劇場公開日 2020年8月2日

8 1/2のレビュー・感想・評価

全56件中、21~40件目を表示

4.0「難解な映画は作るな」とプロデューサーは言った。「じゃあ、難解だけど観客が満足するような映画、作ったる」と監督は思った”という感じでフェリーニが撮った映画…かな?

2023年5月29日
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鑑賞方法:映画館

①正直に言って途中何度か眠たくなりました(一度は殆んど失神寸前まで行った)。でも我慢して付き合えば最後に素晴らしい映画的体験が待っています。②『道』や『アマルコンド』『ジンジャーとブレッド』等に比べると遥かに難解です。でも『テナント』のような物理的な難解さではなく、一人の映画監督の内面を映像化したことによる難解さ。③自伝的作品と言われているようですけど、自伝なのかな?それより創作に行き詰まった監督が悩んだ挙げ句新しい創作のインスピレーションを掴むまでの心の旅を映像化した作品のように思う。
④2022.10.10、「午前10時からの映画祭」ではじめて映画館で鑑賞。でも映画館でも寝不足で『8 1/2』を観てはいけません。後半何度か失神し“あの”ラストシーンを見逃してしまった。で、来週リベンジ鑑賞!

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モーさん

5.0監督の感性が冴える他者には真似のできない映画

2023年5月2日
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現実であろう場所
幻想であろう場所
現実かそれとも夢か
その全てが漂う。

優柔不断でお気楽な主人公は
今やるべきことを振り返らず
過去に逃げ、未来を想像する。
妻、愛人、女たち、砂浜、神様、仕事、仲間、
そんなものが彼の頭の中をぐるぐると回り
「最低」と言われ「素敵」と褒められる。
結局「あぁ、これでいいんだ」と丸く収まる。
そのシーンで終りを迎える。
ニノ・ロータの楽曲が好い。

もし死ぬ前に「ひとつ」
見たい映画を選べと聞かれたら
間違いなくこれだろうな。

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星組

4.0出力方法は違うけど、これってEEAAO だよね。

2023年3月15日
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出力方法は違うけど、これってEEAAO だよね。

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ouosou

4.0私の頭の中のハーレム

2023年1月29日
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早稲田松竹で今年初の劇場鑑賞。
休みの日の昼の回でほぼ満席でしたが客席の民度は高めで混乱もなく。
呎がかなり長い(トイレ行きたくて気が散る)ことを除けば好きな映画だった。
とにかく画がきれい。ロケーションやら衣装やらカメラワークやら、とにかくフェティッシュが満載。白黒だけど色のコントロールが完璧。車はシトロエンDSぽいのが出てくる(最高にかっこいい未来カー)。
音楽はニーノ・ロータだけど、ワグナーのワルキューレとか、聞き覚えのある曲の印象が強い。
予算があるんだないんだか、優雅なんだか破れかぶれなんだかわからない、貧乏だけど妙に貴族的な感じがイタリアっぽい。江戸っ子気質というか。。
当時の観客にはさそじかしインパクト大だっただろうな(でももし自分が当時の観客だったらこれをちゃんと好きだと言えただろうか。。)

トップシーンからしてもう強烈。車の中で窒息しかけるマストロヤンニを周囲の誰一人として助けない。ノーリアクションなだけで人の顔ってこんなに怖いんだな。。
画面が白黒というのも手伝って、終始悪夢の中にいるような浮遊感が漂う。
一方で、現実と幻想(現実逃避)がシームレスにつながる感じは妙に舞台劇っぽくもある。

そして、こんな内容なのに意外なほど理解しやすい。
相貌失認の気があるので、初めは説明が少ない中で誰がどの役だ?って思ったけど、最終的には問題なく飲み込めた。どうやらイヤリングをしないのが本命の女と見た。
ハーレムシーンは色んな前提を抜きにしても、いちばんハッとさせられた。自分の女を一堂に集めた光源氏同様、男の夢はいつの時代も同じなのか。。

これは映画関係者の(悪)夢のような作品だと思う。自分の脳内、あるいはセラピーの過程がそのまま一本の映画になる。
デビットリンチ味が濃い。「マルホ」の時間シャッフル構造をすごく想起した。あとはエヴァTVの最終回を思い出して、今にもみんなが拍手しはじめるんではとヒヤヒヤした。

