劇場公開日 2021年5月14日

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「嘘つき宇宙人と嘘つきニコ生配信者の、あまりによく似た親和性。」不思議惑星キン・ザ・ザ ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5嘘つき宇宙人と嘘つきニコ生配信者の、あまりによく似た親和性。

2025年4月27日
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鑑賞方法:VOD

難しい

タイトル通りの不思議なSF映画。
頭の中でまとまっていないし、さして感想も思い浮かばないシュールさだったし、
政治風刺的な考察をするのも、自分の中ではピンと来ないし、
そもそもソ連という国はもう存在していないわけだから、
そういう感想は野暮な話だと思うのだ。

印象的だった場面だけを振り返ってみる。
3点ほど抽出し触れときたい場面があった。

1つ目は、主人公達が辿り着いた惑星プリュクの住民が、
総じて自己チューで、嘘つきで、狡猾な奴等しかいない事。

なんだか15年前くらいの、ニコニコ生放送の配信者みたいな宇宙人しかいなくて笑った。

嫌な星だなぁ、ココ。
ウナちゃんマンと唯我みたいな奴しかいね〜じゃん。

この2人は「息を吐くように嘘をつく」と称された、レジェンドクズ配信者だったけど、
前者は溶けて孤独死だったし、
後者はスーツケースに詰められて多摩川に投げ捨てられ、
遺体発見された時はニュースにもなった。

この映画の中にもウェフとビーってオジサンがクズ宇宙人で、
主人公達地球人を、騙したり、見捨てて逃亡したりする、
鬼畜の所業をかます酷い二人。

劇中2回ほど死にかけるんだけど、
1回目は処罰されて棺桶みたいなとこに詰め込まれ監禁されてたし、
2回目は植物にさせられちゃうし、
クズ配信者もクズ宇宙人も、似たような末路を辿る「共通点」というか「親和性」にビックリした。
まるで、宇宙の真理を垣間見た気分だ。

2つ目は、惑星プリュクには、チャトル人とパッツ人という人種のような身分制度があり、
加えて、エツィロップという階級優位の支配者階級が存在しているのだが、
先ほどのウェフとビーのクズオジサン達は、地球人には偉そうに振舞うのに、
エツィロップの前では、滑稽でヘンテコな挨拶をするのだ。

これもまたニコ生で見た既視感のある光景で、
ウナちゃんマンがスカイプで、ピッケルを持ちながら罵倒煽りした喧嘩相手が激昂し、
自宅にバールを持って押しかけ、ドアをぶん殴り倒し破壊する事件があった時に、
それまで粋がっていたウナちゃんマンが、
恐怖に慄き敬語で謝り倒す滑稽な姿を露見した光景と、ウリふたつだったのだ。
そのヘタレ姿まで似すぎてて親和性がある。

3つ目は、宇宙に飛ばされた地球人2人が、地球に戻るために、悪戦苦闘するのだけど、
まあこの星では色々とあって、
最終的には、何が何だかよくわかんないまま、
解決的な方向に進んだんだがどうなんだが、本当によくわからないんだけど、
最後の最後の本当に最後の所だけ、
「エターナル・サンシャイン」じゃね〜か的な終わり方をしたのだけは、はっきりと感じた。

なので、大して面白かったわけでもないのに、ラストで妙な余韻があったのは、
エターナル・サンシャインと同じだからかなと思った。
あの映画も、賞レース的には評価されてるけど、娯楽作品として冷静に見たら、
変なストーリーだし大して面白くないもんね。

ソビエト蓮舫
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