティン)は彼女よりもテレビに夢中で夫婦仲は倦怠期そのもの。エヴリンは自己啓発セミナーに通ったりして何とかしようとしていたが効果がなく、殆どチョコレート中毒で情けない毎日を送っていた。ある日エヴリンは夫と出かけたローズヒル・ホームで、そこに暮らす老女ニニー・スレッドグッド(ジェシカ・タンディ)と出会う。彼女が始めた昔話は不思議に魅力的で、エヴリンはニニーの話を聞きに頻繁にホームを訪れるようになる。その物語は今から50年も前のアラバマ州。まるで男の子のような少女イジー・スレッドグッド(メアリー・スチュアート・マスターソン)は、大好きな兄バディの突然の事故死によって、心を堅く閉ざしていた。そのイジーに唯一近づき、心を開いてくれたのはバディのガールフレンドだったルース(メアリー・ルイーズ・パーカー)。愛する者を失った傷を共有する2人は、お互いになくてはならない存在になっていた。やがてルースは結婚するが、夫フランクは彼女に暴力をふるい、イジーは身重のルースを婚家から連れ帰る。2人は大衆食堂ホイッスル・ストップ・カフェを開店、明るく気丈なイジーと女らしく心優しいルースの人柄で、店は繁盛する。そこへフランクが「子供に会わせろ」と押しかけてくる。だが村祭りの夜、フランクは車ごと姿を消し、イジーは犯人として裁判にかけられるが、無罪となり、事件は迷宮入り。まるで夫婦のように助け合って暮らすイジーとルースと仲間たち、皆に見とられてルースはわが子を気づかいながら、眠るように息を引き取る。そんな物語を聞くうち、エヴリンは触発され、生きる意味を見つけ出し、夫もエブリンを見直し始める。やがてニニーがホームを出た日、エヴリンは一緒に暮らそうとニニーを迎えにいき、ニニーはルースの夫は召使のシプシー(シシリー・タイソン)が皆を守るために殺してしまったこと、そしてイジーは実はニニー自身であることを、いたずらっぽい目をしてそっと打ちあけたのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第49回 ゴールデングローブ賞(1992年)

ノミネート

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) キャシー・ベイツ
最優秀助演女優賞 ジェシカ・タンディ
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映画レビュー

4.5 魅力的な女性たちを演じる魅力的な女優たち

2025年10月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

癒される

カワイイ

平凡な主婦(キャシー・ベイツ)が出会った魅力的な老女(ジェシカ・タンディ)が語る、数十年前(1920~50年代)の厳しい時代を生きる米国南部の女性たち(メアリー・スチュアート・マスターソンとメアリー・ルイーズ・パーカー)の深い友情の物語と、その物語を聞くことによって夫との関係や冴えない人生が再生されていく主婦の姿を描いている。

メアリー・スチュアート・マスターソンが主演の1人だから観た映画だが、4人の主演女優がいずれも素晴らしい。個人的にはやはり少年のような女性を演じるマスターソンが特にハマり役で、こういう役を演じさせたら彼女の右に出る女優はいないと思う。とても良かった。

なお原作ではマスターソンとパーカーが演じてる女性は同性愛的な関係にあるらしいが、映画ではそのような描写は描かれていない。確かにマスターソン演じる女性に全く男の影がないのがちょっと不思議というか不自然に感じたんだけど、そういうわけだったのね。

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共感した! 3件)
バラージ

4.0 いつも心にトゥワンダを!

2025年9月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

全体的にコメディテイストだが、内実は中々にブラックでヘビー。なのに、ノスタルジックな風景とちょっぴり謎めいた展開でそれが中和されて、観終わると不思議な温かみが残る。

違国日記をコミックで読んだ時から、いつか観たいと思っていたので、「“…and I love her. ”の場面はここだったのか」と思ったが、想像していたよりloveの意味は薄め(友愛よりに取れる)なんだなとも思った。

これを言っても、重大なネタバレにはならないと思うので、普通に書くが、「トゥワンダ!」が、超爽快だった。(特にスーパーの場面!)
今後、モヤモヤ、イライラしたときは、心の中でトゥワンダを叫ぶことにする。

ところで、KKKが出てくる映画を久しぶりに観たが、SNS上でヘイト投稿をする人々やそれに群がる人々って、白いシーツをネットの匿名性に置き換えただけで、構造は同じだよなと思ったら、ため息が出た。

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共感した! 3件)
sow_miya

4.0 【“トゥワンダ!”今作は、女性、黒人蔑視時代に偏見無く、自由に生きた女性の物語が、現代に鬱々と生きる女性の生き方を徐々に変えていく様を描いたヒューマンドラマである。】

2025年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■夫婦仲が倦怠期そのもので、自らも太っている事に引け目を負う主婦・エヴリン(キャシー・ベイツ)。
 ある日、夫婦で出掛けた老人ホームで元気な老女・ニニー・スレッドウッド(ジェシカ・タンディ)と出会う。彼女が話す若き時の昔話は魅力的で、エブリンは次第に引き込まれ面会日を楽しみにするとともに、彼女自身の生き方も変えていくのである。
 ニニーが話すのは、50年前、2人の女性イジー(メアリー・スチュアート・マスターソン)と、ルース(メアリー=ルイーズ・パーカー)とその人種を越えた仲間達との物語だった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・物語は、現代と50年前のアメリカと並行して描かれる。50年前。イジーは大好きだった兄を、列車事故で亡くしてから、家にも帰らずにホーボーの様な生活をしていた。だが、彼女には人種偏見は無く、恵まれない人に列車に積んである荷を分けて上げる生き方をしていた。

・彼女の有人になった良い家の出のルースは、最初は彼女に馴染めずにいたが、徐々に自由だが、芯のある生き方をするイジーに惹かれ、二人は親友となって行くのである。

・ルースが結婚した相手のフランクが差別主義者でルースにも手を上げる男だと分かった時に、二人で家を出るシーンや、彼が二人を追って来た時に起こった出来事なども、この物語に厚みを持たせている。
 特に、殺人容疑で捕まったイジーと仲の良かった黒人、ビッグ・ジョージの裁判で、厳格な神父が”二人は無罪である!””と裁判官に”白鯨”に手を置きながら説明するシーンなどは、大変に良い。

・そんな、イジーの話を聞いたエヴリンは自分の生き方を見直し、夫にもその姿を見せて二人の関係性は改善されるのである。

<そして、ニニー・スレッドウッドが一時的に家に戻った時に、彼女の家は老朽化の為に壊されていてないのである。
 だが、エヴリンはにこやかに、彼女の手を取り、改造した自分の家に連れて行くのである。そう、ニニー・スレッドウッドこそが、イジーだったからである。
 今作は、女性、黒人蔑視時代に偏見無く、自由に生きた女性の物語が、現代に鬱々と生きる女性の生き方を変えるヒューマンドラマなのである。>

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共感した! 7件)
NOBU

4.5 フライド・グリーン・トマトが食べたい‼️

2025年9月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

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活動写真愛好家