どんな監督も一度は夢見るだろう自伝的な作品だろうけど、カトリックだからか?非常にきまじめさを感じたり、クールなのにすごい土着的なものに縛られている感じがする。
映画の語りや構造はテクニカルだけど基本的な心根は無垢っていうギャップは、ニューシネマパラダイスを思い出した。

あとはすごいお風呂映画。なにしろ舞台が温泉だし。水=死や誕生、洗礼を連想もするけど、まず単純にあのハイソな湯治場がめちゃくちゃ映える。
あとはあの巨大な農家っぽい家。あんな構造の家、初めて見た。あれは実在の場所なんだろうか。私が見たことのあるドイツや南仏、ゴッドファーザーのシチリアとかとも全然違う不思議な作り。
家の中に屋根付きの中庭みたいな炊事場があって、階段で上がるとアパートみたいに個室になってる。壁や階段は土みたいな素材で、今見ると逆にモダン。セットかも知れないけど、モデルがあるならイタリアの前近代やばいな。

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ipxqi

3.5映画監督はつらいよ

2023年1月28日
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鑑賞方法:映画館

ようやく観る機会を得られた。
自宅では観ないと決めていた作品
だったので、早稲田松竹に感謝。
映画監督の周辺を取り巻く人々が、
濃いめのキャラと早送りしているのでは?
と思うほどのテンポで描かれている
ことに、人酔い的なものを感じるほど。
置いてかれないように頑張って食らい
着いた後の、ラストのグイドのルイザに
対するメッセージ。そして大団円まで
行き着いた時には達成感を禁じ得なかった。

ところで、「アサニシマサ」は日本語よね?

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そろそろだな。

4.0陳腐だが普遍的な内容、その映像

2023年1月23日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公である映画人の叙事詩なのだが、モノクロ、時代背景がわからない為、とても幻想的、抽象的な印象を受ける。

幻想的、或いは抽象的なシーンのあとセリフ展開が始まり、また次のチャプターでは幻想的、抽象的なシーンが入りストーリーが入るという作りで、物語を掴みにくい。また物語自体は中年の叙事詩であり、特段感じるものはない。

では何が良いか?
それはその幻想的、抽象的な映像とセリフ展開の作りそのものと、出てくる映像がとても素晴らしい事。

話題の冒頭のシーンのあと、広場で人が集まってるシーンは意味がわからないままである。老人の視点は虚ろ、誰もこちらを気にしない、そのシーンはとても美しく、天国というものはこのような雰囲気であればと思った。

この映像が1900年代前半に作られてる事を含めると素晴らしい芸術作品。

すっきりせず2回目鑑賞で追記

イタリア映画の典型的な能天気×シリアス、人生は楽しもう、大団円に、というもの。

内容は女、仕事を軸に展開し、ハーレム、パトロン、カトリックという在りがちなテーマで陳腐、しかしながら、結局人間なんてそれしかない、それを幻想的な映像で展開している。

幻想の導入、与太話というシークエンスが当時は新鮮だった。

では、それまでかというと、妻にも、クラウディアにも中途半端、結局何がしたいんだとう絶望からふいに軽くなる、力が出るときは確かに「それでも踊ろうよ?」という感覚があり、それを表現したのは見事。

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ho

これだからゲージュツ映画は

2022年10月9日
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鑑賞方法:映画館

つまらん。
午前10時の映画祭のラインナップに入らなかったら絶対観ない一本。
巨匠フェリーニのブランドで名作だと思い込んで我慢して
映画通気取りで観ている人はいないのかなー?
単細胞の私の脳みそには内容が全く入って来なかった。
延々と意味不明の映像と全く繋がらない台詞。
カメラワークも今風じゃないので物凄い違和感。
何から何まで理解不能のゲージュツ作品。
カーチェイス、銃撃戦、殺人鬼、宇宙船、大災害、スーパーヒーローの
エンタメ映画の方が面白いに決まっている。
やっぱり欧州古典映画は無理でした。

