フォーリング・ダウンのレビュー・感想・評価
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バット→ナイフ→マシンガン→バズーカ→水鉄砲
なんだこのデス藁しべ長者は、
うだつの上がらない男がある日ぷっつんして銃ぶっ飛ばす、いわゆるシチュエーションスリラー(コメディ?)を想像していたが、警察側の謎解き要素もあったりして案外しっかり考えられていそうな内容だった
主人公がキレて始まるこの映画、精神状態がだんだんおかしくなっていくと言うより最初から異常者爆発しているのだが、シャツにネクタイのサラリーマン風の外見で目眩ましされている
主役の異常さは全編通して変わらないのに、一見どこにでもいる善良そうな服装をしているだけで無意識にバイアスをかけて見るように出来ている、
前半の不良に絡まれたり、店でぼったくられたり、相手が先に仕掛けてきてるしなあ、と主役の行動をいつの間にか普通の感性寄りに見てしまう自分がいる
また映画全体を通して、コレクションを見せびらかしてくるネオナチの店主ほどあからさまではないにしろ、警察の印象だけで犯人を黒人と断定する所や、街中で演説する不良債務者など、普段自分たちがどれだけパッと見の印象だけで物事を判断しているかを問うシーンがたくさんある
あと、退職するベテラン刑事さんがめちゃくちゃ死亡フラグ立てまくってたのに死ななくてよかった
共感?
離婚して接触を禁じられている元嫁と娘に会いに行く男。
全然進まない交通渋滞、両替してくれない売店、難癖つけてくる若者、融通の利かないバーガーショップ、会員専用のゴルフ場、誰もが経験した事のあるイライラ状態に、気持ちよくブチ切れながら話が進んでいく。
そんな男を追いかけるのは、今日が最後の出勤となる色んな事情を抱えた老刑事。妻や同僚、上司の理不尽な言い分を我慢して受け入れてきた男。よくある対照的な二人のパターンかな。
男のキレ場面がチョット痛快で、ついつい共感しながら観てしまった。
キレろ!
仕事も家庭も失った男が、世の中にはびこる些細な理不尽に対してブチ切れまくります。名前から連想するに、恐らく彼なりにずっと守りに入って生きてきたのでしょう。彼の言い分は異常で過激ですが、庶民の真っ当な声でもあり、垣根を越えて我が道を進む彼の暴力は世直しに見えてきます。
一方彼を追うベテラン刑事は、主人公とは正反対で忍耐と寛容の男。妻、上司、同僚を柔軟に受け流してなだめてやり過ごします。最後はっきり言い返せて良かったですが。
両極端の彼らはいずれも出世できず、社会の成功者とは見なされません。
もっと過激に世直ししてもらえると更に爽快感が増しそうです。
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