フォーリング・ダウンのレビュー・感想・評価
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【”家に帰るんだ、邪魔をしないでくれ。と銃を持つ男は言った。”今作は真面目に働いて来た男が突然馘首され、様々な理不尽な事に怒りを炸裂させて行く哀しきサスペンススリラーである。】
<Caution!内容に触れています。>
■その白シャツにネクタイを締めた男(マイケル・ダグラス)は、工事渋滞の中、エアコンの効かない車から降りて家に歩き始める。
男は、韓国系の雑貨屋で家に電話を掛けるための小銭を作るためにコーラを買うが、法外な値段を言われ激怒し、店中の品をバットで壊しまくる。
男は、レイシストの男が経営する軍放出品の店で、ゲイのカップルを馬鹿にする店主を銃撃する。
男は、コーラを飲もうと一休みしていると、いちゃもんを付けて来た黒人のチンピラをバットで殴り付ける。
男は、黒人のチンピラが報復で彼を銃撃してきた時に、チンピラの銃が多数入ったバッグを取り、チンピラの脚を撃ってその場を去る。
男は、ハンバーガー屋で朝食セットを頼むが、11時30分を数分越えていたために、断られ、ニッコリと営業スマイルでランチセットを勧めて来た女店員と店長を見て、銃を間違えて乱射する。
男は、歩いて行くと道路工事に出会い、進めなくなる。男は”これは道のどこが悪いんだ。少し前にも工事をしていたが。どうせ、予算を使い切るための無駄な工事だろ。”と言い、バッグの中からバズーカ砲を取り出し、黒人の男の子に使い方を聞いて、ぶっ放す。
男は、会員制ゴルフ場を歩いて行くと、有閑金持老人二人が”ここは、会員制ゴルフ場だぞ!”とギャーギャー言うと、ゴルフカートめがけて銃を乱射する。一人の老人はそれを見て心臓発作を起こし、”薬がカートに・・。”というと、カートはコース上の池に落ち男は”そんな恰好で死ぬ気持ちはどうだ。”と冷ややかな目で言う。
■男を止めようとするのは、娘を2歳で突然死で失ったがために、口うるさい妻アマンダから内勤を求められているベテラン警部補プレンダーガスト(ロバート・デュヴァル)である。彼は定年退職の日であり、同僚から揶揄を込めて祝いを受けているが、唯一彼の事を理解しているサンドラ(レイチェル・ティコティン)の協力の元、男が分かれた妻ベス(バーバラ・ハーシー)と娘のアデルを守りに行く。
<男と元妻と娘の思い出の桟橋でのプレンダーガストとの駆け引きシーンはハラハラする。プレンダーガストは言葉巧みに男の銃を奪い対峙するが、男は”ポケットの中にも銃がある。”と言い、止めようとするプレンダーガストの言葉を遮り、ポケットに手を入れ”水鉄砲”を出しプレンダーガストに、射殺されるのである。
今作は、真面目に働いて来た男が突然馘首され、様々な理不尽な事に怒りを炸裂させて行く哀しきサスペンススリラーである。>
バット→ナイフ→マシンガン→バズーカ→水鉄砲
なんだこのデス藁しべ長者は、
うだつの上がらない男がある日ぷっつんして銃ぶっ飛ばす、いわゆるシチュエーションスリラー(コメディ?)を想像していたが、警察側の謎解き要素もあったりして案外しっかり考えられていそうな内容だった
主人公がキレて始まるこの映画、精神状態がだんだんおかしくなっていくと言うより最初から異常者爆発しているのだが、シャツにネクタイのサラリーマン風の外見で目眩ましされている
主役の異常さは全編通して変わらないのに、一見どこにでもいる善良そうな服装をしているだけで無意識にバイアスをかけて見るように出来ている、
前半の不良に絡まれたり、店でぼったくられたり、相手が先に仕掛けてきてるしなあ、と主役の行動をいつの間にか普通の感性寄りに見てしまう自分がいる
また映画全体を通して、コレクションを見せびらかしてくるネオナチの店主ほどあからさまではないにしろ、警察の印象だけで犯人を黒人と断定する所や、街中で演説する不良債務者など、普段自分たちがどれだけパッと見の印象だけで物事を判断しているかを問うシーンがたくさんある
あと、退職するベテラン刑事さんがめちゃくちゃ死亡フラグ立てまくってたのに死ななくてよかった
共感?
離婚して接触を禁じられている元嫁と娘に会いに行く男。
全然進まない交通渋滞、両替してくれない売店、難癖つけてくる若者、融通の利かないバーガーショップ、会員専用のゴルフ場、誰もが経験した事のあるイライラ状態に、気持ちよくブチ切れながら話が進んでいく。
そんな男を追いかけるのは、今日が最後の出勤となる色んな事情を抱えた老刑事。妻や同僚、上司の理不尽な言い分を我慢して受け入れてきた男。よくある対照的な二人のパターンかな。
男のキレ場面がチョット痛快で、ついつい共感しながら観てしまった。
キレろ!
仕事も家庭も失った男が、世の中にはびこる些細な理不尽に対してブチ切れまくります。名前から連想するに、恐らく彼なりにずっと守りに入って生きてきたのでしょう。彼の言い分は異常で過激ですが、庶民の真っ当な声でもあり、垣根を越えて我が道を進む彼の暴力は世直しに見えてきます。
一方彼を追うベテラン刑事は、主人公とは正反対で忍耐と寛容の男。妻、上司、同僚を柔軟に受け流してなだめてやり過ごします。最後はっきり言い返せて良かったですが。
両極端の彼らはいずれも出世できず、社会の成功者とは見なされません。
もっと過激に世直ししてもらえると更に爽快感が増しそうです。
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