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シゲ

4.5やっぱり、フェリー二は凄い。

2022年10月9日
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鑑賞方法:映画館

 私が映画のベスト5に挙げている映画だ。スクリーン画面で観るのは初めて。テレビ画面で見るより、スクリーンはいい。

 この映画を難解だと評する人は多い。小説で例えるとジョイスの「ユリシーズ」みたいな作品だからだ。支離滅裂と言われても仕方がないなと思う。

 芸術作品を創作している人だとわかり易いかもしれない。但し、成功している人だけだ。世界的名声を得たフェリーニが、自身の体験をぶち込んだ作品だ。でも、よく見るとところどころ、マストロヤンニが真実と思われるセリフを語り、繋げてみるとこの作品が理解しやすいと考える。

 しかし、公開時、この映画は有名な映画賞を受賞しているはずだ。分かる人には、分かる映画か。

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いなかびと

5.0圧巻のラスト

2022年10月8日
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鑑賞方法:映画館

監督は次回作の構想に頭を悩ませていた。

ツタヤでずいぶん前に借りて鑑賞し、あまりに感動したためその後、リバイバル上映された際、遠くの劇場まで足を伸ばして観る。
生涯ベスト10に入る名作。

自分を売り込みに来る厚かましくも貪欲な役者たち、
小難しい足かせを説く宗教検閲、
こまごまと、しかし一番厄介な個人的な事情のあれこれ、
なにより巨匠は次に何を撮影するのか、
大衆の大いなる期待。
俗っぽさの極みに翻弄され、無邪気なプレッシャーに襲われて、
それでも名監督として堂々振る舞わねばならず、
しかし迫る製作発表の日。
期待に満ちた目が、監督を追い詰めるあの残酷さは痛々しく、
そこから一気にファンタジーへ飛んだ時の開放感たるや。
何があろうとあなたの味方、といわんばかりのあの混然一体とした幸福感とパワフルさに
涙腺崩壊だった。
そしてこれを言葉でうまく表現しろ、と言われてもとても難しい。

ただ人前で何かを表現したことがある人なら、
その舞台袖で、公開前に、震えながら本番を待つ、
あの酷くみじめで恐怖に満ちた、けれど本当は愛に包まれた瞬間が
同様に本作に流れている事を理解してもらえるんじゃないかと思う。

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N.river

はっかにぶんのいち

2022年10月8日
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鑑賞方法:映画館

フェリーニ監督の8.5本目の作品であることから名付けられた81/2。内容は理解し難いが独自の世界観に引き込まれる。劇場で一度は観ておきたい歴史に残る名作。恐れ多くて評価は出来ません。
(午前十時の映画祭にて鑑賞)
2022-173

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隣組

4.0人生はお祭りだ!

2022年10月5日
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鑑賞方法:映画館

「午前十時の映画祭」で鑑賞。

映画や美術作品を鑑賞して、その感想を述べるときに「わからない」という言葉は使いたくないのだが、この映画、何をやりたいのか、何が言いたいのか、ハッキリ言ってよくわからなかった。虚実綯い交ぜのストーリーに混乱するところも多く、たびたび眠気にも襲われ、「これが傑作と呼ばれる所以は?」などと考えながらスクリーンを見つめていた。

けれど――けれど、ラストシーンには感動してしまった。
なんか知らんけど、こころが震えた。

高揚感と悲哀、混沌と狂騒、炸裂するイメージとぶっ飛んだ演出……。何よりも、生命感にあふれている気がする。こんな映画なかなかないんじゃないか?
「うん、やっぱり傑作かもしれないな」と、さっき観たシーンの数々を反芻しながら、これを書いている今そう思うのだった。

いちばん印象に残ったセリフ――それは、グイドがラストに語る「人生はお祭りだ 一緒に過ごそう (“ともに楽しもう” だったかな?)」という言葉だ。
よくわからん映画だったが、このセリフが監督からのメッセージなのだろうと僕は勝手に受け取った。

そして、映画館からの帰り道、僕はちょっと元気になっていた。

観終わったあと、元気になる映画は、いい映画だと思う。

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peke

3.0難しいが貴重なものを観た気がする

2022年10月3日
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鑑賞方法:映画館

難しい

映画監督のグイドは、新作の構想で悩みクランクインを延期していた。温泉地を訪れたグイドは女性たちとの関係や仕事上の知人たちとの現実に悩まされ、様々な夢や幻覚が現われ・・・てな話。

