「アメリカ人向けの自己満映画?」フォレスト・ガンプ 一期一会 よこしんさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ人向けの自己満映画?
ガンプが知的障害者だから、という理由で彼に降りかかる悩みや苦悩を薄っぺらくして誤魔化している作品に思えた。
ジェニーの生きざまに同情の余地はあり、自己肯定出来ない故の放浪を続けるという点は理解できなくもない。
だが、最終的に彼女が罹患した病気は恐らくエイズであろうことをかんがえると、自分をけして裏切らないガンプのもとへ帰って来たものの、彼女は最後に利用できる存在としてガンプを選んだだけで、そこに愛はないのではないかと。
ガンプの愛は純粋だが、それは複雑な背景に思慮が及ばない障害者だからこそ彼がこだわりを持ち続けていたのではないか。
アメリカの歴史に沿ってひたむきであり続けたガンプは人生の成功を得るが、それはアメリカンドリームに共感できるアメリカ人だからこそ理屈抜きのカタルシスを得られるものであり、彼が拠り所とするジェニーの愛は虚構だとすると何とも残酷ではないか。
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