フューネラル

劇場公開日:

解説

マフィア三兄弟の三男の葬式をめぐり、兄弟がたどる“血”の宿命の悲劇を描いたシリアス・ドラマ。監督は「バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト」「アディクション」のニューヨーク・インディーズ派の鬼才アベル・フェラーラ。製作は「バッド・ルーテナント」のメアリー・ケーン、製作総指揮はマイケル・チェンバーズとパトリック・パンツァレラ。アソシエイト・プロデューサーは「アディクション」のラッセル・シモンズと同作に続いて本作でもヒロインもつとめるアナベラ・シオラ、ジェイ・キャノルドの共同。共同製作はランドール・サブサワ。脚本のニコラス・セント・ジョン、撮影のケン・ケルシュ、音楽のジョー・デリアはデビュー作以来フェラーラを支えてきた常連スタッフ。美術はチャールズ・M・ラゴーラ、編集は「アディクション」のメイイン・ロ、ビル・パンコウの共同、衣裳は「アディクション」のメリンダ・エセルマン。出演は「キング・オブ・ニューヨーク」「アディクション」でフェラーラと組んだクリストファー・ウォーケン、「トゥルー・ロマンス」のクリス・ペン、「グッドフェローズ」のヴィンセント・ギャロ、「最高の恋人」「アディクション」のアナベラ・シオラ、「シェフとギャルソン,リストランテの夜」のイザベラ・ロッセリーニ、「ユージュアル・サスペクツ」のベニチオ・デル・トロほか。96年ヴェネチア映画祭助演男優賞受賞(クリス・ペン)。

1996年製作/99分/アメリカ
原題または英題:The Funeral
配給:ギャガ・コミュニケーションズ=ヒューマックス・ピクチャーズ
劇場公開日:1997年5月24日

ストーリー

30年代半ば。ニューヨーク近郊の閑静な住宅地。三兄弟が仕切るマフィアのテンピオ一家の三男ジョニー(ヴィンセント・ギャロ)が22歳の若さで何者かに殺され、三日に及ぶ葬式が行われようとしていた。通夜。ファミリーの頭目、長男レイ(クリストファー・ウォーケン)は妻ジーン(アナベラ・シオラ)の制止にも耳を貸さず報復を決意、手下に犯人探しを命じる。自殺した父親の血を受け継いで神経を病む次男のチェズ(クリス・ペン)は、怒りと悲しみのあまり車で外へ飛び出していく。チェズの妻クララ(イザベラ・ロッセリーニ)はそんな彼の凶暴さに脅えて暮らす日々だった。二日目。女たちの不安をよそに、兄弟は問題児だったが愛すべき弟だったジョニーに思いをはせる。ファミリーは労働争議にからんでスト潰しで利益をあげており、ガスパー(ベニチオ・デル・トロ)という男と対立した。ガスパーはチェズの経営するもぐり酒場でジョニーの相棒と喧嘩し、相手を刺し殺したこともあったうえ、ジョニーは彼の妻ブリジットと不倫してもいた。夜。いちばんの容疑者として連れてこられたガスパーを、レイは斧を手にして脅しつけて訊問。それでも動じないガスパー。レイは彼が犯人ではないと確信すると解放したが、その後で暗殺を命じた。直後。ジョニーを殺したというチンピラが見つかった。チンピラは「ジョニーが自分の恋人をレイプしたから殺した」と語る。レイはひとりでチンピラを車で連れ出し、チンピラが実はジョニーにバカにされたというだけで彼を殺したと聞くと、彼を射殺した。三日目。朝。レイはチェズに犯人が見つかったと告げる。チンピラの死体を埋めたチェズは、帰って来るなり二人の手下を射殺し、現れたレイの胸を撃ち、ジョニーの棺のかたわらで銃を食わえて自殺した。三兄弟はかくして死を迎えた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第53回 ベネチア国際映画祭(1996年)

受賞

ボルピ杯(最優秀助演男優賞) クリス・ペン
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映画レビュー

3.0禁酒法時代のマフィアもの

2019年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 1930年代のギャング。彼等が労働者の味方という印象を受ける。女と殺しと労働争議、アナーキスト、コミュニスト、今までのマフィアと違った一面が見えて面白い。  終盤にチェズ(クリス・ペン)の顔から険が取れて穏やかな表情になったのが、衝撃のラストへと繋がる様に震えがきた。ゾクゾク。

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kossy