これ、たぶんストーリーが有って無いようなものなんだろうと思った。
男も女も浮気しても良いってな雰囲気もあるし、哲学的だったり、政治的だったり、もちろん文化的で、凄く奥深い事を作品の中に散りばめてるように感じた。
映画を作るためにはそんな色々な要素を脚本に込め、キャストを厳選し、舞台美術に細心の注意を払い、音響やBGMを考え、凄く神経をすり減らされるものなんだろうと感じた。
タイトルの意味が観賞後もわからず、ググったら、作品数なんだと知れた。面白い事をする監督だなぁ。

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りあの

4.0クリエイターの迷宮

2022年10月2日
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久しぶりに観たフェリーニの作品で、非常に難解ながらも映像やキャラクターの魅力に強い引力を感じました。次回作に行き詰まり湯治場に逃げてきた映画監督が、次から次へと現れる映画の関係者や愛人、女房に振り回されるのが何ともおかしいです。そこに、クリエイターの原風景となる幼少期のエピソードや今は亡き両親との会話などを挿入し、現実と幻想の区別を曖昧にしながら、フェリーニ好みの大道芸趣味の猥雑さが加わった独特の映像世界のインパクトが強烈です。映画監督として撮りたいものと周囲が期待しているもののギャップに苦しむのは、まさにクリエイターでないと理解できないのかもしれません。だからこそ、フランソワ・トリュフォーやボブ・フォッシー、北野武等のクリエイター達が同じタイプの作品を作っているのがよくわかりました。役者では、マストロヤンニの当て書きのような名演で、伊達男とコミカルさのバランスが絶妙です。女優も素晴らしい人ばかりですが、クラウディア・カルディナーレの息を呑むような美しさはダントツでした。

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シネマディクト

5.0騒々しい夢のような作品の中で終幕の語りとその情景が強烈に印象に残る...

2022年3月19日
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騒々しい夢のような作品の中で終幕の語りとその情景が強烈に印象に残る作品.これは僕の知っている映画ではない.フェデリーニが発明したなにかであると思ってしまうような唯一無二の存在だった.作品を作るときに重要なのは駄作を世に出さないことであるという事について深く首肯すると同時に,できる限り沈黙していられるようにありたいとSNSで自分を偽る時代にいる中で身にしみて感じた.

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ケ

5.0映画監督フェリーニの私小説的映画宇宙の、解体と再構築のイマジネーションのスペクタクル

2022年1月26日
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これは正しく映画の大傑作である。映画の特質を生かした、映画監督フェデリコ・フェリーニの映画のための映画だ。あの「アマルコルド」の時と同じく、感動で全身が震える快感に身を委ねるが、フェリーニ監督の40代の若き作品だけに、その活気ある演出と表現力に圧倒されてしまった。「道」のリアリズムタッチは、幻想と感覚の大胆な発露によって内包化されている。替わって作者自身の自己批判と映画創作の苦悩、そして女性に囲まれる男の夢、そこから映画監督として新しい創造の世界に挑戦する使命感まで、フェリーニ独自の映画的宇宙の時空を自由自在に飛行していて、真に面白い。私小説の如き作家の内面を探る興味深さ。想像力豊かな映像の饗宴、そこにある研ぎ澄まれた映像感覚の独自性と内容の個人的な告白の両立によって、この傑作はフェリーニ映画の真骨頂として記録されるべきである。同じイタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督が耽美的映像美術を創造しながら、何処か映画形態を否定する教養が観客の足枷になるのに対して、サーカスに強い憧憬を持って映画人になったフェリーニ監督のスペクタクル性は映画そのものの魅力に溢れている。イタリア映画は、この二大巨匠を生んだことだけでも偉大であろう。
先ず導入部の主人公の幻覚シーンが、その当時の文明社会における人間の孤独を描いて見事だ。機械文明と情報氾濫の中に埋もれた一人の映画人の心情がイマジネーション豊かに表現されている。続いて湯治場の群衆シーンになるが、このスローモーション撮影による感情のない人形みたいな虚無感の演出には驚嘆した。音楽との調和も素晴らしく、この映像感覚には脱帽である。
主人公が少年時代を回想するシーンも面白い。大家族の様子や、海岸で出会う巨漢の女性とのダンス、そのことで神父から叱られる神学校の描写など。フェリーニ監督の記憶がノスタルジーに止まらず、常に現在の主人公の心理に反映されている。そして移動ばかりの映画撮影の裏側を見せながら、ラスト大規模なオープンセットのクライマックスとなり、一度失意のどん底にいた主人公が映画創作に全精力を注ぐ結末の、何とも言えない寂しさがいい。ラストシーンの印象的な幕切れは、この映画の製作成功を意味した心地良い境地に誘う。映画を愛する人なら、この傑作は貴重な宝ものになろうし、映画監督の大変さに想いを寄せるだろう。それだけの自己分析の厳しさが、フェリーニ監督の中に確実にあるからだ。

