「嘘つき宇宙人と嘘つきニコ生配信者の、あまりによく似た親和性。」不思議惑星キン・ザ・ザ ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)
嘘つき宇宙人と嘘つきニコ生配信者の、あまりによく似た親和性。
タイトル通りの不思議なSF映画。
頭の中でまとまっていないし、さして感想も思い浮かばないシュールさだったし、
政治風刺的な考察をするのも、自分の中ではピンと来ないし、
そもそもソ連という国はもう存在していないわけだから、
そういう感想は野暮な話だと思うのだ。
印象的だった場面だけを振り返ってみる。
3点ほど抽出し触れときたい場面があった。
1つ目は、主人公達が辿り着いた惑星プリュクの住民が、
総じて自己チューで、嘘つきで、狡猾な奴等しかいない事。
なんだか15年前くらいの、ニコニコ生放送の配信者みたいな宇宙人しかいなくて笑った。
嫌な星だなぁ、ココ。
ウナちゃんマンと唯我みたいな奴しかいね〜じゃん。
この2人は「息を吐くように嘘をつく」と称された、レジェンドクズ配信者だったけど、
前者は溶けて孤独死だったし、
後者はスーツケースに詰められて多摩川に投げ捨てられ、
遺体発見された時はニュースにもなった。
この映画の中にもウェフとビーってオジサンがクズ宇宙人で、
主人公達地球人を、騙したり、見捨てて逃亡したりする、
鬼畜の所業をかます酷い二人。
劇中2回ほど死にかけるんだけど、
1回目は処罰されて棺桶みたいなとこに詰め込まれ監禁されてたし、
2回目は植物にさせられちゃうし、
クズ配信者もクズ宇宙人も、似たような末路を辿る「共通点」というか「親和性」にビックリした。
まるで、宇宙の真理を垣間見た気分だ。
2つ目は、惑星プリュクには、チャトル人とパッツ人という人種のような身分制度があり、
加えて、エツィロップという階級優位の支配者階級が存在しているのだが、
先ほどのウェフとビーのクズオジサン達は、地球人には偉そうに振舞うのに、
エツィロップの前では、滑稽でヘンテコな挨拶をするのだ。
これもまたニコ生で見た既視感のある光景で、
ウナちゃんマンがスカイプで、ピッケルを持ちながら罵倒煽りした喧嘩相手が激昂し、
自宅にバールを持って押しかけ、ドアをぶん殴り倒し破壊する事件があった時に、
それまで粋がっていたウナちゃんマンが、
恐怖に慄き敬語で謝り倒す滑稽な姿を露見した光景と、ウリふたつだったのだ。
そのヘタレ姿まで似すぎてて親和性がある。
3つ目は、宇宙に飛ばされた地球人2人が、地球に戻るために、悪戦苦闘するのだけど、
まあこの星では色々とあって、
最終的には、何が何だかよくわかんないまま、
解決的な方向に進んだんだがどうなんだが、本当によくわからないんだけど、
最後の最後の本当に最後の所だけ、
「エターナル・サンシャイン」じゃね〜か的な終わり方をしたのだけは、はっきりと感じた。
なので、大して面白かったわけでもないのに、ラストで妙な余韻があったのは、
エターナル・サンシャインと同じだからかなと思った。
あの映画も、賞レース的には評価されてるけど、娯楽作品として冷静に見たら、
変なストーリーだし大して面白くないもんね。