「人生の"意味"についての知見を得られる作品」フォレスト・ガンプ 一期一会 frepさんの映画レビュー(感想・評価)
人生の"意味"についての知見を得られる作品
前評判が非常に良かったので鑑賞してみました。
ですが、見た直後の感想は「割と普通・・・感動シーンもなんだか平凡・・・」という、ある意味落胆するような内容に感じました。
ただ、2時間という長さを飽きずに観られるだけの面白い展開ではありました。
しかし、スタッフロールの時に内容を振り返ってこの映画の何が良かったんだろうか…何を伝えたかったのだろうか… と考えているうちに
作中で、風に揺蕩うように、意味など考えずにただただ生きて、己の気持ちに正直に動いていただけのフォレストガンプの行動に対して
勝手に主義主張・意味を見出したり、期待していた愚かな(?)民衆と、自分が同じ目線になっていたことに気づきました。
作中では何度も、というより、もはや常に「運命」「生死」「主義」「思想」「愛」「欲望」という人間がまさに「意味」を求めるような展開がされていました。
そして登場人物ほぼ全員が、それらに自分なりの信条を持って動いていました。
フォレストガンプを除いて・・・
フォレストガンプは知能が低いが故、意味などは考えず(考えられず)に言われるがまま、そして思うがままに行動して、あまりに純粋で無垢な視点から、豊富な景色と経験、そして本当の愛を得ました。
一方で、人生や概念に意味を求める大衆は他人や祖先といった自分以外の思想に同調して生きて、死んでいきました。
(フォレストガンプとジェニーの生活をそれぞれ対比として表現していたのは見事でした)
そして最後にはフォレストガンプの人生のように、風に揺蕩う羽が、運命に導かれるようにフォレストガンプの足元に戻ってきてEND
これらを通じて私が感じたのは、人生なんて風に揺蕩う羽のようなもので、そしてチョコレート箱を開けるようなものという母の言葉通り
人生や何かに対して、執拗に意味を求めるということは、人生の美しさを喪失させるもので
目の前にある”今”と言う時間を謳歌するのことこそが、在るべき人生の過ごし方なんじゃないか
と感じました。
その感想を元に本作を改めて振り返ると、まさに人生の教本にしたいような、そんな素晴らしい映画でした。