  1978年 12月12日  フィルムセンター

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Gustav

3.0女神カルディナーレ

2021年11月14日
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Masa_king01

5.0明るくて悲しい。

2021年7月29日
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鑑賞方法:VOD

映画
『8 1/2』
の感想をブログに上げました。

監督:フェデリコフェリーニ
制作年:1963年
制作国:イタリア フランス
アカデミー賞 外国語映画賞

【あらすじ】
スランプに陥った映画監督が、キャスト、スタッフ、妻、愛人、空想の人々と交わり苦悩しながら映画作りを進める物語。

現実、妄想、映画のイメージ、過去の記憶の4つの映像が混在する世界で進行する物語は明るくて悲しい。
フェリーニの自伝的映画。

【感想】
自分の中で最高の一本の一つです。

映画全体を通して、笑いの中に感傷的な思いが漂っており、穏やかにじんわりとした気持ちで酔わせてくれる映画でした。
映画史に残るラストシーンも素晴らしいです。
ダメ人間を愛してやまない方にもお勧めの映画です。

ブログの方では、ネタバレありで個人感想の詳細とネット上での評判等を纏めています。
興味を持って頂けたら、プロフィールから見て頂けると嬉しいです。

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trico

4.0微妙な感覚の映像化

kさん
2021年7月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

難しい

幸せ

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k

3.5ASA NISI MASA

2021年5月9日
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楽しい

難しい

はちとにぶんのいち⇨ようかとにぶんのいち⇨はつかにぶんのいち⇨はっかにぶんのいち

まず読めなかった。
未だに【はっ↘︎か】なのか【はっ↗︎か】なのか…
ずっと気になっていたフェリーニ作品。
高評価の一方で、「難解」「自分にはまだ早かった」「退屈」「眠い」との声もたくさんあり、「まさかねぇ」と。
まだアマルコルドしか観てないけど、あの雰囲気でそんな訳……ありました。
びっくりするぐらいその通り。
眠くなるまいと意気込んでいたのに、半分も行かずにウトウト。
ただ(また、矛盾文になりますが)、退屈なのに楽しいという謎現象。
分かりそうで分からない、難解映画特有のあの感じ。
あ、分かりそうと思って観ていたら、どんどん分からなくなっていくという。
ネタバレ解説を読んだら、意外にあらすじ自体はしっかり掴めていましたが、
謎、謎だ、謎すぎる、この映画!

簡単なあらすじとしては、映画監督のグイドが新たな映画制作のために温泉療養をするものの、良い案が思いつかず、周りから圧力をかけられ、女性関係ももつれ、ちょっとずつ病んでいくみたいなおはなし。
冒頭の車の渋滞(あのシーンの煙は、周りからの重圧ですよね)からの空中浮遊、そして自分が凧みたいになってしまうあの夢(?)で、これヤバイなと悟り…
その後も夢だかなんだか分かりませんが、幻想シーンが入るのですが、恐らくその幻想と現実が入り乱れ過ぎていて区別がつかないのが、難解さの最大の理由なんじゃないでしょうか。

映像、音楽はやはり良くて、そこはしっかりと味わうことができました。
フェリーニ節楽しいです(特に最後の円になって踊るところは最高)。

アマルコルドも徐々に好きになっていったように、これも反芻映画のような気がします。
今はこの多少のモヤモヤを持ち続けて、少し時間が経ってからまた観たいと思いました。
また違った味わい、良さが感じられるでしょう。
きっと。

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唐揚げ

5.0映画化された自由連想・箱庭的なもの。

2021年3月7日
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知的

難しい

よくぞここまで己の内面をさらけ出したものだ。
 尤も、映像や音響等他の人の手が入っているので、無意識の世界というより、ち密に再構成・再創造された表象の世界である。とは言え、その表象世界におけるそれぞれの布置等と考え出すと、興味をそそられてのめり込んでしまう。ひっくり返ったおもちゃ箱。

監督はユングに傾倒していたとか。ユング心理学や夢分析の知識でもあればさらに楽しめるんだろうな。

ミュージカル・映画『NINE』の原作。

難解。
 映画『NINE』の方がミュージカル仕立てという特性もあってメリハリがはっきりしていてまだ解りやすく作っている。しかも『NINE』はハリウッド映画で有名どころがたくさん出演していらしたから人物を取り違えることは無かった。
 けど、こちらは古いイタリア映画だけあって、インパクトある俳優以外は皆同じに見えてきて、1回見ただけじゃ把握しきれない。相当予習が必要かも。

かつ、飛ぶ鳥落とす勢いの監督グイドに群がる人・人・人。常に騒がしい。

かつ、グイドの現実・願望・妄想・思い出が入り混じる。どこからが現実でどこからが内的現実なのか定かではない。

スランプになった監督の悪あがき。人間関係も行き詰っている(こっちは自業自得だが)。
ものすごく身につまされる。
 今までとこれから、周りからの期待と自分らしさの狭間で、押し潰されそうになっていた私には珠玉の台詞が満載。重苦しいべたべたとした雰囲気が、最期に少しだけ軽くなった。断捨離って必要ですね。
 (自死を匂わせるシーンもあり、そういう解釈の方もいらっしゃることを考えるとぞっとするが、自殺のシーンが妄想・断捨離のある意味の比喩と、私は解釈)

これだけハチャメチャなのにもかかわらず、映画と成立しているところがすごい。他の映画なら時間返せと叫ぶのに、この映画からは何故か目が離せない。落としどころをどうするのかがすごく気になって、最後まで見てしまう。
 女性のファッションも真似したいものから、反面教師的なものまで。
 役者の所作だけでも見応え有る。

特筆すべきは、主人公にマストロヤンニ氏を起用。
 『ひまわり』のようなシリアスなものから、『ああ結婚』のような喜劇役者までこなせる役者。
 この映画でも、『ああ結婚』でも、女にだらしない自己中人間を演じながらも、徹底的な嫌悪感を抱かせない色悪を演じられる方。
 超セクシー・かっこいいマストロヤンニ氏のあんなカッコが見られるなんて(ブブッ)。
 スランプを扱っているにもかかわらず、重すぎない、でも、上記のような自死を匂わせる危なさをだせる役者。
 つい放っておけなくて、グイドの顛末を見届けたくなる。

そして音楽。
 『アマルコルド』と似た旋律もあるが、どちらもロータ氏なのでご愛敬。

見る人を選ぶ映画。合う人と合わない人がはっきり分かれる。
語り合いたくなる映画だが、お勧めしにくい。

分かり易さで言うなら『NINE』の勝ち。
 蛇足と見るかはともかくとして、『NINE』はグイドが悔い改めて再生まで見せてくれるし。
 でも分かり易いってことは「分けて」「整理する」こと。分断してラベリングする必要がある。リメイクなら、リメイクした監督によって整理されラベリングされている。
 そこには混沌の中から、自分なりの宝石を見つける楽しさも、思いがけないものを組み合わせて生み出す楽しさもなくなる。
 きちんと整理されている心の部屋は、心地良いし、利便性が高いが、錬金術的反応は起こりにくいし、アドベンチャー気分も味わいにくい。
 何もかもを大事に抱えていると動けなくなるが、整理することで取りこぼすものも出てくる。何が必要で何を捨てるべきかは自分で決めるもの。私の人生なのだから。

どちらがお好みかは正解は無く、個人の嗜好の問題。
 どうやら私は、整理された世界より、様々なものが行き交う世界が好きなようだ。
 そしてそんな世界の中から宝物を探したくて、幾度となくこの映画を観てしまう。

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とみいじょん
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